ソムリエ直伝！家飲みワインの楽しみ方　～シャンパンをより一層楽しむ料理とお奨めの飲み方～

「ポンッ」という音と共に一瞬にしてその場を彩っては、心躍る時間を与えてくれるシャンパン。あの「シュワ」とした喉越しと、深く芳醇な香りが恋しくて仕方がない…という方も多いのではないでしょうか。

特に冬はクリスマスや忘年会など、シャンパンと相性のよいイベントが増える時季。普通に飲んでも美味しいのはもちろんですが、より一層楽しめる飲み方があるならぜひとも試してみたいものですよね。そこで今回は、今よりシャンパンが好きになる”シャンパンの楽しみ方”をご紹介します。

 シャンパンとスパークリングワインの違いとは？ 

どちらも、シュワシュワとした泡感が楽しめるシャンパンとスパークリングワイン。なんとなくシャンパンのほうが高級な印象がありますが、その違いについて深く理解をしている方はそう多くはありません。シャンパンの持つ魅力の”核”へとつながる、スパークリングワインとの違いをおさらいしてみましょう。

シャンパンの特徴は「味わいの深さ」にある
そもそもシャンパンとは、スパークリングワインの一種のことです。「フランス北部のシャンパーニュ地方にて厳格な法律のもと造られたスパークリングワイン」であり、厳しい規定をクリアしたごく一部のスパークリングワインだけがシャンパンと名乗ることができます。

そんなシャンパンの特徴は、力強くも細かな泡立ちと芳醇なアロマ。スパークリングワインと比べてもこの差は歴然ですが、この違いはシャンパン独自の製法に由来します。「瓶内二次発酵式（シャンパン方式）」と呼ばれる製法で造られたワインは、最低でも9ヵ月以上熟成されるためガス圧が高まり（約6気圧）、特有のトーストやブリオッシュを思わせる芳醇さが際立ちます。また、旨味がしっかり引き出されるので、口溶けもなめらかになり、泡のきめ細かさもアップ。口当たりが非常によくなりますが、この味わいや深さが醸されるにはそれなりの時間がかかるため、結果的に価格が高くなる傾向にあります。

スパークリングワインの特徴は「爽やかさ」にある
一方でスパークリングワインは、ブドウ本来の味わいが生きたフレッシュで軽快な味わいが特徴です。香ばしく芳醇な風味が良しとされるシャンパンとは違い、果実や花のアロマが感じられる味わいが求められるため、製法も手軽なことが多いうえ、最も簡単なものではガスを注入するだけの場合もあります。

※当記事内の「スパークリングワイン」はシャンパンやその他シャンパン同様の製法で造られた”以外”のワインを想定。

 自宅でシャンパンを楽しむ3ステップ 

シャンパンについての理解が深まったところで、次はおすすめの飲み方を紹介していきましょう。ここでの3ステップは、言わば、シャンパンをより楽しむための大切な下準備。自宅で楽しむからこそ知っておきたいシャンパンの取り扱いや注意点をご紹介していきます。

1：シャンパンの保管方法
自宅や友人宅でシャンパンを楽しむなら、当日までの保管方法も重要です。自宅にセラーがある方は、赤ワイン・白ワイン同様に13度前後で保管しましょう。シャンパンだからといって特別な方法を取ることは何もありません。

セラーがない方もご安心を。長期保管目的でなければ、購入したシャンパンはそのまま冷蔵庫又は野菜室にて保管しても問題はありません。その際、（短期間の保管ではそこまで神経質になる必要はありませんが…）コルクの乾燥防止の観点から、より湿度の高い野菜室にてボトルを寝かせて保管すると安心です。

2：シャンパンのおいしい開け方
次に、シャンパンの抜栓方法です。まず何より大事なのは、シャンパンを事前によく冷やしておくこと。これで抜栓直後に泡が勢いよく吹きこぼれる心配が大きく減ります。では、実際に以下の手順で開けてみましょう。

①栓周りのシールをはがす
↓
②親指で栓を抑えつつ、もう片方の手で針金を緩める
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③そのまま針金を緩めた手でボトル底を持ち、45度に傾ける
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④コルクではなく、ボトルの方をゆっくり回す
↓
⑤ガス圧で少しずつコルクが持ち上がるため、そのまま抑えつつも少しずつガスを逃してあげる感覚で外す。

3：シャンパン開栓後の保存方法
最後は、開栓後の保存方法についておすすめを2つご紹介します。まず、これ以上ないおすすめの方法が「シャンパンストッパー」。その手軽さはもちろん泡のキープ力も申し分なく、多少弱くはなりますが2〜3日は持ってくれます。1,000円前後で購入できる必需アイテムです。

