ワインペアリング奮闘記 第57回 「ドメーヌ・リシャール・マニエール ブルゴーニュ・ピノ・ノワール」
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ブルゴーニュ王道のペアリングに挑戦
このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。
コラムの性質上下記について、ご容赦いただいております。
■失敗してもやり直しできませんので、その時は何がダメだったのか考察する回とさせて下さい。
■うちの子に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルクなど乳製品は不使用です。
今回のお題は『ドメーヌ・リシャール・マニエール ブルゴーニュ・ピノ・ノワール』です。
産地表記は広域ブルゴーニュ、とはいえヴォーヌ・ロマネを拠点とするマニエールがヴォーヌ・ロマネとニュイ・サン・ジョルジュ村にある4区画をブレンドした贅沢な1本。テイスティングが楽しみです!
テイスティング:
色調は中央に黒みを帯びた、落ち着きのあるルビー。
香りはフランボワーズなどの赤いベリー、チェリーのリキュール、ドライローズ、紅茶、リコリス、繊細で複雑、どこか官能的な印象があります。
口に含むと、サラサラと流れるような口当たりに続き、熟した赤系果実、まだフレッシュさのある、涼やかで上品な酸、キメの細かいタンニンとミネラルを感じます。
ミドルからアフターまで、しみじみとした旨味と、果実のフレーヴァーが伸びやかに続いて行きます。
まるで野性の木苺を口に含み、優しく噛み潰してそのジューシーさと酸味、種に含まれる渋みを楽しんでいるようです。
そんな光景が浮かんで、一瞬時が過ぎるのを忘れてしまうようでした。
ブルゴーニュに求める神秘性をこのクラスから備えていることに、驚きました。
素晴らしいワインだけにややハードルが高いですが、早速合わせる料理を考えていきましょう。笑
こちらの赤ワイン、ブルゴーニュの王道を行くスタイル。やはり合わせる食材はちょっと良いお肉でしょう。
繊細でピュアな印象からは、焼くよりも、煮るほうが合いそうに思えます。
そう、王道と言えば、ブルゴーニュ名物の煮込み料理がありました。
牛肉を様々な野菜と赤ワインとともに煮込み、ワインに負けない複雑味を獲得する・・・。
あの料理なら、今回の赤ワインにもバッチリ合わせることができるのではないでしょうか?
というわけで、今回は『ブッフ・ブルギニョン』に決定です!
料理レシピ:
玉ねぎ、人参、セロリを細かく刻み、ボウルに移します。
タイム、ローリエ、ローズマリー、黒胡椒を加え、惜しみなくたっぷりの赤ワインを注ぎます。
このマリネ液で、牛スネ肉を一晩漬け込みます。
マリネ液をザルで濾し、ボウルに残ったワインは捨てずにとっておきます。
肉を取り出し、軽く小麦粉を振って鍋で焼き目をつけます。
さらに、野菜類も炒め合わせます。
とっておいたワインを全て加えて、2~3時間じっくりと煮込みます。
肉が柔らかくなったら一旦取り出し、スープをミキサーで攪拌。
フライパンにベーコンとペコロス、マッシュルームを炒めます。
これらを鍋に移して、肉も鍋に戻し、塩、胡椒で調味。
さらに30分ほど煮込んで、完成です。
ペアリングレポート:
すね肉はゼラチン感たっぷりで柔らかく、マリネ液をたっぷり吸ってコク豊かに仕上がっています。
ソースも凝縮した旨味たっぷりで、濃厚。
ここに『ドメーヌ・リシャール・マニエール ブルゴーニュ・ピノ・ノワール』を合わせると、うーーーん。美味しい!!
アタックの華やかさはそのままに、ミドル以降の奥行きが堪りません。
ブッフ・ブルギニョンの様々な材料が織りなす立体的な味わいに、赤ワインが加わることでさらにリッチに・・・・とても奥深く感じさせられました。
軽く煮込んだマッシュルームがまた、特筆の美味しさです。
いやー本当に美味しくて、ちょっと言葉を失ってしまいそうでした。笑
流石はブルゴーニュの名物料理、天晴れです!
如何でしたか?
ペアリングは、ちょっと難しいなと思ったら地元の料理を調べてみるのも一つの方法です。
煮込みは時間が掛りますが、気長に作れば失敗の少ない料理だと思いますので、ブルゴーニュの良いワインが手に入った時には是非お試しくださいね。
今回はすね肉を用いましたが、いつかほほ肉にプルミエ・クリュを合わせてみたいと、新たな野望を抱きました。
(西岡)
今回のペアリングワイン:
『ドメーヌ・リシャール・マニエール ブルゴーニュ・ピノ・ノワール』
https://firadis.net/item/629.html
『ドメーヌ・リシャール・マニエール ブルゴーニュ・ピノ・ノワール2017年』
(フランス/ブルゴーニュ産赤ワイン
ブドウ品種:ピノ・ノワール100% / 熟成:バリック18か月熟成 新樽比率10%)
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