あ、せかんどおぴにおん 第2回「トータス・クリーク カベルネ・ソーヴィニヨン」
目次
『あ、せかんどおぴにおん』第2回
「トータス・クリーク カベルネ・ソーヴィニヨン」
このコラムについて
あなたが五感で捉える感覚と他人が感じる感覚は同じとは限りません。もしかすると、同じ言葉で表現される感覚でも人によって感じている実際の感覚は異なるのかもしれません。逆にたとえ同じ感覚を得ていたとしても、人によって別の言葉で表現することはよくあることです。
疑心暗鬼になりながらも、”自分はどう感じるか”、ワインをテイスティングする際の実際の感覚に最も適した言葉を必死に探す。相手にわかってもらえるようにワインの状態や魅力を伝えることが目的だとしても、どうしてもその人の個性が出てしまう。それもまた、ワインテイスティングの醍醐味であると思います。
このコラムは現在夜メルマガと『ワインと美術』のコラムを担当させていただいている、Firadis WINE CLUBの新人、篠原が当店のワインを飲み尽くしていくコラムです。
しかしただテイスティングをしていくだけでは面白くありません。そこで、すでにページに掲載されている店長による商品説明やテイスティングコメントを引用しながら、自分ならどう思うか。もう一つの意見を記していきます。当然店長に同意する場合も多いでしょうし、異議を申し立てることもあるでしょう。(あまりにも異議を申し立てるとFiradis WINE CLUBの信頼が揺らぎそうですが。。)また同じことを感じていたとしても、稚拙ながら別の表現で述べる場合もあります。そして時には商品ページの内容について、店長に質問することもあるかもしれません。
このコラムを読んでいただく物好きな方には、ぜひ同じワインを手元に置きながら、”自分はどう感じるか”を一緒に探ってほしいと思います。タイトルに「あ、」と不定冠詞「a」を付けたのはあくまで一つの意見にすぎないということです。皆様の意見についてはもしよろしければ、商品詳細ページのレビューにぜひご投稿ください。
それでは早速商品ページを見ていきましょう!
2回目にとりあげるのは、当店のイチ推しアメリカワイン、トータス・クリーク カベルネ・ソーヴィニヨンです。
スクリューキャップなので、アウトドアにも最適。
産地について
まずは産地についてです。彼らが拠点を移したのはカリフォルニアの中でも、ローダイという産地でした。
西をサンフランシスコ湾に、東をシエラ・ネバダ山脈に囲われる広大な内陸地である、カリフォルニア最大のワイン産地セントラル・バレー。この地の中心都市サクラメントから南におよそ50kmに位置するのが、ローダイです。内陸の平地という暑い気候であり、安価なワインの供給元として知られるセントラル・バレーにあるにもかかわらず、高品質ワインを生み出す産地として有名なのですが、その理由は地形です。サンフランシスコ湾を望むデルタ地形は灌漑がしやすいだけでなく、より海に近い西側に位置しているため冷風が遮られることなく運ばれます。これがリッチなフレーバーを持ちつつも素晴らしい酸が両立する味わいをもたらすといわれています。
この地形がコストパフォーマンスの高さに大きく寄与しているのです。
生産者について
トータス・クリークは、フランスとカリフォルニアでワインビジネスを長く営んできたメルとジャニー夫妻によって興されたワイナリー。
南仏でのワイナリー事業等、豊富なワイン作りの経験から導き出された「良いワインは、良いブドウから」という信念に基づいて、カリフォルニアでも特に優れた畑のブドウをセレクトしています。
醸造の際は、大切な果実にストレスを与えないよう、ポンプを使わずに重力フローシステムを用いるなど、手間を惜しまずピュアで品質の優れたヴァラエタル・ワインを産み出しています。
大切にハンドクラフトされたワインをリーズナブルに提供している為、アメリカ国内を中心に世界中で着実にファンを増やしている、注目のワイナリーです!
