ワインボキャブラ天国【第78回】「プラム」 英:plum 仏:prune
- 2021.04.24
- ワインボキャブラ天国
- カベルネ・ソーヴィニヨン, カリフォルニア, グルナッシュ, コート・デュ・ローヌ, スペイン, テイスティング, ピノ・ノワール, フランス, メルロ, モナストレル, ラベル, 熟成, 生産者, 赤ワイン, 香り
連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!
取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!
ということで今回ご紹介する言葉は・・・
「プラム」
英:plum
仏:prune (女性名詞:発音は「プルーン」)
プラム、日本語名では「すもも」です。僕は恥ずかしながらこの2つが同じものだとは知りませんで、数年前にワインテイスティングのコメントを作成するときに調べて初めて知りました。
ただ、日本の「すもも」は生食用中心、「西洋すもも(プルーン)」は生食だけでなく濃縮ペーストやジャムなどの加工品やドライフルーツにも使用されます。
参考までにプラムという果実の由来を書いておきますと、西アジアのコーカサス(ジョージア、アゼルバイジャン周辺)を発祥とする植物で、そこから南ヨーロッパに伝わったそう。
現在の最大産地は某「MKプルーン」でも有名なUSAカリフォルニアですね。
また、梅やアンズといった果物も実は同じスモモ属です。
プラム/プルーンの印象が見つかるのはやはり赤ワイン。
日本のすももは果皮が赤く甘酸っぱい味わいが特徴、このイメージは比較的明るい色合いで酸味の主張がある赤ワイン、例えばロワールのカベルネ・フランや各地のピノ・ノワールにも感じられるかと思います。
一方でセイヨウスモモは果皮が青黒く甘みの強い香りがあるため、より色の濃いワインの表現として使われることが多いと思います。
カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロを使用した若いワインですかね。
また、セイヨウスモモの発展的な表現として、やはりジャムやドライフルーツなどの言葉で使用されることも。
セイヨウスモモのジャムやペーストは色も黒色に近く、味わい・密度が濃く、気候が暖かい・・というよりはもはや「暑い」地域で栽培されたブドウ、例えばコート・デュ・ローヌのグルナッシュや、スペインのモナストレルなどの品種で造られたワインに見つけることが出来ると思います。
また、ドライプルーンはそれらのワインが一定の熟成を経た状態、つまりやや乾いて酸化したニュアンスを持った時に使いますかね。
僕個人は、プラムを表現として使うのは加工品・ドライフルーツが多いかもしれません。
生の状態だと、黒系果実の香りとしてはちょっと集中力に欠けるというか・・・。
プラム系のフルーツを使った表現では、これまでに「アプリコット」だけご紹介済ですが、「ミラベル」など日本には無い個性的な香りを持つ果実があります。
ちょっとイメージしにくい果物かもしれませんが、別の機会にそのあたりもまとめて解説させて戴きますね。
それでは今回はこのへんで。
今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!
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