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コンビニ惣菜ペアリング道 第25回「今回のテーマは『ランプフィッシュキャビア』」

コンビニ惣菜ペアリング道 第25回「今回のテーマは『ランプフィッシュキャビア』」

「…忘れちまったか、そうだよ俺だよ、マリアージュ師匠だよ。」

コラムシリーズ「コンビニ惣菜ペアリング道」、第25回となりました!
コンビニ、スーパー、デパ地下などのお店で売っている市販のおつまみ・レトルト食品などで何の手間もかけずに色々なワインペアリングを楽しんじゃおう!というちょっとズボラなペアリングチャレンジ企画です。

 

「コンビニ惣菜ペアリング道」とは?

それではまず、今回初めてこのシリーズを目にされた方にまずご説明しておきますね。
コラムのタイトルは「コンビニ惣菜ペアリング道」とはしているものの、基本は「お手軽に手に入る、調理しなくて良いおつまみ」をペアリングチャレンジのテーマにしています。これまで24回分の記事はすべてアーカイブ掲載してありますので、是非これまでのチャレンジ結果も見てみてください。

これまでのシリーズアーカイブはこちらから!B級グルメとのペアリングも色々やっております。
↓↓↓
https://firadis.net/column/category/souzai-pairing/  

それでは続いて今回第25回のコラムテーマを発表!

『ランプフィッシュキャビア』で贅沢なワイン時間を過ごすペアリングを探せ!

前回の「鮪のお刺身」に続き今回も「食べるものは決まっていて、それにはどんなワインが一番合うのか?」を検証していくスタイルの実験です。選んだテーマは『ランプフィッシュキャビア』
本物の「チョウザメの卵」だったら小さな瓶でン万円もする超高級食材ですが、こちらはいわゆる代用品。「ランプフィッシュ」とは何かを調べてみると、ダンゴウオというお魚の卵だそうです。実際には「キャビア」という言葉自体が魚卵全体を指すものだそうですから、これも1種のキャビアであることには間違いは無いようです。

今回選んだランプフィッシュキャビアは、KALDIコーヒーファームですぐに手に入る「GABAN」ブランドの商品。50gで店頭価格税込み540円(*2022年1月現在の購入価格です)と、非常にお手頃な価格。これにワインを6種類ほど合わせていくので念のために3個を購入、1,620円でした。ワインのおつまみとして楽しむには、まあ高くはないけど安くもない、くらいの価格感ですかね。

それでは早速家に帰って、マリアージュ実験開始です!

今回は、何もつけずそのままのランプフィッシュキャビアと、クリームチーズのカナッペでペアリングの検証です

実験では、以下の2パターンを試してみようと思います。
① 何もつけない、何にも載せていないプレーンのランプフィッシュキャビアをスプーン1杯分
② 味付け無しのクラッカーにクリームチーズとランプフィッシュキャビアを載せたカナッペ

KALDIさんで、一緒に上の画像に掲載したクラッカーとクリームチーズを買ってきました。
クラッカーはKALDIさん(オーバシーズさん)がイタリアから直輸入している『Colussi』の塩無添加のタイプ、クリームチーズは結構あちらこちらのスーパーで見かけるジャスティス・ジャパンさんがオーストラリアから輸入しているソーセージ型パッケージのものをセレクトしています。

シャンパーニュ1種、白ワインブドウ品違い5種の計6本を用意していよいよペアリング実験開始です!

今回は魚卵とのマリアージュということで、まずは「産地が海に近いワイン」をテーマに選定をしてみました。
海に近い産地のワインは、やはり海産物をメインに食べる食文化に合わせて造られていますからね。そして、高級ラウンジなどでは基本の「キャビア&シャンパーニュ」も意識してスタンダードなシャンパーニュを1種セレクト、そしてこちらは完全に内陸の産地ですし食文化的にも魚介類と合わせることは少ないかと思いますが、個人的なお気に入りワインとしてどうしても試してみたかったのでドイツ・ラインヘッセン地域産のリースリングを1本チョイスしてみました。

ちなみに本物のキャビアはチョウザメ=淡水魚の卵、ランプフィッシュは海水魚です。ですから味わいの違いとしてはランプフィッシュキャビアの方には海水魚特有の「潮」の香味が。そういう意味でも、ランプフィッシュの卵には海に近い産地のものが合うのでは?と僕なりの仮説を立ててみたものです。

