ワインペアリング奮闘記 第10回「トータス・クリーク　カベルネ・ソーヴィニヨン」

『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第10回
最もアメリカンなペアリングに挑戦！- トータス・クリーク　カベルネ・ソーヴィニヨン

このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。

コラムの性質上下記の点について、ご容赦いただいております。
■失敗してもやり直しできませんので、その時は何がダメだったのか考察する回とさせて下さい。
■家庭の料理なので、冷蔵庫にたまたま余っていた物なども積極的に使います。
■子供に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルクなどは使えません。

さて今回のお題は、トータス・クリーク　カベルネ・ソーヴィニヨンです。

カリフォルニアのローダイからやってきた赤ワイン。
グラスからはとても豊かに、ぎゅっと濃縮した、少し煮詰めたベリー類の香りが漂います。
そして甘やかなヴァニラや、燻製のようなニュアンスも感じられます。
味わいはとても濃厚ジューシーで、スパイシー。
パワー感があって、飲むと元気になれるような赤ワインですね！

・・・ところで、皆さん映画「サイドウェイズ」をご覧になったことはありますか？
カリフォルニアのワイン産地を舞台にした映画です。
その映画の中で、主人公が大切にしていた赤ワインを、ハンバーガーショップで飲むシーンがあります。
とても素晴らしいワインなのですが、到底ハンバーガーに合うとは思えない、ボルドーのグランヴァン！
あえてミスマッチを描くことで、見事に主人公の心模様を描き出した名演出でした。

この場面、私の中で印象に残ると同時に小さな疑問が生じていました。
それは、ハンバーガーに合うワインってあるのだろうか？という疑問です。
そして、もしそんなワインがあるとすれば多分、（誤解を恐れずに言えば）コーラみたいにジューシーでスパイシーなアメリカの赤ワインなんじゃないかと思っていました。

そして今回この課題ワイン「トータス・クリーク　カベルネ・ソーヴィニヨン」を改めて飲んでみたとき、直感的に「このワインで、試してみたい！」と思いました。
濃厚ジューシーで、スモーキーで、スパイシーで・・・これなら、黒コショウをたっぷりと効かせたバンズや、かりかりに焼いたベーコンを使えば・・・と思考がどんどん膨らんでいきました。
というわけで、今回は「自家製BLTバーガー」に挑戦です！

作り方：
米国産の牛挽肉を用意。塩コショウでしっかり目に下味をつけ、軽く混ぜ合わせて丸いパテに成形し、フライパンで焼きます。※挽肉はあまり練らない方がパテらしくなりますよ。
次に、ベーコンを中弱火で、カリカリになるまで焼きます。
バンズもカットして、内側をフライパンで焼きましょう。
焼けたバンズの内側に、マヨネーズと粒マスタードを混ぜたペーストを塗ります。
下からバンズ、レタス、レッドオニオン、パテと載せ、ケチャップを塗り、さらに、ベーコン、トマトをトッピング。
おまけでアボカドも挟みました。
蓋のバンズをのせたら、出来上がりです！
別途用意したフライドポテトを添えて、いただきます。

実食：
ハンバーガーをワイルドにお口に放り込むと、レタスの爽やかなアロマや、牛肉の香り、アボカドのクリーミーさ、トマトのヒヤッとした感触と酸味が、混然一体となり爆発的に広がっていきます。
そしてお口の中がある程度片付いたところに、トータス・クリーク　カベルネ・ソーヴィニヨンを流し込むと・・・思わず「ワオ！！」と叫びそうになりました！
ハンバーガーを食べた後に残る、塩味で喉が渇く感じ、そして口に残るオイル感、高揚感。
そこに少し冷えたこのワインが入ってくると、まるでぎゅっと濃縮したベリージュースが流れ込んで来たかのように爽やかに感じます。
そしてしっかりとした樽香とスパイス感が後を引き、思わずもう一口とバーガーを頬張りたくなります。
バランス感も良く、ワインが、ハンバーガーに負けていないし、ハンバーガーが、ワインに負けていません。

正直なところ、試す前はお口の中でパンにワインがしみ込んでぐちゃぐちゃにならないだろうか？等と心配していたのですが、順番に楽しめば問題ありませんでした。
とても食欲を刺激する、まさにアメリカンでとても楽しいペアリングです！
サイドウェイズの主人公マイルスにも、是非試して欲しいですね 笑

いかがでしたか？
実は今回、ちょっと珍しい「乳製品不使用バンズ」を使用しました。
卵・乳アレルギー対応のパンをネット販売しているお店、tontonさんで購入させていただいたものです。

 お蔭様で、子供も含めて家族みんなで美味しいハンバーガーを楽しむことができました。tontonさんありがとうございます！
それでは、ご意見、ご感想お待ちしておりますね。次回もお楽しみに！