ブルゴーニュの白ワインのもつ魅力とは~ソムリエ直伝!家飲みワインの楽しみ方~
愛猫と過ごす時間を増やすために、私はもっぱら家飲みの機会が増えた。夏は冷やした白ワインを飲んで、リラックスタイムを満喫している。暑い季節にはワインもスッキリとしたタイプが飲みたくなるもの。そこで、今回はブルゴーニュの白ワインの魅力をお届け。
目次
ブルゴーニュって?
フランスの中東部に位置するブルゴーニュ地方は、最北地区に位置するシャブリから最南地区にあるボージョレまで約150kmにわたるワインの名産地。
「シャブリ」「コート・ド・ニュイ」「コート・ド・ボーヌ」「コート・シャロネーズ」「マコネ」「ボージョレ」の6つの地域があり、地域ごとのワインに特徴がある。その特徴を知ることで飲みたいワインを選べる楽しみもある。例えば、シャブリ地区は、キリッとした酸が特徴の白ワインの産地。コート・ド・ボーヌには、世界的に有名な高級白ワインの産地がある。さらに南下して、マコネまで行くと同じシャルドネから造る白ワインでも、シャブリとは異なったスタイルになる。
格付けってなに?
フランスワインには地理的表示のあるワインとないワインがある。表示のあるワインの中で、最も厳しい規定をクリアする必要があるA.O.C.(Appellation d’Origine Cotrolée)。一般的に、地方名⇒村⇒畑(プルミエ・クリュやグラン・クリュとさらに格付け)とエリアがだんだん狭くなると、品質や価格があがる傾向にある。
A.O.C.ブルゴーニュとラベルに書いてあると、ブルゴーニュ地方全域のブドウを使える。ブドウの原産地だけでなく、栽培や醸造にも規定がある。この規定をクリアしたワインのラベルにA.O.C.の名称を記載できる。この規定により、産地や品種といったワインの味わいをさぐる情報があるので、ワインを選びやすい。
ブルゴーニュ産 白ワインの魅力って?
ブルゴーニュの白ワインがもつエレガント(フィネス)さ。
果実味・酸味・アルコール・樽の効かせ方など、それぞれの要素が絶妙にバランスを取っていて、洗練されている。その味わいは、付け焼き刃では真似できない、長年のワイン造りの歴史も感じる。
ブルゴーニュには品質の良いブドウができる銘醸畑があり、醸造の技術も高い。世界中の造り手が、ブルゴーニュ・スタイルを造りたい!とお手本にするくらい、優美で繊細なワインの数々は、トップレベルの栽培と醸造技術から生み出される。
高い希少性、その理由は?
現在ではブルゴーニュのワインはどんどん希少性が上がり、ワイン投資の対象にもなっている。なぜなのか?
要因①:生産量。ブルゴーニュのワインの平均年間生産量は約150万hl(ボージョレを除く)。もう1つのフランスの銘醸地ボルドーの480万hlと比べると、かなり小規模だとわかる。(出典:OXFORD COMPANION)
要因②:ブランド化。中国などでブルゴーニュやボルドーワインが人気で、需要は上がる一方である。
要因③:気候の影響。近年は気候変動の影響などで、収穫量がグッと落ちる年もあり、供給が需要に追いつかないこともある。
お好みのワインを探してみよう!
ブルゴーニュの北に位置するシャブリと、南のマコネでは明らかにワインのスタイルが異なる。シャブリとマコネは同じブルゴーニュのワインでも対照的なスタイルで、その日の気分や料理に合わせてワインを選んでみてはいかがでしょうか。
ブルゴーニュの中で北に位置するシャブリは、南のマコネに比べると冷涼な気候。冷涼地域では酸の高いブドウができる。この酸を活かした醸造方法で、柑橘類や青リンゴのような爽やかでキリッとしたワイン。おもに樽は使わずステンレスタンクなどで醸造し、樽を使う場合もごく控えめである。
シャブリのワインとの定番ペアリングは生牡蠣。ワインのもつ高い酸味と柑橘類のフレーヴァーが、牡蠣に絞るレモンと同調する。また、フィッシュフライなどの揚げ物を食べるときに、レモンの代わりにワインを使うのもあり!
一方で、南にあるマコネは、シャブリと比較するとふくよかなワイン。フルーツでいえば、熟れたリンゴ・洋梨・白桃やパイナップルのようなトロピカルフルーツのフレーヴァーを感じる。長年プルミエ・クリュもグラン・クリュもなかったが、2020年にプイィ・フュイッセ地域の22区画がプルミエ・クリュに認定。プイィ・フュイッセのワインは、シャブリと比べると厚みが増し、クリーミーで樽からのアーモンドのようなフレーヴァーを感じる。
プイィ・フュイッセはワインのクリーミーさを活かして、ホタテのバター焼きやチキンのクリーム煮など好相性。ペアリングの第一歩としては、ワインと料理に何か共通の味わいを探すことがおすすめ。
【当店のおすすめ】ブルゴーニュの白ワイン
ワイン専門商社 株式会社フィラディスが直営するFiradis WINE CLUBより、おすすめワインをご紹介。
カミーユ・エ・ローラン・シャレール シャブリ(仏ブルゴーニュ産白750ml)
ドメーヌ・ド・ランクロ シャブリ(仏ブルゴーニュ産白750ml)
ドメーヌ・コルディエ・ペール・エ・フィス プイィ・フュッセ テロワール・ラール (仏ブルゴーニュ産白750ml)
ライター紹介:近藤美伸(Kondo Minobu)
Dip WSET
J.S.A.認定ソムリエ、ワインエキスパート
イタリアNative Grape Odyssey マエストロ
International Wine Challenge (IWC) associate judge
Japan Wine Challenge(JWC) 認定ジャッジ
第9回サクラアワード審査員
大学卒業後、航空会社のフライトアテンダントとして国際線ファーストクラスや日本政府の特別フライトを担当。サービスインストラクターとして、外国人CAに接客マナーの指導を行う。世界各国の滞在先で数々のワインや郷土料理に触れ、食文化に深い関心を持つようになる。ECC外語学院英語講師、日本や欧米誌のエディター・ライターの経験を経て、現在は日本のワイナリーの業務に携わっている。
パリとLAに長期滞在した経験と世界中のワインや食体験を元に、ワインセミナーを開催している。ワインを学ぶ事により、自分自身が感じた「世界を旅するような感動」を伝えて行きたいと思っている。2022年に英国WSET®最難関の国際資格WSET Level 4 Diplomaを取得。
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