ワインペアリング奮闘記 第52回「カミーユ・エ・ローラン・シャレール シャブリ・プルミエ・クリュ　ヴォー・ド・ヴェイ」

『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第52回
プルミエ・シャブリをお家でリッチに楽しむ秘策！

このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。

コラムの性質上下記の点について、ご容赦いただいております。
■失敗してもやり直しできませんので、その時は何がダメだったのか考察する回とさせて下さい。
■うちの子に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルクなど乳製品が使えません。

今週のワインは『カミーユ・エ・ローラン・シャレール シャブリ・プルミエ・クリュ　ヴォー・ド・ヴェイ』です。

カミーユ・エ・ローラン・シャレールのシャブリは大好きです。
プルミエ ・クリュともなれば、そう頻繁には飲めないので素直に嬉しいです。

色調はゴールドがかったイエロー。
香りをとってみると、レモン、グレープフルーツなどのフレッシュな柑橘類、そして青リンゴ。
貝殻や石灰を思わせるチョーキーなニュアンスを強めに感じました。
微かに、ロースト・アーモンドのような香ばしさも感じます。AOCシャブリには無い香りですね。
口に含むと、よく熟した濃厚でまろやかな果実味、そしてフレッシュな柑橘を思わせる、生き生きとした酸味を感じます。
中盤からしっかりとしたミネラルを感じました。石灰のような、ほんの少し塩気があるような感じです。
後半はコクがあり、味わいが長く舌に残っていきます。
余韻は長いですね。
全体としてしっかりとした骨格で、樽は控えめに効かせ、透明感とリッチさのバランスがうまく取ったシャブリ・プルミエ・クリュになっています。
これぞ現代のシャブリではないか、と思わず唸ってしまいました。
素晴らしい出来だと思います！

合わせる料理ですが、ワインが本当に素晴らしいので、ちょっと一手間かけても良いかなと思ってしまいますね。
このシャブリは果実の熟度が高く、仄かにロースト香もあるので、熱を通したものが良いでしょう。
ワインの力強さと、しっかりとしたコクに負けないよう、料理もコクがあったほうが良いです。
お肉でもいけると思いますが、ミネラルや塩味といったこのワインのキャラクタは、やはり海のものを連想させます。
というわけで今回は、メインの食材としてエビを使うことにしました。
ワインから感じたアーモンド香からヒントを得て、衣にアーモンド・スライスを用いたエビフライを作ります。
『エビのアーモンド揚げ』に決定です！

料理レシピ：
エビは殻を外し、背腸を取って重曹水に10分ほど浸しておきます。
ペーパーで水気をとって筋切りし、塩胡椒で軽く下味を。
小麦粉をはたいて溶き卵をくぐらせ、アーモンドスライスを纏わせて揚げていきます。
衣が狐色になったら油を切って完成。岩塩とレモン汁をつけていただきます。

ペアリングレポート
カリッとクリスピーなアーモンドの衣に、ぷりっとしたエビの身がつまったテクスチャはとても快感で、美味しいです！
ここにシャブリ・ヴォー・ド・ヴェイを流し込むと・・・・
爽やかですね！シャブリの爽やかな柑橘系の香り、シャッキリ感が、レモンを絞った衣にマッチします！
中盤からワインに含まれるしっかりとしたミネラル、塩味が、岩塩をふったエビのミネラルや旨味と相乗して、コクをさらに引き出してくれています。
嬉しいことにアーモンドの香ばしいフレーヴァーが、狙い通りシャブリ・プルミエ・クリュのリッチ感をうまく引き立ててくれました。
果実の円熟味、豊かなミネラル感を楽しみながらいただく、香ばしいエビのアーモンド揚げ、余韻のハーモニーも素晴らしく、とても豊かな味わいです！
これは成功でしょう。

如何でしたか？
今回は、本格派シャブリ ・プルミエ・クリュに負けない旨味や、相性の良いフレーヴァー・テクスチャをもった料理を合わせることができたと思います。
一見手間がかかりそうに見えますが、やることといえば普段のエビフライの衣を、アーモンド・スライスに変えるだけ。
これだけでバッチリとリッチ・シャブリにマリアージュさせることができました！
子供受けも良く、ちょっと贅沢な夕食メニューにおすすめです。
それでは次回もお楽しみに！（西岡）

今回のペアリング・ワイン

『カミーユ・エ・ローラン・シャレール シャブリ・プルミエ・クリュ　ヴォー・ド・ヴェイ2018年』
（フランス/ブルゴーニュ産白ワイン
ブドウ品種：シャルドネ100% /オーク樽10熟成20%＋ステンレスタンク10か月熟成80%）