あ、せかんどおぴにおん 第8回「エミール・ベイエ リースリング・トラディション」

あ、せかんどおぴにおん 第8回「エミール・ベイエ リースリング・トラディション」

『あ、せかんどおぴにおん』第8
「エミール・ベイエ ・トラディション」

 

 このコラムについて(いつも同じことが書いてあります。)

あなたが五感で捉える感覚と他人が感じる感覚は同じとは限りません。もしかすると、同じ言葉で表現される感覚でも人によって感じている実際の感覚は異なるのかもしれません。逆にたとえ同じ感覚を得ていたとしても、人によって別の言葉で表現することはよくあることです。

疑心暗鬼になりながらも、”自分はどう感じるか”、ワインをテイスティングする際の実際の感覚に最も適した言葉を必死に探す。相手にわかってもらえるようにワインの状態や魅力を伝えることが目的だとしても、どうしてもその人の個性が出てしまう。それもまた、ワインテイスティングの醍醐味であると思います。

このコラムは現在夜メルマガと『ワインと美術』のコラムを担当させていただいている、Firadis WINE CLUBの新人、篠原が当店のワインを飲み尽くしていくコラムです。
しかしただテイスティングをしていくだけでは面白くありません。そこで、すでにページに掲載されている五十嵐店長による商品説明やテイスティングコメントを引用しながら、自分ならどう思うか。もう一つの意見を記していきます。当然五十嵐店長に同意する場合も多いでしょうし、異議を申し立てることもあるでしょう。(あまりにも異議を申し立てるとFiradis WINE CLUBの信頼が揺らぎそうですが。。)また同じことを感じていたとしても、稚拙ながら別の表現で述べる場合もあります。そして時には商品ページの内容について、五十嵐店長に質問することもあるかもしれません。

このコラムを読んでいただく物好きな方には、ぜひ同じワインを手元に置きながら、”自分はどう感じるか”を一緒に探ってほしいと思います。タイトルに「あ、」と不定冠詞「a」を付けたのはあくまで一つの意見にすぎないということです。皆様の意見についてはもしよろしければ、商品詳細ページのレビューにぜひご投稿ください。

それでは早速商品ページを見ていきましょう
8回目にとりあげるのは、エミール・ベイエ ・トラディションです。

アルザス地方最大の都市にしてフランスの東の玄関口、ストラスブールです。建物がドイツ的!

 

ドイツとフランス

 

Alsace region locator map

 

 

ドイツ国境に位置し、仏独両方の国に属したことがあるアルザス地方。住民もドイツ系が多く、「アルザス語」という独自のことばを話す方も多い地域です。こういった複数の文化がクロスオーヴァーした地域からは、素晴らしい芸術作品や美味しい料理が産まれることが多いですよね。

商品ページにはこんな風に書いてありますが、ここでドイツのアルザスとはどんな地方か、改めておさらいしておきましょう。

上の地図の通り、アルザスはフランス北東部に位置します。南北約190km,東西約50kmという南北に細長い地方。東側はライン川を挟んですぐドイツである。モーゼルなどドイツの主要ワイン産地よりは南に位置するというのもポイントです。

NHKのブラ〇モリ的な話をすると、この一帯は約6500万年前にアフリカ大陸とユーラシア大陸がぶつかり一度隆起した後、約5000万年前に中央が南北に陥没したようです。西側の山はヴォ―ジュ山脈、東側の山はドイツのシュヴァルツバルトとなって、その真ん中に現在のライン川を中心としたライン平野があります。ですのでアルザスのワイン栽培地域は、このヴォ―ジュ山脈の東側、ライン川よりは西側の斜面に位置しています。

ワインと美術でも書きましたが(長いので絶対に読まなくてよいです。)、アルザスは隣接するロレーヌ地方と共に、鉄鉱石や石炭などの資源の豊富さから、幾度となく列強の争いの舞台となってしまいました。17世紀くらいから変遷は始まり、神聖ローマ帝国→フランス→ドイツ→フランス→ドイツ→フランスで現在に至るというような状況です。そのためドイツの影響が色濃く残っているのです

例えばアルザスの住民の大部分は、ドイツ系アレマン人の一派のアルザス人で、ドイツ語の方言であるアルザス語とフランス語を両方話せる人が多いです。また食文化もドイツの影響を大きく受けていて、有名なシュークルート(ドイツのザワークラフトにあたる、乳酸発酵させた細切りキャベツ)やハムにソーセージにベーコンなど。ちなみに今回のエミールベイエをはじめ、アルザスのリースリングは肉料理とも相性が良いですよ。

ワインにおいてはドイツと同じ縦長のボトル。品種も類似しています。また単一品種や糖度を重視する文化もドイツと似ています。そして最近ではこの文化は変わってきていて、よりテロワールを意識してその土地に合った品種や味わいを表現するようになってきています。

 

ドイツと同じ細長いボトル。

アルザスワインの選び方

 

アルザスワイン街道
出典:https://www.wineroute.alsace/

 

「エミール・ベイエ」のワインはまさにその象徴!リースリング種に代表されるドイツ系ブドウ品種の甘く豊かな味わい深さと、フランスワインの上品で繊細なワインを目指す志向性が、一つの明快な理想形として結実。アルザスは寒い地域と思われがちですが、「エミール・ベイエ」が畑を所有する南部はじゅうぶんな暖かさに恵まれ、ふくよかな味わいのワインに仕上がりました。

 