それでは、今回僕がペアリング候補に選んだ6本のワインを簡単にご紹介しましょう。

1. シャンパーニュ(ピノ・ノワール70%&シャルドネ30%のブレンド、熟成24か月/ドザージュは8g/L。柔らかくフルーティなバランス型シャンパーニュ)
2. フランス ロワール地方産ミュスカデ種の白ワイン(ムロン・ド・ブルゴーニュ種100% ステンレスタンク発酵・熟成)
3. フランス ボルドー地方産の白ワイン(ボルドー地方名クラス ソーヴィニヨン・ブラン80%、セミヨン20% ステンレスタンク発酵・熟成)
4. スペイン リアス・バイシャス地域産アルバリーニョ種の白ワイン(アルバリーニョ100% ステンレスタンク発酵・熟成)
5. イタリア シチリア島産の土着品種系ワイン(カリカンテ 80%、ミネッラ & カタラット 20% ステンレスタンク発酵・熟成)
6. ドイツ・ラインヘッセン産リースリング種の白ワイン(リースリング100% ステンレスタンク発酵・熟成)

これで準備は万端。実食を始めます。

ワイン6種類×ランプフィッシュキャビア2タイプの食べ方でペアリング実験開始!

ワイン1本にプレーンのランプフィッシュキャビア、クリームチーズカナッペに合わせながら相性の検証です。
評価は、6種のワインについて2通りのペアリング検証を5つ星中のいくつか、で採点していきました。
以下、1本ずつ検証の結果を紹介していきたいと思います!

1. シャンパーニュ
(ピノ・ノワール70%&シャルドネ30%のブレンド、熟成24か月/ドザージュは8g/L。柔らかくフルーティなバランス型シャンパーニュ)

『ベルナール・ブレモン アンボネイ・グラン・クリュ・ブリュットN.V.(仏シャンパーニュ750ml)』


シャンパーニュの代表として選んだワインは、こちら。塩味と旨味の強い食材に合わせていく前提で、「五味のマリアージュ」を完成させるべく甘味も十分にありながら酸味もしっかり感じるブレンドタイプを選んでみました。併せてみると・・・?

【ペアリング評価】
プレーンランプフィッシュキャビア  ペアリング度:★★★☆☆
クリームチーズのカナッペ      ペアリング度:★★☆☆☆

初っ端、シャンパーニュとキャビア(今回は代用ですが)の相性はまあ盤石だろうと思って試したのですが、あれれ??という感じ。まあ全く邪魔はしないですし馴染むのですが、食材にワインが負けてしまっている感じ。プレーンだとランプフィッシュキャビアの塩味が、クリームチーズカナッペではチーズの濃厚さばかりが前に出て、折角のシャンパーニュの風味はほぼ流れてしまうという結果に。残念ながら凡庸な評価になってしまいました。
これは、タイプの選定を誤ったかもしれません。ブラン・ド・ブランで少し熟成感のあるものを選ぶべきだったのでしょうか???

 

2. フランス ロワール地方産ミュスカデ種の白ワイン
(ムロン・ド・ブルゴーニュ種100% ステンレスタンク発酵・熟成)

『ドメーヌ・ダヴィッド ミュスカデ』

白ワイン1本目は、フランスの港町「ナント」近くを産地とする白ワイン『ミュスカデ』から1本を選定。僕はミュスカデと生牡蠣の相性の良さを好んでいるので、生牡蠣と同系統の「潮の味」、そしてクリームチーズは牡蠣のミルキーな味わいにも共通していますから、今回のランプフィッシュキャビアの食べ方ならかなりいい線行くのでは、と考えました。結果は…?

【ペアリング評価】
プレーンランプフィッシュキャビア  ペアリング度:★★★☆☆
クリームチーズのカナッペ      ペアリング度:★★★☆☆(実際には2.5)

うーん、こちらも今ひとつピントの合っていない組み合わせとなってしまいました。プレーンで食べた時には不快では無いもののやや生臭さが出てしまいました。最終的には塩気が勝ってしまいましたし。
クリームチーズと合わせるにはワインに甘み・厚みがやや足りない感じ。ワインはチーズの下味のようになってしまい、ほぼ個性はかき消されてしまいました。もうちょっと果実のヴォリューム感、そしてワイン自体にボディが必要という感覚が残りました。

 

3. フランス ボルドー地方産の白ワイン
(ボルドー地方名クラス ソーヴィニヨン・ブラン80%、セミヨン20% ステンレスタンク発酵・熟成)

『シャトー・スオウ ボルドー・ブラン』

 

続いてはフランス 大西洋の玄関口、ボルドーの白ワイン。かつては英国への貿易港として発展し、その中でもワインは非常に重要な輸出品でありました。ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンという2品種をブレンドして造られるボルドー・ブランは、切れの良さとリッチな果実味が共存しているのが特徴。これがバッチリと合ったら、ワイン屋としてはとても嬉しいんですが、結果や如何に??

