ワインペアリング奮闘記 第149回 骨付き肉と骨太ワインの気骨溢れるペアリング / エテルヌム・ヴィティ 2018年
- 2022.06.11
- ワインペアリング奮闘記
- カスティーリャ・イ・レオン, スネ肉, スペイン, ティンタ・デ・トロ, テンプラニーリョ, トロ, ハロウィン, ペアリング, ラム, ラムシャンク, 古樹, 星5つ, 煮込み, 赤ワイン
目次
『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第149回
骨付き肉と骨太ワインの気骨溢れるペアリング
※アレルギー負荷試験を乗り越えて最近バターOKになりました
今回のペアリング課題はエテルヌム・ヴィティ 2018年です。
スペイン北西部、カスティーリャ・イ・レオン州のワイン産地、トロの赤ワイン。品種はティンタ・デ・トロ(テンプラニーリョ)です。ワインの勉強をされた方なら「フィロキセラ」という害虫の名を聞いたことがあるかと思いますが、世界を席巻したこの害虫の被害を全く受けていない、貴重な古樹から収穫されたブドウを使用しています。
テイスティング
少し冷やし目の温度で、ボルドーグラスでテイスティングしました。
色調はダークで紫がかったレッドです。濃く、レッグも長めです。
香りは煮詰めたカシスやブラック・ベリー、その後にヴァニラ、クローヴや黒胡椒などのスパイスが現れます。
口に含むと、しっとりとエキスの詰まった質感。煮詰めたベリー系果実の甘味が広がった後、中心にすっと清涼感のある酸味が現れます。タンニンは厚みとグリップ感があって強めですね。
ミドルからカカオのような苦味を舌に沈み込むように感じます。飲み込んだ後に残るアルコール感はしっかり、暖かく感じました。
アフターにかけて、濃厚な果実のフレーヴァーにシガーが加わり、ダンディな印象のある余韻が持続します。
全体として濃さと強さのあるフルボディの赤ワインです。すっきりとした酸と苦味、タンニンが全体をタイトに引き締めている印象です。
ちなみにラベルは人骨が船を漕いでいるという、どこか不穏な絵・・・。
気味は悪いですが、よく見ると凝った絵でカッコ良くないですか?
ハロウィンにぴったりの赤ワインですね。
合わせる料理『ラムシャンク&サフランライス』
Firadis WINE CLUBのラインナップの中でも、濃くてタンニンも強い部類の赤ワイン。
合わせる食材は、なるべく食べ応えのある塊肉を使いたいと思いました。
今回はラベルのホネホネ君に合わせて、骨付きのラムシャンク(羊のスネ肉)をセレクト。
ワインのロースト感に合わせて表面には火入れをして、その後じっくりと煮込みます。
少し酸味を出したいのでフレッシュトマトと赤ワインを使い、スパイスも使用します。
レシピ
ラムシャンクはスーパーに売っていないのでホライズンファームさんからお取り寄せ。
しっかりと状態の良さそうなお肉が届きました。
24時間以上解凍し常温に戻したら塩をして鍋で焼きを入れます。形状的に焼きが入りにくいところはバーナーを使いました。
表面に焼きが入った肉に胡椒を振りかけて取り出し、同じ鍋でニンニクと玉ねぎを炒めます。
ダイスカットしたトマトと、赤ワインをたっぷり加えたら肉を戻して、ブーケガルニを加え数時間煮込みます。
ちなみにウチでは煮込みの場合、午前から料理を始めて出かける間は火を消したりしながら晩ご飯までゆっくり煮込みます。
出来上がる一時間ほど前にソースをブレンダーにかけ、カレー粉小さじ1と大きめに切った人参を加えておきます。
サフランライスは少なめの水加減で、米の浸水時にサフランを加えて色を抽出しておきます。カットした赤ピーマンを混ぜ込んで、有塩バターを加えて炊きます。
サフランライスが炊き上がったら煮込みの隣に盛り付けて、フライドオニオンと香草、黒胡椒をかけて完成です。
ペアリングレポート
【総合評価】 星5つ:★★★★★
【評価ポイント】
○煮込みの深みのある味わいに、ワインの酸とミドル以降の複雑味が相乗し、長い余韻を楽しめる
○煮込み肉と少し重さのある赤ワインの重心の位置が合っている
○ラム肉の香り高さと、ワインの黒系果実の香り、樽感、スパイス共に相性が良い
ラムがほろほろっと崩れるくらい柔らかく、赤ワインを合わせると染み込むようにうまいです!
今回はお肉が良かったこともありますが、とても美味しいペアリングになりました。
見た目も良いですね。
特にラム好きにはおすすめできますよ。それでは、次回もお楽しみに!
(西岡)
今回のペアリングワイン:
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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