ワインボキャブラ天国【第57回】「クローブ(丁子)」英:clove 仏:girofle
- 2020.10.24
- ワインボキャブラ天国
- グルナッシュ, コート・デュ・ローヌ, ピノ・ノワール, フランス, レシピ, 樽, 熟成, 生産者, 香り
連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!
取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!
ということで今回ご紹介する言葉は・・・
「クローブ(丁子)」
英:clove
仏:girofle (*男性名詞:発音は「ジロフル」)
ワイン表現に使われるクローブ=日本語名で「丁子(チョウジ)」は、チョウジノキの花蕾を乾燥させた香辛料の状態が主。
その形を見て戴くとすぐに分かるかと思いますが、何となく釘のような形をしていますよね。
「釘」の字の右側に「丁」という文字があるように、「丁子」の名前はその形から連想して中国で付けられたものだそうです。
中国ではその薬効から生薬として使われ、なんと口臭消しに使われることもあったとか・・・
それだけ香りに強さがあるということですね。
アジア諸国ではカレーなどの料理に使用されることが多かったこのスパイス、欧州ではリンゴや梨などの果物を加熱調理する際にシナモンと一緒に加えたり、レモンと合わせてお茶などに風味を付けたりといった使い方がされていました。
現代ではホットワイン(ヴァン・ショー)を作る際に、同様の使い方をしますよね。
スパイス・ハーブの専門家S&Bさんのホームページでは、ホットワインのレシピでやはりクローブ、シナモン、ブラックペッパーとレモンを加えています。
(因みに僕は少し生姜を加えるのも好きです)
↓↓↓
https://www.sbfoods.co.jp/recipe/detail/03107.html
さて、この「クローブ=丁子」を想わせる香りがワインの中に見つけられるのは、例えば樽熟成したピノ・ノワールやグルナッシュ主体のコート・デュ・ローヌなど。
ワインに少しオレンジがかった色調が確認できる時に、複数のスパイスのイメージと混ざり合ったような「オリエンタル・スパイスの印象」が見つかることが多いです。
そんな時に幾つかの香辛料の名前を挙げていくと、香り表現に具体性が増すかと思います。
以前「スパイシーなワイン」についてのコラムでも書きましたが、香辛料の香りは現物が手軽に入手でき、身に付けやすいですよね。
ナツメグやシナモン、クローブ、八角などは香りの勉強用に持っておいても良いかも。
ちなみに、フィラディスのオフィスには常に色々なハーブ&スパイスの現物が用意されていて、皆で匂いを覚えています 笑
ということで本日はこのへんで。
今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!
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