ワインレッスン①「ワインの香り表現」、やってみませんか??
☆CLUB30と一緒に、「ワインの香り表現」、練習してみませんか?
久々のワインのマメ知識コラムは、数回にわたって「ワインの香り表現」について書いていきたいと思います。
ソムリエやワインアドバイザーが、
果物や花、香辛料、動物の匂いまで使ってワインの香りを表現するのを聞いた事があると思います。
(CLUB30の動画でも、そういった喩え表現でワインのイメージを伝えようとしていますよね。 )
でも、これがどうもピンとこない、と言う方が結構いらっしゃると思います。
実際に飲んでも「このワインのどこがその香りなのか、分からない」と思う時、
レモン?カシス?イチゴ?薔薇?桃?黒コショウ?
言われてみればそうかもしれないけど、分からないなあ・・・という時、多いのではないでしょうか。
僕も、人の表現に「その香り、このワインにあるかな??」と思うことがあります。
そして逆に、「の表現はちんぷんかんぷん」と思われていることだってあるはずです。
ひとつの理由としては、
ワインには非常に沢山の香り要素(香りごとに分子単位で分かれているようです)が混在し、
混ざり合っているからということがあるでしょう。
フルーツサラダや花束、七味唐辛子のような状態です。
色々な花を束ねたブーケから、薔薇だけの香りを嗅ぎ取ることは、なかなか難しいものですよね。
そして、香り要素はそれぞれ空気中に揮発する温度が異なっているため、
様々な要素が順番に立ち現われて、先に出ていた香りに加わっていきます。
良く言われるのは、最初に外に出てくる香りは「ブドウ品種由来の香り」
次に「醸造・発酵に由来する香り」そして「熟成に由来する香り」といった具合です。
グラスに注いだ時点からワインの温度は徐々に上がって行きますので、
香り要素が順々に空気中に放出され、そのワインの印象は刻一刻と変化していきます。
それが、ブドウ品種のミックス、醸造法(酵母の種類や発酵の手法)、
熟成方法(樽の種類、期間など)・・・といった膨大な要素で変わって行きます。
たとえ同じ生産者の同じ年の同じワインでも、樽ごとに香りは微妙に変わります。
そしてとても明確に「このフルーツの香り1点張り!決まり!」というワインが少ないのもそのためです。
☆ワイン表現と自分の感覚の、ギャップを埋めよう
そしてもうひとつの大きな理由は、ワイン表現で表わされる香りが、実際の果物等の香りイメージとギャップがある、ということです。
そのギャップを埋めない限り、自分の香りイメージとワインの香り表現がぴったり一致しないんですよね・・・。
だからこのギャップを解決するため、香りひとつひとつの喩えが、「まさにこれ!」というワインを体験して行くことが大切だと思います。
僕も、ワインを勉強し始めた頃、このやり方で徐々に間隔を掴んでいきました。
そこで今回から(不定期ではありますが)CLUB30上のワインレッスンとして、
「ある特定の香りを、大多数の方が見つけられる」というワインをご紹介して行こう、と考えました。
その香りを実際に体験して戴きながら(恐縮ですがご注文いただいて・・・)、
皆さんの中で少しずつ「香り表現の地図」を描いて行って頂こうという趣向です。
自分の嗅覚の中にこの地図がある程度描けると、
自然と自分なりの香り表現・味わい表現が出来るようになっていきます。
そして、自分の好みのワインを選ぶ目利きが上がり、料理マリアージュも簡単になるはずです。
勿論、擬似ワインレッスンではありますが、質問・疑問にもお答えして行きますよ!!
☆それではいよいよ第1回、香りテーマは「グレープフルーツ」です。
さて、ここまでで十分長くなってしまいましたが、やっと第1回目の本題に入ります。
最初は「グレープフルーツの香りを感じてみよう」です。
フレッシュな白ワインに使う香り表現としては、「柑橘類」がその代表です。
レモン、グレープフルーツ、ライム、柚子、カボス・・
大きいものから小さいものまで、様々な柑橘類が表現に使われます。
柑橘類のニュアンスを感じるワインは、やや緑がかった黄色のワインが中心。
やはり、青々としたフレッシュな酸味の印象は、外観にもきちんと表れるものです。
ではなぜ、柑橘類の中から最初にグレープフルーツを選ぶのか。
それは、グレープフルーツの果実そのものの香り要素と全く同じ構造の香りが、
ある産地のあるワインの中に見つかった、という面白い研究結果があるからです。
ブドウから出来たお酒が、発酵と熟成によりグレープフルーツそのものの香りになる・・・
ほんとうに不思議なことですが、これがワイン造りの神秘。
この香りは、全く同じ香り要素、とまで言われただけあって、
見つけられる方がとても多いはず。実際に試してみれば、すぐに納得するはずですよ。
その第1回目の練習教材になるワインは、
フランス・ロワール産「ル・クロー・ドローム ヴァランセ・ブラン」。
上記の、「グレープフルーツと全く同じ香りが見つかったワイン」は、
ロワール地域のソーヴィニヨン・ブラン種100%のワインなのです。
このワインは、まさに典型的なグレープフルーツのニュアンスのあるワイン。
CLUB30のコメントにも、しつこいくらいそう書いておきました 笑
さて、ワインが届いたらまずは冷蔵庫で良く冷やしましょう。3-4時間程度でしょうか。
冷えたら、出来るだけ先の細くなったタイプのワイングラスに注ぎ、
5-6回グラスを回してから香りを嗅いでみて下さい。
・・・・さあ、どうでしょうか。
グレープフルーツジュースのような香り、はっきりと感じませんでしたか?
感じた方、感じられなかった方、是非どちらもご感想を戴ければと思います。
CLUB30のFacebook上で、皆で議論するのも面白いかもしれませんね。
次回のレッスンも、白ワインの中で見つけやすい香りを探してみましょう♪
-
前の記事
『ワインをもっと美味しく楽しむための、シンプルなやりかた』 2019.11.01
-
次の記事
ワインレッスン② ワインに「ライチの香り」を見つけよう! 2019.11.13