あ、せかんどおぴにおん 第37回「ドメーヌ・ユービー ナンバー・ワン」
『あ、せかんどおぴにおん』第37回
「ドメーヌ・ユービー ナンバー・ワン」
目次
このコラムについて(ここは毎回同じことが書いてあります。)
あなたが五感で捉える感覚と他人が感じる感覚は同じとは限りません。もしかすると、同じ言葉で表現される感覚でも人によって感じている実際の感覚は異なるのかもしれません。逆にたとえ同じ感覚を得ていたとしても、人によって別の言葉で表現することはよくあることです。
疑心暗鬼になりながらも、”自分はどう感じるか”、ワインをテイスティングする際の実際の感覚に最も適した言葉を必死に探す。相手にわかってもらえるようにワインの状態や魅力を伝えることが目的だとしても、どうしてもその人の個性が出てしまう。それもまた、ワインテイスティングの醍醐味であると思います。
このコラムはメルマガと『ワインと美術』のコラムを担当させていただいている、20代のFiradis WINE CLUBのスタッフ、篠原が当店のワインを飲み尽くしていくコラムです。
しかしただテイスティングをしていくだけでは面白くありません。そこで、すでにページに掲載されているる商品説明やテイスティングコメントを引用しながら、自分ならどう思うか。もう一つの意見を記していきます。当然そのコメントに同意する場合も多いでしょうし、異議を申し立てることもあるでしょう。(あまりにも異議を申し立てるとFiradis WINE CLUBの信頼が揺らぎそうですが。。)また同じことを感じていたとしても、稚拙ながら別の表現で述べる場合もあります。そして時には商品ページの内容について、店長に質問することもあるかもしれません。
このコラムを読んでいただく物好きな方には、ぜひ同じワインを手元に置きながら、”自分はどう感じるか”を一緒に探ってほしいと思います。タイトルに「あ、」と不定冠詞「a」を付けたのはあくまで一つの意見にすぎないということです。皆様の意見についてはもしよろしければ、商品詳細ページのレビューにぜひご投稿ください。
それでは早速商品ページを見ていきましょう!
37回目にとりあげるのは、フランス・南西地方の白ワイン。「ドメーヌ・ユービー ナンバー・ワン」です。
ガスコーニュ、ナンバーワンワイン
前回に引き続き、フランス南西部のワイン。ガスコーニュ地方っていうのはボルドーも含めたフランス南西部の総称で、スペインのバスク地方のバスクが訛っていってガスコーニュって呼ぶようになったんだそうですよ。なかなか無理がありますが。。フランス随一の美食地帯で、当然ボルドーワインも含めて美食に合わせるワインが豊富な地域です。中央部にアルマニャックがあることも有名ですね。
ワイン産地名だとボルドーを分けて、南西地方と呼ぶのが普通です。ではなぜわざわざガスコーニュを強調するかというと、この生産者のワインがガスコーニュNo.1だからなのです!
「手ごろな価格」で「わかりやすい味わい」のワインを探して、フランス南西部のガスコーニュ地方へ。この地方にしては少し価格が高いものの、特段クオリティが高かったのが今回の新規生産者、UBY(ユービー)です。その高いクオリティから、成熟したワイン文化を持つフランス国内で販売本数No.1のガスコーニュワインになっています。
それだけフランス国内でも認められている、ということなのでしょう。ちなみに今回のワイン名が「ナンバーワン」というのは、たまたまです。
改めて、フィラディスは日々美味しいワインを探していて、各地に出張に行っています。近頃はなかなかコロナで行けなかったんですけど、ようやく去年くらいから行くようになって、これまで取り扱いのなかった南西地方にも出向きました。その時に出会ったワインの一つが今回のワインでした。
この辺りは生産量も多くて、比較的価格の低いワインが多いんですが、その中から良いワインを探すのはなかなかに至難の業。そしてこれ意外と良くないか、とたまたま見つけたのが今回のドメーヌ・ユービーでした。
UBY(ユービー)
手頃な価格。わかりやすい味わい。南西地方でワインを探すキーワードはこの2点でした。そんな中で見つけたこのドメーヌ・ユービーは実際に出向いた社員曰く、南西地方にしては少し価格が高かったんですが、その分抜群に味わいがよかったそうです。なんといっても「低アルコールながらもしっかりと旨味を伴った味わい」で、満足感もたっぷり。南西地方にしては高いかもしれないが、それでもコストパフォーマンスは非常に高いし、まあ十分手頃な価格として売れるだろうと判断しました。
たとえ数百円高くなってしまっても、その分格段に品質が上がるのであれば、品質の高い方を選ぶというのがフィラディスの考え方です。そして詳しく聞いてみればフランス国内でも販売数No.1の生産者だった、ということに気付いたという流れです。
そしてその後サンプルを複数輸入して、社員みんなでテイスティング。皆が納得できるアイテムだけに絞って販売が決定し、いよいよ今年から販売開始となりました。
今回試飲する「ナンバーワン」はソーヴィニヨン・ブラン100%。南西地方のソーヴィニヨン・ブランはどんな感じなのか。早速テイスティングです。
テイスティング
レモン、グレープフルーツ、さらにパッションフルーツや桃の香りといった厚みのあるトロピカルな香りを感じました!。そしてフレッシュで陽気なグリーンハーブが明るいワインであることを際立たせます。 たっぷりとした旨味と果実感とソーヴィニヨン・ブランらしい清涼感。太陽の下で、まるで昼間から飲み干してしまいそうな、軽やかに楽しめる1本です。
さて現在のコメントはこんな感じです。
私が感じた印象は、とにもかくにもトロピカル!陽気で軽やかなワインです。
わかりやすくて、難しいことを考えなくていいワインですね。とても暖かみのあるトロピカルな香り。コメントにもありますが、特にパッションフルーツのような熟れた果実の印象が強いです。それに加えて、ソーヴィニヨンらしいグリーンノートがそっと添えるように香ります。
そして香り通りの、わかりやすい味わい。トロピカルな香りそのままにたっぷりと果実味があり、爽やかな香りの要素そのままに、酸とのバランスがよく爽快感があります。これはぜひソーヴィニヨン・ブランが好きな方、わかりやすい白ワインが好きな方にはひとまず試して欲しいワインだと感じました。まだ発売されたばかりであまり知られていないですが、もっといろんな方に飲んでほしいですね。
この2000円くらいまでの価格帯だと、なかなか微妙なワインも多くて強くお薦めできるワインを探すのは難しいのが本音です。だからこそこういうキャッチーで幅広くお薦めできるワインに出逢ったときは嬉しいものです。改めて、一度お試しいただき、またご満足いただけることを願っております。
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