次に、もし「友人の家でシャンパンを開けたがストッパーがなかった…」なんて事態に遭遇したら、サランラップを活用するのもおすすめです。サランラップを瓶口に被せるように巻き、その上から先ほど抜栓したミュズレをセット、あとは針金を巻くだけで手軽に保管ができます。1日程度の保存であれば十分ですので、ぜひお試しくださいね。

 シャンパンに合う料理で楽しむ 

シャンパンをいつもより一層楽しむには、シャンパンに合う料理で楽しむことも大切です。特別な日の料理はたいてい豪華なものですが、そんな料理に負けない風格を持ち合わせるのもシャンパンの魅力であり特筆すべき個性でしょう。

では、特別な日だけでしか楽しめないかというとそうではありません。普段よく食べるであろう、”あの料理”とのマリアージュが期待できるのはシャンパンならでは。日常のワンシーンをより彩ってくれること間違いなしです！

クリスマスにぴったりなシャンパン

クリスマスといえば、ローストチキンやフライドチキン、ローストビーフなど、赤ワインに合いそうなメニューが多い印象ですが、ロゼシャンパンも負けてはいません。ロゼらしい果実味は肉の旨味と良いバランスで混じり合い、シャンパン特有の香ばしいアロマが肉の焦げ目に寄り添います。さらに、シャンパン特有のクリーミーな泡と上品な酸が余分な肉の脂身を洗い流してくれるため、余韻をスッキリと演出。味わいに厚みがあるシャンパンだからこそ成せる、クリスマスペアリングです。

クリスマスにぴったりなシャンパン

お節料理にぴったりなのは、あらゆる素材の風味を生かしてくれるブラン・ド・ブラン。白ブドウ由来のシャープな酸とミネラル感、柑橘類の風味が幅広い品とマッチしてくれます。また、お節料理は日持ちしやすいよう、味付けは全体的に甘めなのが特徴。そこでシャンパンもドサージュの多い「セック」「ドゥミ・セック」のような”甘み”にフォーカスしたペアリングもおすすめです。

日常をちょっぴり豪華にするシャンパン

シャンパンに合わせるなら料理も贅沢にしなければ…なんて心配しなくて大丈夫。シャンパンは日常のちょっとしたシーンさえも華やかにしてくれるので、肩に力をいれる必要はありません。例えば、休日のお昼や晩酌のシーン。頑張った自分へのご褒美に、少し奮発してデパ地下のスイーツと合わせてみてはいかがでしょうか。

シャンパンとスイーツの相性は抜群ですよ。中でもフルーツ盛りだくさんのタルトやフィナンシェは格別。特にベリー系のタルトの場合はロゼシャンパンで合わせると、ベリーの風味が調和し絶品です。フィナンシェは、シャンパン特有のブリオッシュやナッツなどの香ばしさとフィナンシェの焦がしバターがたまらなくマッチ。この場合、シャンパンの中でもより瓶内熟成期間が長いものを選ぶと良いでしょう。甘いスイーツだからって、無理に甘口のシャンパンを準備する必要はありません。辛口・甘口どちらでもスイーツに合ってくれますよ。

【当店のおすすめ】料理と一緒に楽しみたいシャンパン 

ワイン専門商社 株式会社フィラディスが直営するFiradis WINE CLUBより、おすすめのシャンパンをご紹介。

厳選シャンパーニュで聖夜を彩る

特別な日のシャンパーニュ選びはフィラディスにおまかせください！ミシュラン三つ星を獲得されているフレンチレストランの100%にワインを提供するなど、日々プロ向けにワインを販売するフィラディス。そんなプロの方にも支持される本当に選ぶべきシャンパーニュは何かを考え続けているフィラディスのシャンパーニュは、特別な日に最適です。詳しくは 『ザ・シャンパーニュ』をご覧下さい。

ライター紹介：田中 純平 (Junpei Tanaka)

J.S.A認定ソムリエ、ワインエキスパート
J.S.A認定SAKE DIPLOMA
WSET Level3

大学時代のスペイン留学中にワインの魅力に囚われ、帰国後はスペイン語とワインの二足の草鞋を決意。在学中にヴィノスやまざきでインターンを経験し、同年にワイン関連の資格を諸々取得する。卒業後はフリーランスとして独立し、スペイン語レッスンや（株）楽天グループの翻訳担当を経て人気ソムリエが監修を務めるお酒のウェブメディアや西日本新聞社運営の焼酎メディアにて監修ライターを務める。現在は副業にて、ワインD2C会社であるHomewineに携わり、ワインに関する相談にお答えするソムリエコンシェルジュサービスを担当中。