【ペアリング評価】
プレーンランプフィッシュキャビア  ペアリング度:★★★★☆(4.5くらいあげても良いです!)
クリームチーズのカナッペ      ペアリング度:★★☆☆☆(2.5くらい)

ここまでで一番良かったのが、プレーンランプフィッシュキャビアとボルドー白の組み合わせ。双方の味わいがしっかりと伸び、広がり、口の中でしっかりとまとまってくれました。特にいいな、と思ったのがテクスチュアの合致。魚卵がプチッとはじけた後に広がるとろみとワインの柔らかなタッチが非常に良く馴染んできました。もうちょっとだけワインに酸味があれば完璧だったかもしれません。
一方でカナッペは今ひとつ。ワイン自体にセミヨン由来の甘さがかなりあるので、それが塩気を引き立ててしまう行があるようです。全体がしょっぱく感じてしまうだけでなく、クリームチーズの味とワインが合わず。まずい、とまではいきませんが、お勧めの出来る組み合わせではありません。

 

4. スペイン リアス・バイシャス地域産アルバリーニョ種の白ワイン
(アルバリーニョ100% ステンレスタンク発酵・熟成)

『トマダ・デ・カストロ グラン・リバド・アルバリーニョ』

フランスの海沿いの産地を大西洋沿いに北から下がってきましたので、更にスペインに南下。北西部に位置する「リアス・バイシャス」地域の土着品種『アルバリーニョ』を使用したワインです。この品種は味わいに「塩っぽさ」があるのが特徴。大西洋岸の産地で、土壌に塩分を豊富に含んでいるからとも言われています。それなら潮の味わいとの相性は抜群なんじゃないでしょうか???

【ペアリング評価】
プレーンランプフィッシュキャビア  ペアリング度:★★★★★
クリームチーズのカナッペ      ペアリング度:★★★☆☆(3.7~3.8くらい)

出ました5点満点!!!
ボルドー白に足りなかった酸の要素、そしてワイン自体の塩みがしっかりあることが功を奏し素晴らしいマリアージュが生まれました。先程と同様に、口の中で砕けたランプフィッシュキャビアの粘性とワインのテクスチュアのシンクロ度合いも良好。バランス良く素晴らしい調和が生まれていました。
クリームチーズのカナッペは少しだけ低い評価。味わいのまとまり自体は決して悪くはなかったのですが、アルバリーニョの香りとクリームチーズの香りが両方強いのでちょっと鼻に付く感じがしてしまい「次はもういいかな」と思ってしまいました。でも、この香りを好きな人はいるはず。

 

5. イタリア シチリア島産の土着品種系ワイン
 (カリカンテ 80%、ミネッラ & カタラット 20% ステンレスタンク発酵・熟成)

『フェッシーナ エルセ・エトナ・ビアンコ』

そして最後の「海街ワイン」は、イタリア・シチリア島の土着品種を使用したこのワイン。シチリアと言えばイタリアが誇るマグロの主要産地であり、ボラではなくマグロの卵を使ったカラスミでも有名。つまり、魚卵を食べる文化のある土地なわけです。それは期待が高まりますよね、実は僕の中では実験前の一番の本命がこちらでした。果たしてその結果は・・・?

【ペアリング評価】
プレーンランプフィッシュキャビア  ペアリング度:★★★☆☆(3.5くらい)
クリームチーズのカナッペ      ペアリング度:★★☆☆☆

うーん、ちょっと期待が高過ぎましたかね。まあ、そもそも乾燥させたカラスミとキャビアでは食材として大きな違いがありますから仕方がない。そこに気付いていなかった僕の過度な期待が間違いだっただけです。
このワインについてはテクスチュアに粘性があまり無いので、その部分で「馴染み度」が低かった。プレーンで食べるとワインだけが先に消えてしまい、最後に一気に塩気が来る感じがちぐはぐでした。クリームチーズカナッペも様々な要素が全部まとまらずに、ランプフィッシュキャビア、クリームチーズ、クラッカー、ワインの味がそれぞれバラバラに主張する感じでまとまりを見せてくれませんでした。

 

6. ドイツ・ラインヘッセン産リースリング種の白ワイン
 (リースリング100% ステンレスタンク発酵・熟成)

『ヴァグナー・シュテンペル リースリング・トロッケン・グーツヴァイン』

いよいよラスト、内陸の産地ではありますが、ドイツ ラインヘッセン産のリースリング。これは完全に僕が自分の好みで選んだのと、果実味&酸の主張度合いがクリームチーズカナッペに合いそうと思ってのセレクトです。もしこれがプレーンにも一番合ってしまうと、海の街のワインたちはちょと立場が無くなってしまうのですが・・・?

