ワインペアリング奮闘記 第168回 牛タンの煮込みにぴったりの赤ワイン / シャトー・レ・ジローデル・ド・ミロン サン・テミリオン・グラン・クリュ
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牛タンの煮込みにぴったりの赤ワイン
今回の課題はシャトー・レ・ジローデル・ド・ミロン サン・テミリオン・グラン・クリュ(仏ボルドー産赤750ml)。フランス・ボルドーの右岸を代表する産地であるサン・テミリオン・グラン・クリュ。品種はもちろん特産のメルロを主体としています。
テイスティング
色調は深みのあるガーネット。
香りはドライプルーン、ドライハーブ、オリエンタルスパイス、キノコ、鉄、乾いた土。
日光をふんだんに浴びた果実と、大地の香りですね。熟成もしっかりと感じます。
口当たりは滑らかで、よく熟した、やや煮詰めたような、ぎゅっと濃さのあるフルボディ。
酸味も豊かですが、時を経て角の取れた印象です。
タンニンも豊富で少し乾いた印象がありつつ、しっかりと溶け込んで木目は細かいです。
飲み込んだ後に感じるアルコールのボリューム感はしっかり。
アフターにかけて果実の余韻は長く、同時にシガーのような苦味とアーシーな雰囲気が残っていきます。
全体として重心の座った、熟成による複雑味が楽しめる赤ワインです。
サンテミリオンらしい強さと滑らかさが楽しめる一本ですね。
合わせる料理『牛タンの赤ワイン煮込み』
タンニンの豊富なフルボディの赤ワインで、牛肉やラム肉のような赤身肉が合うと思います。しっかりとウェイトを感じさせつつ舌に染み込んでいくようなワインの重心に着目すれば、焼いた肉よりも煮込みが適しているでしょう。今回、たまたまスーパーに煮込み用の牛タン1パック2,500円があったので見た瞬間に「これだ!」と決めてしまいました。
レシピ
肉を香味野菜と赤ワインで一晩マリネします。
セロリ、人参、玉ねぎ、ニンニクを細切れにします。肉と赤ワインと一緒にジップロックで漬け込みます。
翌日、肉/赤ワイン/香味野菜に分けて、肉は小麦粉をはたき表面を焼き付けます。
次に野菜もよく炒めます。この炒めた肉と野菜を煮込み鍋に移して、赤ワインと水、ローリエと塩を加えて4時間ほど煮込みます。
半量くらいに煮詰まったら肉を取り出して、残った煮汁をザルでよく濾して、さらに煮詰めます。
とろみを帯びて煮詰まってきたら肉を戻し、マッシュルームも加えて温めます。
塩、砂糖、胡椒で味を整えて、出来上がりです。
ペアリングレポート
【総合評価】 星5つ:★★★★★
【評価ポイント】
○よく煮詰まったソースが赤ワインの腰の座った重心と凝縮したエキスに同調
○ワインの滑らかなテクスチャが、柔らかく煮えた牛タンの質感に同調
○香味豊かなキノコソースが、赤ワインの熟成由来の複雑味にさらなる深みを持たせる
今回は本当に狙った通りのマリアージュになりました。大成功です。
まぁ、熟成したメルロにマッシュルーム入り赤ワイン煮込みですから、合わないはずがないですよね。ちょっとイージーだったかな?!
牛タンが手に入らなければ、スネ肉でも構いませんので、皆さんもシャトー・レ・ジローデル・ド・ミロン サン・テミリオン・グラン・クリュでリッチなお家ディナーを楽しみましょう。
それでは次回もお楽しみに!
(西岡)
今回のペアリングワイン:
今回の課題はシャトー・レ・ジローデル・ド・ミロン サン・テミリオン・グラン・クリュ(仏ボルドー産赤750ml)。フランス・ボルドーの右岸を代表する産地であるサン・テミリオン・グラン・クリュ。品種はもちろん特産のメルロを主体としています。
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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