コンビニ惣菜ペアリング道 第19回「『餃子の王将』×3種のシャンパーニュ、ペアリング大実験やりました!!」
- 2020.11.23
- コンビニ惣菜ペアリング道
- エティエンヌ・ルフェーヴル, シャルドネ, シャンパーニュ, ピノ・ノワール, ペアリング, マリアージュ, 価格, 実験, 輸入
コラムシリーズ「コンビニ惣菜ペアリング道」第19回。
コンビニなどのお店で売っている市販のおつまみやレトルト食品などで何の手間もかけずに色々なワインペアリングを楽しんじゃおう!というちょっとズボラなペアリングチャレンジ企画です。
今回も、最近読み始めて戴いた方にまずご説明しておきますね。
コラムのタイトルは「コンビニ惣菜ペアリング道」なのですが、その他のスーパーさんや輸入食材店、飲食店のテイクアウトも含め「お手軽に手に入る、調理しなくて良いおつまみ」なら何でもペアリングチャレンジのテーマにしています。
これまで18回分の記事はすべてアーカイブ掲載してありますので、是非これまでのチャレンジ結果も見てみてください。
それでは早速、今回のコラム企画をご紹介・・・・
19回目は、いつものように「お題ワイン」を決めて合わせる料理を探していくのではなく、「お題料理」を先に決めて、合うワインを探していく内容に致しました。
今回テーマに選んだのはこちら・・・『餃子の王将』さんのテイクアウト餃子。
(*自分で焼く冷蔵タイプなので、焼き目があまりきれいでなく恐縮です)
人気チェーンの餃子たっぷり×つけダレ3種×タイプの異なる3種類のシャンパーニュ、でペアリング実験開始です!!
まずは、ペアリング実験に選んだ3種の異なるシャンパーニュからご紹介しましょう。
餃子に合わせるということで、当店取り扱いシャンパーニュの中でもお手頃価格帯のものからセレクトしました!
合わせたシャンパーニュ1本目:
『ティエリー・トリオレ カルト・ノワール・ブリュット N.V.』
(当店通常時税抜販売価格4,324円)
シャルドネ65%、ピノ・ノワール35%のブレンド 果実味豊かなバランスタイプ
合わせたシャンパーニュ2本目:
『ティエリー・トリオレ キュヴェ・ド・レゼルヴ ブラン・ド・ブラン N.V.』
(当店通常時税抜販売価格4,480円)
白ブドウ シャルドネ100%、シャキッと爽やかな酸が感じられる「ブラン・ド・ブラン」タイプ
合わせたシャンパーニュ3本目:
『エティエンヌ・ルフェーヴル ブラン・ド・ノワール グラン・クリュN.V.』
(当店通常時税抜販売価格5,480円)
黒ブドウ ピノ・ノワール100%、フルーツ感濃密で膨らみのある「ブラン・ド・ノワール」タイプ
王将さんの餃子は、肉・野菜のバランスの取れたまさに「王道の餃子」。
皮は厚過ぎず薄過ぎず、程よいモチモチ感でタネを包み込んでいました。
ペアリングの実験をしながら、10個、20個、あっという間に食べられますね・・・美味しかった!!
そして実験のパターンは以下の通り。
3本のシャンパーニュ×4パターンの計12通りから、最上の組み合わせを探りました!
① つけダレ無し
② 標準的なラー油酢醤油(醤油:米酢=1:1にラー油数滴)
③ 酢胡椒(米酢に粉状のGABAN白胡椒)
④ 餃子の王将特製餃子たれ(付属のたれ 少し甘味のある酢醤油系?)
まずは12パターンを通しで実験してみてやっぱり、と思ったこと。
これはシャンパーニュに限らずですが、やはり醤油という調味料はワインと料理を繋ぐ非常に強力な媒介になるということ。
このコラムシリーズでも最後に合うのは醤油系の煮込み料理だった、ということが多いのですが、これはやはりペアリング=マリアージュの基本構造とまさに合致しています。
果実の甘味・酸味、タンニンやミネラルの苦味を含むワインに対し、そこに五味のうちで欠けている2要素=塩味と旨味で出来上がっている醤油が加わることで、五つの味覚全てが存在するバランスが取れたマリアージュが完成することになるわけですね。
だからやっぱり今回のシャンパーニュとのペアリングでも、③④の醤油入りのタレを付けた時はどのタイプのシャンパーニュともおいしく楽しめました。
その中でも僕が個人的にベストだと感じたのは、
3のブラン・ド・ノワール・シャンパーニュ×④王将特製タレ!
厚みのある果実味が肉汁の旨み・野菜の甘味としっかりバランスを取り、全体の風味をしっかりと広げつつも口の中にシャンパーニュならではの新しいペアリング世界が広がりました。
さすが王将さんが自信を持って付けているタレ、お店の味を最もよく引き立てる味付けなんでしょうね。
1967年創業の老舗が長年の研究で導き出した現時点の最適解、ワイン造りと同じスピリットを感じました。
一方で最近人気の「酢胡椒」。
最近はすっかりこの食べ方がポピュラーになり、なんとなく「通な食べ方」扱いになってきましたよね。
ただこちらはシャンパーニュに合わせるのにはちょっと不向きかと。
味わいが馴染むこと名馴染むのですが、やはり酢の酸味が少々強過ぎて、シャンパーニュの繊細な酸味や果実の甘味を押し殺してしまう勿体ない感じがありました。
醤油と混ぜることで酢の酸味が適度に調整され、合わせやすくなると思います。
また、シャンパーニュのタイプ別、という視点からいくと、今回はブラン・ド・ノワールが優勢でしたが、タネの内容によってかなり変わって来ると思います。
キャベツ/白菜多めの野菜餃子や大葉入りの紫蘇餃子だったらブラン・ド・ブランのフレッシュ感が合うと思いますし、フルーティなバランススタイルのブレンドは、具材に甘みのある海老餃子なんかに合いそうです。
皆さんも、是非色々な餃子とシャンパーニュの組み合わせにチャレンジしてみてくださいね。
ちなみにこれは最後におまけですが、一緒に買ってきた王将さんの麻婆豆腐とブラン・ド・ノワールも素晴らしい組み合わせでした。
もし餃子を買ってきてワインと合わせようかと思った方がいらっしゃいましたら、是非麻婆豆腐も併せて買ってきてください!
それでは今回はこの辺で・・・最後まで読んで戴いてありがとうございました!
次回20回目のテーマは実はまだ決まっておりません・・・というか、明日のワインレターで発表を致しますが、並行で新たなコラムシリーズをスタートすることになりました!
お手軽惣菜ペアリングの道はまだまだ果てしなく続いていきますが、ここでちょっとだけ一休み。
新しいテーマが思い付き次第、次なる実験にかかりたいと思います。
20回記念のペアリング、ご期待下さいませ!
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