生産者情報はこちらのページに詳しく載っています。
インタビューにも回答いただいているので是非参考にしてください。
ページに記載がない点で付け加えると、これまでの長い経験で培った優れたワインの鍵は低収量であることだそうです。できる限り終了を押さえることで量よりも質を求める。とにかくこの点を徹底しているといいます。
また彼らがもう一つ非常に重視している点はエコです。
トータス・クリークの情熱は、ただ高品質のワインを造る事だけではなく、 健康な土地や、健全なワイン作りを子や孫の世代に残していくことにあります。
そのために、カリフォルニア州の持続可能な農業の第三者認証である「ローダイ・ルール」の認定を受けて、 持続可能な農法を行っている小規模農家と協力し合ってワイン作りを行っています。
素晴らしい産地で徹底的に味わいを追求するだけでなく、水、土壌、生態系、あらゆる自然の要素に気を遣い、持続可能性までも追求する。そんな彼らのワインの味わいやいかに。いよいよテイスティングです。
いよいよテイスティング
≪店長のテイスティングコメント≫
選定時のテイスティングで一口飲んで驚いたのは、開栓直後にも関わらず一気に迫ってくるようなパワフルなフルーツ感。カベルネ・ソーヴィニヨンならではのブラックチェリー、カシス、そして挽きたて黒胡椒の香りが一気に広がり、グラスと自分の間の空気が一気に支配されます。CLUB30のワインでいえば『シルバー・ラベル』や『アナヨン・セレクシオン』に通ずる香りのヴォリューム感でしょうか・・・この圧倒的な果実のパワー感こそ、ワイン好きが王道スタイルのカリフォルニア・カベルネに本能的に求めるものだと思います。当然料理もその方向性に合わせてあげましょう。僕は初めてこのワインを自宅で飲んだ時には、マリアージュレシピでもお勧めしている甘くスパイシーに煮込んだ豚角煮を合わせたのですが、これがもう絶妙においしい!アメリカっぽく、蜂蜜やメイプルシロップを使ったソースを使った脂身の多い肉料理、というのもこのワインと良い相性を見せてくれそうです。
1,000円以下のカリフォルニアとは一線も二線も画すクオリティ、CLUB30絶対保証のワインを是非お試しください!
早速私もテイスティング。
私の強く感じた印象は、滑らかでシュルシュルと飲めてしまうワイン、です。
まずベリー系の力強い香りが広がります。これは二日目でも全く衰えることがありませんでした。香りからして果実味が詰まっていることが想像できます。ヴァニラやチョコの香り、香辛料の香りも果実の香りを下支えしていて香ばしさが心地よいです。また、カベルネらしいグリーンの爽やかな香りも感じます。
そして口に入れた瞬間、まるでジャムのように果実が広がりました。口の中で爆発するイメージです。『シルバーラベル』に通ずるとも書いていますが、それよりももっと自然なブドウ本来の果実、という印象を感じました。決して甘ったるくて嫌になる甘みではなく、果実を存分に引き出した自然で理想的な甘みです。
そしてその果実味に安定感を与えるタンニンの滑らかさ。これが甘さとうまくバランスをとりつつ飲みやすさを高めています。危うくジュースと間違えてしまいそうなほどごくごくと飲めてしまうワインです。そして香りで感じられたペッパーも奥に潜んでいるのがわかります。
料理も圧倒的な果実のパワー間に合わせた料理がいい、と店長が言っていますが、私はもはやこのワインをジャム代わりに、堅いフランスパン等と合わせたら最高だろうな、と思ってしまいました。
こちら渋いワインが苦手という方にピッタリなワインであり、そのうえで甘ったるいワインが嫌いな方にもお勧めしたい。価格も高すぎず、いつも人気上位にいるのも納得のワインです。
商品ページには美味しく楽しめるおすすめの飲み方、ワインに合うレシピも載っております。こちらも参考にぜひ、レビューに皆様のご意見もお寄せください。
お料理は、甘めのタレでシッカリと味付けしたお肉のグリルなど。ソムリエナイフが不要なスクリューキャップなので、アウトドアでBBQを楽しむ時にもお勧め。
(ワインレヴュー担当:Firadis WINE CLUB西岡 卓哉)
商品ページ上ではこのように書いている、西岡パパはペアリング料理に何を選んだのか。こちらも是非ご参考まで!
また、店長が無印良品の人気商品とのペアリングにも挑んています。いちいち料理をするのが面倒だけど、ワインと料理を合わせたい方、必見です。
以上、Firadis WINE CLUBの新人、篠原がお送りいたしました。
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