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あ、せかんどおぴにおん 第29回「シャトー・ド・マルサネ マルサネ・ルージュ 」

あ、せかんどおぴにおん 第29回「シャトー・ド・マルサネ マルサネ・ルージュ 」

『あ、せかんどおぴにおん』第29
「シャトー・ド・マルサネ マルサネ・ルージュ

 このコラムについて(ここは毎回同じことが書いてあります。)

あなたが五感で捉える感覚と他人が感じる感覚は同じとは限りません。もしかすると、同じ言葉で表現される感覚でも人によって感じている実際の感覚は異なるのかもしれません。逆にたとえ同じ感覚を得ていたとしても、人によって別の言葉で表現することはよくあることです。

疑心暗鬼になりながらも、”自分はどう感じるか”、ワインをテイスティングする際の実際の感覚に最も適した言葉を必死に探す。相手にわかってもらえるようにワインの状態や魅力を伝えることが目的だとしても、どうしてもその人の個性が出てしまう。それもまた、ワインテイスティングの醍醐味であると思います。

このコラムは現在夜メルマガと『ワインと美術』のコラムを担当させていただいている、20代のFiradis WINE CLUBのスタッフ、篠原が当店のワインを飲み尽くしていくコラムです。
しかしただテイスティングをしていくだけでは面白くありません。そこで、すでにページに掲載されている店長による商品説明やテイスティングコメントを引用しながら、自分ならどう思うか。もう一つの意見を記していきます。当然店長に同意する場合も多いでしょうし、異議を申し立てることもあるでしょう。(あまりにも異議を申し立てるとFiradis WINE CLUBの信頼が揺らぎそうですが。。)また同じことを感じていたとしても、稚拙ながら別の表現で述べる場合もあります。そして時には商品ページの内容について、店長に質問することもあるかもしれません。

このコラムを読んでいただく物好きな方には、ぜひ同じワインを手元に置きながら、”自分はどう感じるか”を一緒に探ってほしいと思います。タイトルに「あ、」と不定冠詞「a」を付けたのはあくまで一つの意見にすぎないということです。皆様の意見についてはもしよろしければ、商品詳細ページのレビューにぜひご投稿ください。

それでは早速商品ページを見ていきましょう
29回目にとりあげるのは、ブルゴーニュの注目生産者のワインです。「シャトー・ド・マルサネ マルサネ・ルージュです。

ハーフもあります。

これがシャトー(城)の建物です。

今回は、王道、フランスのブルゴーニュ。その中でも今注目の生産者、シャトー・ド・マルサネです。マルサネのシャトー(城)、って聞くだけでなんかすごそうな気がしますよね。しかも今日テイスティングするのはその中でもマルサネ村のルージュ(赤)。この生産者を理解する上ではうってつけなわけです。

ただブルゴーニュ価格高騰の影響もあり、ブルゴーニュの有名な村ほどは高くないんですが、それでも現在で税込 5,250円となかなか普段使いには厳しい価格帯ですかね。この時点でこのコラムを読むのをやめようと思った方もいるのではないでしょうか。。

そんな方には、ぜひお手頃なハーフボトルで試していただきたいです!ハーフボトルで現在、税込3,000円。これならたまの贅沢にブルゴーニュの魅力を存分に楽しんでいただくのに、良いのではないでしょうか。

というかそれくらい、ハーフでもいいから飲んでほしいくらい、とってもお薦めのワインなのです!私は、「ブルゴーニュの魅力」を感じたいなら、一度はこのワインを飲んでほしい!と思っています。その理由はなぜなのか、順にみていきましょう。

改革の賜物

改革でやってきたディレクターです。

このワインを語る重要なキーワードは二つ。「改革」と「マルサネ村」です。まずは「改革」について。

時は2012年。フィラディスはこのシャトー・ド・マルサネが買収され、大きな改革を遂げるという話を聞きつけたのです。その改革の度合いが凄まじかったため、フィラディスはこの生産者の取り扱いを検討します。

まず買収した人物がすごいです。大資産家オリヴィア・アレイ。なんとこの方、フランスの長者番付の上位に名を連ねるほどの資産家!なんと100万ユーロ以上をいきなり投資し、急激な改革を始めます。

最新式の光学選果台をはじめとして醸造設備が一新されました。さらに、ドメーヌ・ブシャールという由緒あるブルゴーニュのドメーヌから、優秀なディレクターである社長を招きます。彼の下で緻密なデータを用いた畑の改植プログラムを作成し、また区画を熟知した専属管理者という制度を設けるなどして、綿密な栽培と収穫を可能にしました。

その改革の成果があらわれた2013年ヴィンテージを実際に試飲して、これはすごい!ということでフィラディスでの採用が決まったのです。あらためて、お金があるっていいですね(笑)。

しかし、ただお金をかければいいワインができるわけではありません。それだけお金をかける価値のある畑があったからこそ、大規模な投資を行ったのです。

マルサネ村

 

