ワインペアリング奮闘記 第144回 エレガントなボルドー赤ワインとカツオのペアリング / シャトー・ムーラン・ド・ブランション
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『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第144回
エレガントなボルドー赤ワインとカツオのペアリング
今回のペアリング課題は『シャトー・ムーラン・ド・ブランション オー・メドック 2017年』です。
ボルドー赤ワインです。使用品種はカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロが半々となっています。
テイスティング
色調は深いガーネット。
香りはカシス、ブルーベリー、赤いバラ、リコリス、チョコレート。土のような香りも取れました。
口に含むとさらっとした口あたりで、甘酸っぱいベリー系の果実味が広がっていきます。
タンニンが少しくっつくような感じはありますが、そこまで強くはない印象です。
5年程ですが熟成のニュアンスもあり、ミドルにかけてじわじわと染み込むような甘みと旨味を感じました。
アフターは鉄系のミネラル、程よい苦味と土っぽいフレーヴァーが残っていきます。
全体としてまとまった、バランス感に優れたボルドー赤ワインで、後半まで綺麗で品が良い印象が持続します。
ガツっとした飲み応えを求めるよりも、ボルドーならではのエレガンスを求める向きに、ぴったりと合ってくる1本だと思います!
合わせる料理『カツオのたたき』
均整の取れたスタイリッシュな味わいが持ち味の赤ワインだと思うので、ワイルド系よりはやや洗練された料理が合いそうなイメージです。和食など、やや繊細な味付けの料理も合いそうですね。
ボルドーの赤ワインなので普通に考えたら肉料理ですが、少し鉄っぽいミネラル感から思いついたのはカツオのたたきでした。今回はあえて外し技「魚」で行ってみましょう!
レシピ
炙りカツオをオニオンスライスの上に並べて塩を振り、生姜、ニンニク、ポン酢をブレンダーにかけたソースをかけます。
その上から茗荷とカイワレをトッピングして完成です。簡単!
ペアリングレポート
【総合評価】 星3つ:★★★☆☆
【評価ポイント】
○カツオの炙りの香ばしさ、その中の滑らかで旨味の強い肉が、赤ワインの樽感と果実味のバランスに重なる
○たたきの後を引く旨味、ミネラル感が、ワインを流し込むことでぐっと引き立つ
△薬味は相性が様々。生姜は良いが、オニオン、ニンニクのフレーヴァは赤ワインとぶつかる印象。
全体としては美味しく、面白い組み合わせで、十分に可能性を感じました。
次に同じペアリングを試すなら、ニンニクは抜きにして生姜中心のポン酢ソースにします。
皆さんはそちらからお試しいただくのが良いかなと思います。
それでは、次回もお楽しみに!
(西岡)
今回のペアリングワイン:『シャトー・ムーラン・ド・ブランション オー・メドック 2017年』
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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