ワインペアリング奮闘記 第24回「シャルル・ジョゲ シノン・シレーヌ」
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野菜たっぷりヘルシーな炒め物に合う赤ワインは?
このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。
コラムの性質上下記について、ご容赦いただいております。
■失敗してもやり直しできませんので、その時は何がダメだったのか考察する回とさせて下さい。
■うちの子に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルクなど乳製品が使えません。
今回のお題は、『シャルル・ジョゲ シノン・シレーヌ』です。
フランス、ロワール地方の赤ワイン、品種はカベルネ・フラン100%です。
グラスに注ぐと、波打つ液面にはきらりとした輝きがあり、ピュアで健全な印象。
色調は黒みがかったルビー・レッド。香りはフレッシュなチェリーや、ブルーベリー、スミレ。
ローズマリーなどのハーブ香、ピーマンを思わせるようなやや青っぽい香りも感じ取れます。
口に含むと、アタックから野生の赤いベリーを思わせるややトーンの高い酸味。
タンニンは細かく、繊細な印象。旨味が伸びやかに持続し、瑞々しく涼やかな印象が残って行きます。
全体としてやや冷涼、繊細、上品でエレガントな赤ワインですね。
併せるお料理ですが、赤ワインとはいえボルドーのようにタンニン量のあるワインではありませんし、お食事のバランスを考えるなら鶏や豚など、白身のお肉が第一候補として考えられます。
CLUB 30によれば、ロワールでは豚肉が良く食べられるとのことですので、ここは豚肉を使いましょう。笑
そしてこの赤ワインのアロマに感じられる、お野菜を思わせるような、ちょっとした青みの要素。
ここは、お料理の中にもたっぷりとお野菜を使うことで「同調」を狙っていきたいと思います。
というわけで今回は、カラフルな赤、緑のピーマンを沢山つかって豚肉と炒め合わせる、青椒肉絲(チンジャオロースー)に決定しました!
作り方:
たっぷりのピーマンと、タケノコ水煮の細切りを用意します。
お玉半分程度のお湯に顆粒のチキンスープ、醤油、オイスターソースを溶かしてスープを作っておきます。
豚肉も細切りにして、塩、胡椒、微塵切りのニンニク、酒を加え、片栗粉をまぶして混ぜ合わせます。
中華鍋に油を熱して、強火でざっと豚肉を炒めたら、さらにスープ、そして野菜を加え高温で短時間炒め合わせます。
仕上げにごま油を少々回し入れて、お皿に盛り付けたら出来上がり。
実食:
出来立ての青椒肉絲を口に運ぶと、タケノコとピーマンの歯ごたえがシャキシャキと心地よく、
噛むごとに野菜の旨味と、豚肉やスープからくる旨味がしっかりと感じられます。美味しいです。
さて、ここにシャルル・ジョゲ シノン・シレーヌを併せるとどうなるでしょうか?
・・・おおっ、なるほど・・・第一印象から、相性良さそうだぞ!と胸が高鳴りました。
まず両者のバランス感ですが、細切りの炒め物と、繊細なタイプの赤ワイン、両者のバランスは取れています。
豚肉、チキンスープ、オイスターソースからくる複雑な旨味が、赤ワインの旨味と相乗して伸びていきます。
そして、ワインを単体で飲んだ時に感じられた「ちょっとした青み」ですが、たっぷりの青椒肉絲を頬張った後にいただくとお料理のフレーヴァーと完全に同化。むしろ単体で飲んだ時にはやや酸味の後ろに隠れていた「果実の甘み」要素が、ぐっと前に出て来ました。
お料理と併せることで初めて「このワイン、こんな要素もあったんだ!」と気づかされるパターンですね。
ワインがお料理を引き立て、お料理がワインを引き立てる、幸せなマリアージュと言っても過言ではないと思います。
シャルル・ジョゲ シノン・シレーヌに青椒肉絲、おすすめです!
いかがでしたか?
食べ合わせの中で、この赤ワインのポテンシャルを強く感じました。
このシノン・シレーヌなら、もっとシンプルな肉野菜炒めでも、ちゃんと相性の良さを発揮してくれると思いますので、普段のお食事の中で皆さんにも活用していただけたら嬉しいです。
それではご意見、ご感想お待ちしております。次回もお楽しみに!
『シャルル・ジョゲ シノン・シレーヌ 2014年』
(フランス/ロワール産赤ワイン ブドウ品種:カベルネ・フラン100% 熟成:ステンレスタンク10か月熟成)
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