ワインペアリング奮闘記 第17回「モンテカルヴィ・キャンティ・クラッシコ」
- 2019.10.28
- ワインペアリング奮闘記
- イタリア, キャンティ・クラッシコ, ペアリング, マリアージュ, モンテカルヴィ, レシピ, 肉料理, 赤ワイン
『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第17回
キャンティ・クラッシコのペアリングに苦戦?!
このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。
コラムの性質上下記の点について、ご容赦いただいております。
■失敗してもやり直しできませんので、何がダメだったのか考察する回とします。
■家庭の料理なので、冷蔵庫にたまたま余っていた物も積極的に使います。
■子供に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルク等は使えません。
さて今回のお題は『モンテカルヴィ キャンティ・クラッシコ』です。
グラスに注ぐと輝きのあり、やや黒みがかった美しいルビー色です。
香りはフレッシュなチェリーや、色の濃いベリー類を主体として、イチジク、ペッパー、リコリス、なめし皮やローズマリーなど、様々な要素が感じ取れました。
口当たりは滑らかで、軽く煮詰めたようなベリーのエキスが十分に感じられます。
酸が綺麗に伸びて行き、旨味が広がって行きます。
中盤から現れる、やや強めのタンニンが全体を引き締めている印象ですね。
骨格と、やや複雑味があり、熟成のポテンシャルも感じる上質なキャンティ・クラッシコだと感じました。
抜栓直後は、やや硬めの印象。早めに抜栓して空気に触れさせて置くのが良さそうですね。
ペアリングのお料理ですが、このように骨格のある赤ワインですので、お肉でしょう!
煮込み系か、焼き系かでいくと、ややトーンの高い味わいから、焼き系だと思いました。
シンプルなステーキでも良いですが、せっかくイタリアを代表するワイン、キャンティ・クラッシコですから、トマトソースとの相性はいいはず!と予想し、今回は『ハンバーグ・トマトソース』に決定しました。
いわゆるイタリアンバーグのようなものです。
作り方:
赤ワインとの相性を考え、ハンバーグはしっかり目の堅さに焼き上げることにしました。
挽肉は牛100%。つなぎはあめ色玉ねぎに塩コショウ+バルサミコで味付けしたもの、豆乳に浸したパン粉を使います。肉だねをよくこねてフライパンで焼いたら、そのまま炒めた後のフライパンでマッシュルーム、裏ごししたトマトと赤ワイン少々を軽く煮詰め、ソースを作ります。砂糖、塩で調味し、さらに枝豆を散らして出来上がり。
プレートにソース、ハンバーグと盛り付けて、バジルを飾り付ければ完成です!
※お好みでチーズをトッピングされても良いでしょう。
実食:
お肉とソースに合わせて頂くと、甘酸っぱいトマトソースがとってもフルーティです。
ややふっくら感に欠けるハンバーグではありますが、お肉そのもの!という充実感がありますね。
ワインを合わせた時、本領発揮してくれることを期待しましょう!
では、キャンティ・クラッシコを頂きます。
おおっ。やはり本格派です。味見した時よりも開いて、柔らかさが出て来ました。
余韻もしっかりと感じますし、素性の良いワインだな、と思います。
お料理との相性ですが・・・うーん、そうですね。正直、今一つでした。笑
トマトソースのフレッシュ&フルーティーさが、やや複雑のあるワインに対して素直すぎる印象。
ハンバーグも、堅めに焼いたとはいえ、赤ワインのタンニンを受け止める強さに欠けていました。
どちらが悪いわけでもないのですが、どうも盛り上がりに欠けるカップルのようですね。
今、改めてこの赤ワインを飲みながらお料理に望むことといえば、
・お肉には、しっかりとした噛み応えとジューシーさ。
・トマトソースよりも、シンプルな塩コショウで素材の旨味、深みを出して。
次回またチャレンジするなら、今度はトスカーナ名物Tボーンステーキにしよう!と思いました。
いかがでしたか?『モンテカルヴィ キャンティ・クラッシコ』はワインを飲みなれ方にもお勧めできる美味しい赤ワインでした。ただお料理の方は、自信をもってお勧めできるレベルには至らず、まだまだ力不足ですね!
イタリアのワインだからトマトソースだろうという、ざっくばらんな決め打ちが失敗のもと。
冷静に、香りや味わいから判断するべきという事ですね。
それではご意見、ご感想お待ちしております。次回もお楽しみに!
『モンテカルヴィ キャンティ・クラッシコ』
(イタリア /トスカーナ州産赤ワイン
ブドウ品種:サンジョヴェーゼ種80%、カベルネ・ソーヴィニヨン種10%、
カナイオーロ種&マルヴァジア・ネラ種10% / 500L大樽で8ヶ月熟成)
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