クリスマスにおすすめのワインや選び方~ソムリエ直伝!家飲みワインの楽しみ方~
寒さが厳しくなる一方、年末に向けて楽しみなイベントの一つがクリスマスですよね。家族と共に家でゆっくり過ごす方もいれば、同僚や友人と賑やかに楽しむ方もいて、思い思いのクリスマスを過ごす方が多いのではないでしょうか。そんなクリスマスを彩るのにぴったりなのが何といっても”ワイン”という存在。しかし、どんなワインを選べばいいのか迷ってしまう…なんて方もいるのでは?
そこで今回はクリスマスの“過ごし方”に合わせたワインの選び方をご紹介。クリスマスプレゼントとしてギフトする場合の選び方も解説するので、ワイン選びでお困りの方はぜひご覧くださいね。
目次
クリスマスの定番はシャンパンとワインのどっち?
日本では「お祝い事=シャンパン」というイメージが強いからか、クリスマスにおいてもワインの定番は”シャンパン”だという印象がありますよね。実はシャンパンは、下から上へと絶え間なく泡があふれる様子から「ずっと幸せでありますように」という願いが込められており、その縁起の良さからもイベントの席にぴったりなお酒だと言えます。一方、クリスマスの本場である欧州では、”イエス・キリストの血”にちなんで赤ワインを飲む方が主流です。11月の第3木曜日がボージョレ・ヌーヴォーの解禁日ということも重なり、赤ワインを好む人が多いです。
では、シャンパンと赤ワイン、どちらがクリスマスに最適なのでしょうか。この悩みにソムリエがお答えするなら、それはズバリ、「クリスマスの過ごし方による」です。
相手の好みや合わせる料理によって、シャンパンが良いか赤ワインが良いかは変えてOK。プレゼントであれば贈る相手に応じたワイン選びを行なってください。クリスマスにどう過ごしたいのか、どう過ごしてほしいのかに合わせてぴったりのワインを選ぶと喜ばれますよ。
クリスマスにぴったりなワインの選び方とは?
クリスマスに最適なワインを選ぶには、どんな過ごし方をしたいのか、シーンに合わせて決めるのがおすすめ。ゆっくり家飲みでワインを楽しむのか、パーティーで大勢とにぎやかに楽しむのかにもよって、最適なワインは変わります。
今年のクリスマスはどこでどう過ごしたいか、イメージを膨らませながらワイン選びを行うのがポイントですよ。
1. クリスマスを家飲みで過ごすなら「料理」にあわせたワイン選びが重要
クリスマスに家飲みを楽しむなら「料理」にあったワインを選んでみてはいかがでしょうか。おつまみ、メイン、デザートと、クリスマスに食べたい料理に合わせてワインを選ぶのがポイントです。なかでもおすすめしたいワインは2つ。
一つは、カプレーゼやフライドチキン、さらにはデザートにまで万能な「シャンパン」です。どのタイプのシャンパンも最高ですが、ここは”キリストの血”にちなみ、黒ブドウのみで造られるブラン・ド・ノワールや赤ワインが混じるロゼシャンパンが料理のボリュームにも寄り添うでしょう。シャンパンにデザートを合わせるなら、ショートケーキやフルーツタルトがおすすめ。ピーチやラズベリー、トーストやブリオッシュといったワインの要素が、デザートの味わいと同調してくれます。
もう一つのおすすめが、クリスマスのメイン料理を最高に引き立ててくれる「赤ワイン」。クリスマスのメインといえばやはり肉料理ですが、七面鳥のような鶏肉かローストビーフのような牛肉では、選ぶワインのスタイルも変わってきます。メインが牛肉の場合はワインにも力強さが求められるため、果実味と樽香が調和したフルボディタイプがいいでしょう。ボルドーやリオハのテンプラニーリョ、最近はエレガンスさが増してきたカリフォルニアも最高です。また、こうしたフルボディの赤ワインは食後のデザートにまでペアリングできます。ガトーショコラやブッシュドノエルのようなチョコ系のデザートが相性抜群ですよ。メインが鶏肉の場合は、ブルゴーニュのような繊細で上品なピノ・ノワールやガメイ、エレガントなキャンティがおすすめ。鶏肉の淡白さにワインの重さがマッチし、両者がちょうど良いバランスで絡み合います。デザートには、和菓子という選択肢も。ピノ・ノワールは、抹茶や餡子のような和菓子と相性がいいので、クリスマスにあえて”和菓子”をチョイスし、いつもと違ったクリスマスを楽しむのも乙ではないでしょうか。
2. クリスマスパーティーに持ち寄るなら華やかなワインを
クリスマスパーティーに欠かせないのは、その場を演出する”華やかさ”、つまり「シャンパン」!パーティーの乾杯ドリンクとして、場を盛り上げてくれる存在にうってつけです。シャンパン特有の力強くもきめ細かな泡立ちは、見た目にも美しく、調和の取れた味わい深さは、おつまみからデザートまで幅広くマッチしてくれます。もしプレゼントとして手渡す場合は、ラッピングをして手渡しするとより喜ばれるでしょう。