【ペアリング評価】
プレーンランプフィッシュキャビア  ペアリング度:★★★☆☆
クリームチーズのカナッペ      ペアリング度:★★★★★

最後に出ました、クリームチーズカナッペとの相性5点満点!やはり予想通り、合ってよかった!
クリームチーズは酸味が結構強いタイプですが、リースリングにも鮮烈な酸があるのでそれが際立たずうまく馴染んだ感じ。そして、ランプフィッシュキャビアの塩味がしっかりした果実味とぴったり重なって新たな味わいに昇華されていました。今回の12パターンの中で初めて『マリアージュ』の域に昇華されたのはこの組み合わせだけだったのではないかと思います。本当に良いバランスでした。
一方で、プレーンのキャビアとは「まあまあ」といった具合に落ち着きました。不快な生臭さなどは全く出ないものの、果実味が広がった後最後に塩気が襲ってくる感じはちょっとまとまりに欠けます。これがやはり内陸のワインと海産物ダイレクトの相性ということなのでしょうか、リースリングに関してはクリームチーズという媒介があって初めてランプフィッシュキャビアと素晴らしいマリアージュを構築できるわけですね。

食材・料理とワインの「繋ぎ方」

という訳で今回の実験も無事終了となりました。嫌いな食べ物ではないとはいえ、塩気の塊のような魚卵をひたすら食べ続けるというのはなかなかキツイものですね 笑 
こんなにプリン体を一気に摂取してしまって、いよいよ痛風にでもなるのではと怯えておりましたが今のところは大丈夫のようです。

さて、今回のまとめとしてはやはり「海のものには、海のワイン」がまず来ますかね。そう、このシリーズで度々取り上げる「土地のマリアージュ」です。今回、プレーンにランプフィッシュキャビアだけを合わせた時の相性がNO.1だったアルバリーニョはワイン自体が潮の印象を持ったスタイル。そこと「潮気の塊」みたいな食材が合ったというのは非常に分かりやすく明快な結果だったと思います。
皆さんも今後魚介料理を食べながらワインを愉しむとき、特に素材の味わいそのものを楽しむ場合にはまずその点を意識してワインをお選びいただくと良いのではないかと思います。

勿論、前回のようにマグロと内陸のローヌ・シラーが一番合った、なんていうケースもあります。ですがこれはあくまでも「媒介」の存在あってこそ。醤油による味付けの影響力がどれだけ大きいか、はコラム内で書いた通りです。今回のケースではその媒介はクリームチーズ、橋渡しがあって初めて「海の食材」と「山のワイン」がしっかりと繋がりました。

このように、一見すると距離のある食材とワインでも、何かしらを媒介させることでペアリング度が飛躍的に上がるケースは色々とあります。もし皆さんが自宅でのお食事中に「ワインとメインの食材の組み合わせがどうもしっくりこないな…」と思ったら、まずは「媒介」になるものを考えて、探してみてください。調味料、香辛料やハーブ、フルーツ、野菜など様々な要素をちょい足しすることで、それまでイマイチだった組み合わせが一気に素晴らしいマリアージュに変わるかもしれません。これが、マリアージュ道を究める基本にして最良のテクニックなんです。

それでは今回はこの辺で。長いコラムを最後まで読んで戴いてありがとうございました。
今回はトータル7,000文字以上になってしまいました 汗

最後におまけ。
今回ランプフィッシュキャビアの食べ過ぎで実は翌日大変な生理現象がありました。ここでは到底語れませんが、皆さんもある程度の量を食べればすぐに実感できるはず。痛くも苦しくもありませんが、これは衝撃、驚きますよ(着色料のイタズラです)!!

*今回テーマにした『GABAN ランプフィッシュキャビア』の商品紹介ページに、サーモンを使ったレシピも出ています!
こちらもワインに絶対合いますので、是非お試しください。
↓↓↓
https://www.gaban.co.jp/recipe/detail.php?i=676

CTA-IMAGE ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。 これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。 主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。 ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。 是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!
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