ワインペアリング奮闘記 第51回「デュリュック・ド・ブラネール・デュクリュ」

『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第51回
和牛と響き合うエレガント系ボルドー赤ワイン

このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。

コラムの性質上下記について、ご容赦いただいております。
■失敗してもやり直しできませんので、その時は何がダメだったのか考察する回とさせて下さい。
■うちの子に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルクなど乳製品は不使用です。

今回のお題は『デュリュック・ド・ブラネール・デュクリュ』です。

このワイン、リリース時にテイスティングコメントを掲載していますので、まずはその時の内容をお届けしますね。

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色調はやや紫がかった、艶のあるルビー。
グラスに漂う香りは、熟したカシスや、ラズベリー、クランベリー、ブルーベリーなど。
その奥に杉やミントのような清涼感を感じます。
そして仄かにクローヴやブラック・ペッパー、鉄分。
口に含むと、口当たりはとても滑らかで、アタックから果実の膨らみを感じました。
口に運ぶ度、様々な果実の表情が現れてくるようです。
酸味はしっとりとした穏やかで親しみやすく、タンニンも溶け込んでいて細やか。
ミドルにはじんわりとした旨味、アフターにはビターチョコのような心地よい苦味、そして華やかな果実のフレーヴァーに混ざって、すーっとした清涼感を感じます。
全体として大変エレガントにバランスよく整った印象で、とても美味しいです・・・！
さすが格付けシャトーという所でしょうか。気品と、作りの巧さを感じました。
飲み進めていくにつれ様々な表情を見せてくれるので、いつまでも飲んでいたくなります。
ペアリングとしては、例えば薄切りの和牛をさっと炒めて軽く塩胡椒し、わさび醤油で。
是非、お家でのちょっとした贅沢にこの赤ワインを楽しんでくださいね。
とてもおすすめのボルドー赤ワインです！
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以上です。なんと合わせる料理まで、もう書いてしまっていました。笑
この赤ワインは力強さよりもバランス、そしてエレガントさが特徴。
柔らかく繊細な和牛薄切り肉はきっとぴったりと合うと思います。
では今回は実際に『和牛の薄切り炒め・おろしわさびソース』を作ってこのワインに合わせてみましょう。

料理レシピ：
和牛の切り落としとみじん切りのニンニクを強火で炒め合わせていきます。
わずかにピンクが残るくらいを目安に火から下ろしましょう。
軽く塩胡椒を振って、仕上げに刻み葱とピンクペッパーを散らせば出来上がり。
ソースは、大根おろしに醤油適量を加えたものに、お好みでわさびをつけながらいただきます。

ペアリングレポート
柔らかい和牛の薄切りに、さっぱりとした大根おろしと、わさびの辛味がつんと鼻に抜けます。
ここに『デュリュック』を合わせていくと、うーん。上品ですね、このエレガントさ。
お肉の柔らかさに、ワインの柔らかなテクスチャが相乗しています。
味わいの重心の位置がぴったりときて、「丁度良い」このバランス。
お肉だけでは、ぼわっと広がってしまいがちな和牛の脂感や甘みを、この赤ワインの穏やかな酸味が、優しく適度に引き締めてくれます。
そして、ワインが持っている鼻に抜けるような清涼感も、わさびや薬味の風味と相性が良い印象。
醤油との相性も上々。和牛のじんわりとした旨味を引き立てます。
アフター・フレーヴァーは赤果実のニュアンス、黒胡椒などのスパイスと共に、ごく軽く葉巻のような香りが残るのも本格ボルドーならではですね。
この食材との絶妙なバランス感。パワー系ボルドーには、なし得ない技だと思います。美味しい！

如何でしたか？
この『デュリュック』と和牛の組み合わせは、何度でも食べたい！と思うほど美味しかったです。
今回のペアリングを通じて、エレガント系ボルドーと、和食という組み合わせにさらなる可能性を感じました。
これからも挑戦し続けて行きたいと思います！
それでは次回もお楽しみに。（西岡）

今回のペアリングワイン

『シャトー・ブラネール・デュクリュ　デュリュック・ド・ブラネール・デュクリュ　2012年（税抜4,380円）』
（フランス/ボルドー地方サン・ジュリアン産赤ワイン
ブドウ品種：カベルネ・ソーヴィニヨン54%、メルロ44％、カベルネ・フラン1%、プティ・ヴェルド1% / 熟成：バリック熟成）