現在アルザスには51のグラン・クリュがあります。そのすべての側を通り、一番北の街マルレンハイム(Marlenheim)から南のタン(Thaa)までの南北をつなぐ「アルザスワイン街道」という道があります。現地では有名な観光道路です。うねうねと少しずつ蛇行しながら多くの文化遺産を有する103の村を縫い、なんと南北約170kmにわたって延びています。このアルザスワイン街道については詳しくは森本育子さんの著書『アルザスワイン街道~お気に入りの蔵をめぐる旅~』を参照いただきたいんですが、この一帯がアルザスのワイン生産の中心地なわけです。

そして今回の生産者、エミールベイエが位置するのはコルマール(Colmar)のより少し南に位置するエギスハイム(Eguisheim)という町です。このエギスハイムという町、南北のワイン街道の中で真ん中よりも少し南に位置します。ここが大きなポイントです。

フィラディスの他のアルザスの生産者はすべて(ヘリング、リーフェル、ギイ・ヴァッハ)、もっと北に位置しているのです。詳しくはこちらの画像をご覧ください。

このエミール・ベイエはアルザスの中でも南部に位置し、「ヴォージュ山脈から少し離れた緩やかな丘陵の畑が多く、気温の高さともあいまって、豊かな成熟度を感じさせるような、ふっくらとして優しい味わいになる。」と書いてあります。

 

つまりアルザスは南北に長いため、その中でも南北のどのあたりに位置するかということがアルザスワインを選ぶ際の大きなポイントになるのです。

エミール・ベイエは南アルザスの暖かさをうまく表現しています。ドイツの産地に比べればなおさらです。逆にすっきりとして繊細で涼しげなリースリングを飲みたいと思ったら、ヘリングやリーフェルやギイ・ヴァッハを選べばよいのです。

本来はこの気候のほかにも「土壌」もアルザスワインを選ぶ際の大きなポイントになるのですが、、
まずは今回はこの気候だけ!ぜひまたアルザスを扱う際に取りあげて見たいと思います。

気候を操る

この造り手で興味深いのは品種の植え分け方である。通常、涼しい気候を好むリースリングは斜面上部に、暖かさが必要なピノ・グリやゲヴュルツトラミネールは斜面下部に植えられる。しかし、コルマール周辺はフランスで最も乾燥しているエリアのひとつで、気候も温暖だ。そのため、エミール・ベイエでは元々酸度が高いリースリングは南向き斜面や斜面下部に植え、酸度が低いゲヴュルツトラミネールやピノ・グリは比較的涼しい斜面上部や北斜面に植えて酸を保持している。これが、ベイエの魅力であるふくよかな果実の中にもエレガントな酸を備えたバランス感をもたらす。

最後にこの生産者の妙を一点。上記の通り、この生産者はただ南アルザスのふくよかさの恩恵を受けるだけにとどまりません。リースリングを日当たりの良い南向き斜面やより暖かい斜面下部に植えることでよりふくよかさを際立出せながら酸とのバランスを巧みにコントロールしています。この味わいのバランスも今回のテイスティングの注目ポイントとなります。さて、いよいよテイスティングです。

いよいよテイスティング

≪五十嵐店長のテイスティングコメント≫

◆辛口過ぎない、優しく繊細な味の白ワインをお探しならこれを!◆
日本人の味覚・料理に繊細にしなやかに寄り添ってくれる1本です。★
柚子や青りんごの爽やかな味わいが、優しく広がります。リースリングは豚肉との相性がとにかく抜群、柚子ポン酢で豚しゃぶ、のときなどに・・。

そしてCLUB30は更に豚肉をお勧めします。爽やかな果実味と柔らかな口当たりが脂身の甘さ・旨味と絶妙にマリアージュ。そして僕がお勧めしたいのは柚子ポン酢でいただく豚しゃぶ。そのさわやかな酸味をリースリングのさわやかなリンゴ酸がサポートし、豚肉&リースリングのマリアージュを更に上のステージに持っていきます。野菜料理ならアスパラガスなどの春野菜、冬は大根等の根野菜。ほっこりとする味わいの料理と楽しんでほしい1本です。

さていよいよテイスティング。よく見ると五十嵐店長はあまり詳しくはテイスティングコメントを書いていませんね。あくまで豚との相性を強調しています。ですので単体でたっぷりと味わいます。

私はこのワインを、「結局は綺麗なワイン」だと感じました。

香りからは柑橘系から青りんご、洋ナシ、あとはスーッとしたミントのような香りも感じました。心地よくもフレッシュな、清々しい香りです。

そして味わいは綺麗!でした。今まで書いたことだけを踏まえると、果実がふくよかでたっぷりして、何なら少し重たいくらいではないか、という感じですが決してそんなことはありません。あくまでさっぱり香りのまま爽やかです。すっきりとした酸と長くも透明感のある余韻。その始めから終わりまで果実の味をたっぷりと感じて、”美味しい時間”が長いワインです。

そしてこの爽やかな柑橘感は、確かにゆずぽんの豚しゃぶと合います。そこについては否定できません。あとは私は何のひねりもなく、シンプルに生ハムが良いと思いました。肉のうまみに負けない果実の旨味。爽やかさとは生ハムの塩分の相性。この暑い季節はキリっと冷やして、塩分補給も含めて存分に楽しみたいです。

今回は以上。たくさんの異論反論をレビューにてお待ちしております。

また、こちらでは、生産者インタビュー。それからこのリースリングと相性抜群ななべ焼きカマンベールチーズのレシピはこちら。これらも、よろしければぜひ。

Firadis WINE CLUBの新人、篠原がお送りいたしました。

 

 

CTA-IMAGE ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。 これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。 主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。 ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。 是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!
Translate »