通販サイトで購入する場合も、個包装を行なってくれるお店を利用するのがおすすめです。また、シャンパンは必ず冷やすことを忘れずに。抜栓時の吹きこぼれリスクが軽減するため、常温で持ち込んだ際は「ボトルを水で濡らして10分ほど冷凍庫で冷やす」と簡単に適温で楽しむことができますよ。
ルゴーニュのワインを例にとると、高級素材を使った料理にはグラン・クリュ(特級)やプルミエ・クリュ(1級畑)の高級ワインを合わせ、カジュアルな料理にはAOCブルゴーニュのような地方名ワインを合わせるような具合である。
クリスマスプレゼントにおすすめのワインの選び方
お酒好きな方へのプレゼントには、ワインを渡すのも喜ばれるでしょう。プレゼントでワインを渡すなら、渡したい相手に合わせたワインを選ぶのが大切です。
親しい人に贈るなら”楽しみやすいワイン”を選ぶのがポイント
汎用性の高いシャンパンは喜ぶ方も多いでしょう。もし、プレゼントを贈りたい相手がお酒に弱い、辛口やフルボトルの渋みが苦手という場合は、アルコール度数も低く口当たりの良い「半辛口〜甘口のリースリングやシュナンブラン」がおすすめです。甘口がいいけどもう少しお酒感も欲しいという方には、ドサージュの多い「ドゥミ・セック」や「セック」、「貴腐ワイン」のような甘口も好まれます。
お世話になった方に贈るなら”センスが光るワイン”がポイント
お世話になった方がワインをよく嗜む方なら、あえて有名所ではないワインを選ぶのもいいでしょう。大手メゾンではなく小規模生産者のRMのもので、”目新しさ”と”高品質さ”を狙ったシャンパンを選んでみてはいかがでしょうか。
おすすめは「ジャン・ラルマン 2014Millesime」。まるでムースのようなきめ細かい泡に溶け込んだ、ブリオッシュやトースト、ヘーゼルナッツの香ばしさが印象的で、特別な日には相応しい品格を備えた一品です。ワイン通であろうとなかろうと、お相手の舌を唸らせること間違いなしのワインでしょう。
【当店のおすすめ】クリスマスに楽しみたいワイン
ワイン専門商社 株式会社フィラディスが直営するFiradis WINE CLUBより、クリスマスに楽しみたいワインをご紹介。
シャトー・ド・ロレ クレマン・ド・ロワール ブリュット当然ワイン好きが多いフィラディスの社員が社内販売で最も購入しているスパークリングワインです。この生産者はシャンパーニュのボランジェで修業し、このロワール地方に良い畑を見つけて泡づくりを開始した経緯があります。冷涼なロワールらしい爽やかさとシュナン・ブランという品種のふくよかな味わい。
グランデス・ビノス・イ・ヴィニェドス アナヨン・カリニェナクリスマスの定番チキンでも、少し趣を変えて。煮詰めたベリーソースでいただくのはいかがでしょうか。ワインの煮詰めたベリー感のある果実味とベリーソースがマッチします。また、料理とワインどちらにも共有するしっとりと柔らかいテクスチャが相乗効果を発揮します!人気ワインアナヨンの最上級、非常に濃密なカリニェナという品種が、クリスマスの食事を豊かにしてくれます。
クリスマスに豪勢な海鮮、アクアパッツァを堪能するなら、南イタリアのカンパーニャ州を代表する魚介料理といえばアクアパッツァには、この南イタリアのグレコという白ワインを!グレコの塩味を伴ったミネラル感が、アクアパッツァの磯の旨味に同調。ワインが料理の余韻を引き伸ばし、よりリッチに感じさせてくれるという、素晴らしい同郷のマリアージュを楽しめます。
半甘口の白ワイン。その暑さから赤ワインのイメージが強いリオハですが、この産地は非常に標高が高く気温差が大きいので白ワインの栽培に向いています。活き活きした酸と柔らかいフルーツの甘さが口いっぱいに広がり、ハーブの清涼感とレモンピール的な苦みがエレガントに良くまとまった余韻を生み出します。ショートケーキの甘さを際立たせ、綺麗にまとめてくれます。
ライター紹介:田中 純平 (Junpei Tanaka)
J.S.A認定ソムリエ、ワインエキスパート
J.S.A認定SAKE DIPLOMA
WSET Level3
大学時代のスペイン留学中にワインの魅力に囚われ、帰国後はスペイン語とワインの二足の草鞋を決意。在学中にヴィノスやまざきでインターンを経験し、同年にワイン関連の資格を諸々取得する。卒業後はフリーランスとして独立し、スペイン語レッスンや(株)楽天グループの翻訳担当を経て人気ソムリエが監修を務めるお酒のウェブメディアや西日本新聞社運営の焼酎メディアにて監修ライターを務める。現在は副業にて、ワインD2C会社であるHomewineに携わり、ワインに関する相談にお答えするソムリエコンシェルジュサービスを担当中。
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