ワインペアリング奮闘記 第53回「ドメーヌ・デリアンス・ペール・エ・フィス　クレマン・ド・ブルゴーニュ」

『お料理パパのワインペアリング奮闘記』 第53回
上質クレマンでランチを華やかに

このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。

コラムの性質上下記について、ご容赦いただいております。
■失敗してもやり直しできませんので、その時は何がダメだったのか考察する回とさせて下さい。
■うちの子に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルクなど乳製品が使えません。

今回のお題は『デリアンス　クレマン・ド・ブルゴーニュ』です。

今回はブルゴーニュのスパークリング・ワインです。
品種構成を見ると、ピノとシャルドネの他に、アリゴテが少し入っています。
なるほどブルゴーニュだなと楽しい気持ちになりました。

グラスに注ぐと淡いイエロー。泡は溶け込んで繊細な印象です。
香りはシトラス。白や黄色の小さなお花。貝殻やパン生地、ナッツなど、ふわっと優しい印象です。
味わいもフレッシュなグレープフルーツなど、やはり柑橘のニュアンスを第一に感じました。
中盤からしっかりとしたミネラル、旨味を感じます。味わいに芯がありますね。
後半はオレンジ・ピールのような軽い苦味とともに、木の実やフルーツの余韻が残っていきました。
全体として繊細でエレガント。前半はフレッシュさ、中盤以降からは複雑味を感じさせる本格的なクレマン・ド・ブルゴーニュに仕上がっています。

さて、合わせる料理ですね。
このワインの持つ、フレッシュな果実感に寄り添うようなイーストやナッツの香りは、パンなど、小麦の生地を香ばしく焼いたものが合いそうだなと思いました。
どちらかというと上方向に抜けていくような軽やかさがありますので、軽めのオードブルとともに・・・または、晴れた休日のランチにぴったりだと思います。
というわけで今回選んだのは、サクサク食感のお手軽メニュー『ギョーザの皮ピザ』です！

料理レシピ：
ピザのトッピングと言えばチーズが定番ですが、このコラムは『乳不使用』。
したがって、チーズの代替品として「おもチーズ」を使います。
これは切り餅を薄くスライスし、豆乳と共に鍋で温め溶かし、白味噌を加えて混ぜたものです。
もちろん乳製品OKの皆さんは、とろけるチーズ等を使って下さいね。

ピザは２種類つくりました。グリルパンの上にギョーザの皮を敷き、それぞれの材料をのせ、魚焼きグリルで焼きます。
(A)トマト味：おもチーズ、トマトソース、ソーセージ、玉ねぎ、ミニトマト
(B)しらす味：おもチーズ、しらす、玉ねぎ、ケーパー、マヨネーズ
表面焼き目がついたら焼け具合をチェック。
仕上げに黒胡椒をふって、(A)はバジル、(B)はルッコラをトッピングしています。

ペアリングレポート：
見ての通りカリッと焼き上がった生地が香ばしいです！
サクッとクリスピーな食感は、スパークリングのテクスチャにぴったり。
ワインの酵母の香りも、心地よくピザに寄り添ってくれます。

(A)と(B)、それぞれをデリアンス　クレマン・ド・ブルゴーニュと合わせてみたところ、軍配が上がったのは(B)のしらす味。
小魚のミネラル感に、クレマンのミネラルが同調し旨味が倍増！食感がより軽めな所も、クレマンの軽快さにマッチして好印象でした。
トマト味ももちろん美味しかったのですが、トマトの汁気で中央がトロリとしたテクスチャになったこと、また味が強く残る分、クレマンの繊細なアフターを感じ辛くなってしまうと思いました。

如何でしたか？
今回は(B)に軍配を上げてしまいましたが、是非様々なトッピングを試してみて下さいね。『デリアンス　クレマン・ド・ブルゴーニュ』はちょっとお洒落でカジュアルなパーティーに、是非おすすめの一本です！それでは次回もお楽しみに。（西岡）

今回のペアリングワイン

『ドメーヌ・デリアンス・ペール・エ・フィス　クレマン・ド・ブルゴーニュ ブラン・ド・ブラン・ブリュット・レゼルヴ N.V.』
（フランス /ブルゴーニュ地方産白スパークリングワイン
ブドウ品種：シャルドネ100% 熟成：12か月以上）