クロ・デュ・ロワやロンジュ・ロワなど、マルサネでも有数の優良畑を贅沢にブレンド。マルサネ村にはプルミエ・クリュ、グラン・クリュがないのですが、ここ数年マルサネでは「プルミエ・クリュ昇格運動」が熱を帯びています。もしプルミエ・クリュが制定されれば、これらの畑は間違いなく昇格するでしょう。そうなったらこのワインがどれだけお得かお分かりいただけるのではないでしょうか。

商品ページにはこんな風に書いてあります。マルサネにはグラン・クリュ(特級畑)もプルミエ・クリュ(一級畑)もないが、昇格運動が盛んになっているとのことです。

上の地図を見てください。マルサネ村(Marsannay)はコート・ドールというブルゴーニュの主要地区の最北端に位置します。なぜか唯一カタカナで書いてあるディジョンというブルゴーニュの首都に最も近かったことから、第一次世界大戦前まではディジョンに供給する安価なワインの生産地だったそうです。その後はまずロゼの産地として名をはせ、赤白の品質も向上。そして、村名格(AOC)が認定されたのはなんと1987年と比較的最近!かと思いきや今は「プルミエ・クリュ昇格運動」まで話が進んでいます!それだけ一気に品質が上がっているのです。

なぜ品質が上がっているのか。それは生産者の努力というのもあるのですが、実は温暖化によってブドウがより熟すようになってきたことも理由なのです。マルサネはコート・ドール最北端であり、比較的冷涼な村です。このマルサネ村の気温が、温暖化によってよりブドウ栽培に適した温度になってきています。

ブルゴーニュのワインを表現する時によく「繊細」とか、「エレガント」なんて表現を使います。こういったワインができるのは、冷涼な地域だからこそです。なのに近年は温暖化でより果実味がしっかりとしたワインになりやすくなっています。だからこそ「ブルゴーニュらしい」エレガントなワインを求めるため、より冷涼なマルサネ村が注目されているのです。しかもマルサネ村は例えばジュヴレ・シャンベルタンとかヴォーヌ・ロマネといったような村々より知名度が低く、価格も比較的手ごろという我々にとってうれしい側面もあります!!ブルゴーニュはどんどん価格が上がっていますからね・・・

それでいて、標高や日当たり、土壌条件を満たした優れた畑は多いので、気候の変化が後押しして昇格運動が起きています。ちなみに、そのプルミエ・クリュ昇格候補の畑をマルサネ村で一番広く所有している生産者は、このシャトー・ド・マルサネなのです。優れた畑をたくさん持っているからこそ、投資する価値があったというわけです。

そんなマルサネ村のブドウをバランスよくブレンドしたのが、今回のマルサネ・ルージュ!それではいよいよテイスティングです。

いよいよテイスティング

マルサネ村を知り尽くしたシャトーの入門ワイン。トーンの高いベリー系果実のアロマティックな香りにスモーキーなニュアンス。フレッシュな果実が口の中をしなやかに満たしてくれます。果実の旨味と美しさの共存、それこそマルサネの美味しさなのです。

店長のテイスティングコメントはこんな感じです。私が感じた印象はシンプルでした。旨味たっぷりでエレガント、です。

まず香りから。かなり強めの赤系ベリー系果実、非常にパワーのある香りです。そして店長はスモーキーなニュアンスと書いてますが、私はとてもスパイシーなニュアンスを感じました。あくまで果実香が前面にありながら、その後にペッパーやシナモンの香りが立ち上ってきます。あとはバニラの程よい香りもしますね。

そして味わいなんですが、もう単純に、すごい分かりやすく美味しいです。詰まった旨味。エレガントで爽やかな酸の度合い。タンニンは軽くて一切気にならず、とても柔らかい果実が口の中を満たして、非常に上品な後味に至ります。余韻もとっても長く、心地よいです。

改めて思ったのは、このワインのハーフボトルはプレゼントにピッタリだということ。わかりやすく旨味たっぷりで美味しく、上品さもあって相手を選びません。ブルゴーニュ、マルサネの魅力が詰まったハーフボトルをちょっとしたお祝い事で渡すのは、とても素敵だなと思いました。

というわけで以上です。褒めすぎて、予定調和加減が強い気もしますが、、皆さんも是非今注目のマルサネを体感してみてください。

例によって、下記のコラムも是非ご参照ください。ここまでお読みいただきありがとうございました。

ワインペアリング奮闘記 第147回 ブルゴーニュに浸りたい、そんな夜に / シャトー・ド・マルサネ マルサネ・ルージュ 2019年

ワイン職人に聞く、10の質問【第26回】シャトー・ド・マルサネ(フランス・ブルゴーニュ地方)

 

 

CTA-IMAGE ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。 これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。 主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。 ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。 是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!
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