ワインペアリング奮闘記 第29回「シャトー・レ・モワンヌ メドック・クリュ・ブルジョワ 2006年」
- 2020.02.01
- ワインペアリング奮闘記
- カベルネ・ソーヴィニヨン, シャトー・レ・モワンヌ, フランス, ペアリング, ボルドー, マリアージュ, レシピ, 肉料理, 赤ワイン
『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第29回
熟成ボルドーにあの熟成食材で、旨さ倍増?!
このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。
コラムの性質上下記の点について、ご容赦いただいております。
■失敗してもやり直しできませんので、その時は何がダメだったのか考察する回とさせて下さい。
■家庭の料理なので、冷蔵庫にたまたま余っていた物なども積極的に使います。
■うちの子に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルクなど乳製品が使えません。
今回のお題は『シャトー・レ・モワンヌ メドック・クリュ・ブルジョワ 2006年』です。
13年熟成のボルドー・メドックの赤ワインです。
早速テイスティングしましょう。グラスに注ぐと外観は深く落ち着いた赤色。
中央は深く黒みがかって、エッジにほんのりガーネットの色調が見られます。
香りの第一印象はダークチェリーやカシス。ドライフルーツのニュアンスもあります。
ミント等のバーブ、シナモンやリコリスのような茶系スパイスの甘やかさ、そしてなめし皮や落ち葉のようなヒントも感じられました。
外観からも香りからも、熟成が進んでいることが伺えます。
口に含むと、とても滑らか。よく熟した黒系の果実が詰まっている印象で、ジューシーさがあります。
タンニンはしっかりと感じますが、よく熟して溶け込んでいます。
中盤からエレガントな酸味、そして舌にしっかりとしたミネラルを感じます。
後半に向けて、じわじわと旨味が広がって行き、余韻に仄かなダークチョコレートのような苦みも感じました。
熟成感と果実、その両方を楽しめる、正に今、飲み頃の赤ワインといった感じですね。
全体的なバランスが良く、単体でとても美味しいです!
では、合わせる料理を考えてみましょう。
このアロマやタンニンからも、カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴を感じさせるこのボルドー・ワイン、やはり赤身の肉を合わせたくなります。
シンプルに焼いたお肉で良いと思うのですが、ワインの熟成感を生かす風味付けが最大のポイントになりそうです。
以前、キノコソースを熟成ボルドーに合わせたことがありますが、そういった何かですね。
ううむ、と唸りながら冷蔵庫を物色していたら、面白いものがありました。
それは赤だし味噌です。
熟成という点でワインと共通していますね。
焼いたお肉にこの味噌を使ったソースというのはどうでしょうか?
早速、やってみましょう!というわけで今回は『カイノミのタリアータ・赤だしソース』です。
作り方:
北海道牛のカイノミという部位を用意しました。
塩コショウで下味をつけ、さっと両面を焼いたら、休めておきます。
赤だし味噌を、赤ワインで伸ばしてよく溶かし込みます。
お肉を焼いた後のフライパンで、微塵切りのニンニクを炒め、このワイン味噌液を加えて軽く煮詰めます。
砂糖、醤油で味を調えて、ソースの出来上がり。
お皿にソースをしいてお肉を盛り付け、ピンクペッパー、ミントを散らし、トマトとクレソンを添えて出来上がり。
実食:
では、お肉をソースにつけていただきます。うん。お味噌のソース、美味しく出来ていますよ。
どこか朴訥とした味噌の塩味と酸味が、お肉のうまみを引き出してくれます。
さっそく『シャトー・レ・モワンヌ』をいただきましょう。
やはりレアに焼き上げたお肉に、カベルネ・ソーヴィニヨン主体の熟成ボルドーワインの組み合わせは、シンプルに「うまい!」王道的な喜びがあります。ピンクペッパーのアクセントも良い感じです。
そして、中盤から後半に感じる旨味。
ここに味噌の風味が合わさることで、より広がりや奥行きを感じます。
土や鉱物、葉っぱ、樹木、血や皮。そういったフレーヴァーが余韻として残って行きます。
太陽や大地を感じる、というと大げさかもしれませんが、まるでそれぞれに熟成という時を経たワインと味噌が、お互いの生い立ちを語り合っているかのようです。
改めて食べることの喜びや感謝を思い出して、元気が湧いてくるようなペアリングになりました!
いかがでしたか?
後半、ちょっと深遠な感じのレポートになってしまいましたが、普通に美味しく楽しめるのでお気軽にお試しいただければと思います。
このワインに限らず、熟成ボルドーなら味噌はアリです!
それでは、ご意見ご感想お待ちしております。次回もお楽しみに!
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