ワインペアリング奮闘記 第93回 ヴィノジア ネグロアマーロ・オルス × スペアリブの赤ワイン煮

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ワインペアリング奮闘記 第93回 ヴィノジア ネグロアマーロ・オルス × スペアリブの赤ワイン煮
『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第93回
南イタリアのダンディな赤ワインに、深味のある煮込み
 
このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。コラムの性質上下記について、ご容赦いただいております。
 
■失敗してもやり直しできませんので、その時は何がダメだったのか考察する回とさせて下さい。
■子供に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルクなど乳製品不使用です。
今回のお題はヴィノジア ネグロアマーロ・オルス』です。
南イタリア、プーリア州の土着ブドウ、ネグロアマーロ100%の赤ワインです。

テイスティング:

グラスに注ぐと、やや紫がかった深いルビーです。
香りはダークチェリーやブルーベリー、バラ、鉄分、チョコレートやコーヒー。
口に含むと、口当たりは滑らかで、ジューシー

膨らみ感のある果実味ですが、酸味が程よく引き締めてくれるため、バランス良く感じます。
タンニンは豊富な印象ですが、よく溶け込んでいてスムースですね。
中盤から後半にかけて、カカオのような苦味を感じます。
豊満なベリー系の果実味と相まって、ブルーベリーチョコレートのような印象だなと思いました。
少し甘味があるのと、濃い目ですが収斂味は強くないので、赤ワイン単体でも美味しく飲めてしまいます。
ちょっとした苦味やローストしたようなフレーヴァがダンディーで、魅力的ですね。気に入りました!


合わせる料理:
濃さがありつつも、滑らかでスムース。第一印象、煮込み系が合うんじゃないかなと思いました。
噛み応えのある赤身肉よりも、脂が乗ってとろっと柔らかいもの、例えば豚肉のスペアリブはどうでしょうか?
味付けは、ワインに甘味とフレッシュな酸味がありますので、同要素を兼ね備えた濃い目のソースを合わせたいですね。
焼き目をつけてから煮込むことで、ロースト感と凝縮した味わいをどちらも獲得したいと思います。
というわけで今回は『豚スペアリブの赤ワイン煮込み』に決定です!

レシピ:
スペアリブは、たっぷりの赤ワイン(400円くらいのチリのメルロ)、みじん切り玉ねぎとセロリ、ローリエと共に前日から漬け込んでおきます。
翌日ざるにお肉と野菜は取り出して水気を切り、焼き目がつくまで炒めます。
炒めた食材に、とっておいた赤ワインを戻し入れ、灰汁を取ったり適宜水を加えしながら、コトコトと数時間煮込みます。
野菜から十分エキスが抽出できたら一旦肉を取り出し、ソースを粗めのざるで越し、別鍋で甘味が出るまで煮詰めたバルサミコと、塩を加えます。
肉を戻して一旦冷まします。食べる30分くらい前から弱火で温め直し、肉にソースをかけるように盛り付け、ブラック・ペッパー、ピンク・ペッパーを散らして完成です。

赤ワイン丸々1本煮詰めて、ソースの量はこれくらい

ペアリングレポート:
思ったより豪華な感じになりました。
少し食べてみると、ソースが実に濃厚。赤ワインたっぷりなので結構酸味もあります。
早速ネグロアマーロ・オルスと食べ合わせてみましょう。

・・・おおお!!これはやはり、パワフルでインパクトの強いペアリングですね。
凝縮したソースにこの赤ワインが合わさった瞬間、味わいの要素がぶわっと広がっていくようです。
ぎゅっと詰まった肉の旨味に、ネグロアマーロの濃縮したフルーティさが加わり、ジューシーで官能的な美味しさですね。
柔らかい口当たりのスペアリブと、この赤ワインの溶け込んだタンニンも相性が良いです。
中盤以降、しっかりと素材に焼き目をつけてから煮込んだことによる、ちょっとした苦味やコクが、赤ワインのワインの深みのある余韻を一層複雑に、立体的にしてくれました。
スペアリブの脂っこさをワインのタンニン、すっきりとした酸味が程よく洗い流してくれるので、すぐに次の一口が欲しくなります。
赤ワインと料理がお互いを高め合い、全体としてよりリッチに。「これぞマリアージュ」という見本のようなペアリングだと思います。
ちょっと料理に時間がかかりますが、これは、おすすめです!

如何でしたか?
肉が脂っぽくて結構ヘビー級なのですが、ワインの酸味が程よく和らげてくれるため、ぺろっと食べてしまいました。食いしん坊は是非チャレンジして下さいね。それでは次回もお楽しみに!

(西岡)
 

今回のペアリングワイン:
ヴィノジア ネグロアマーロ・オルス


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