ワインボキャブラ天国【第101回】「黄金色の」 英:gold 仏:dore
- 2021.10.23
- ワインボキャブラ天国
連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!
取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!
ということで今回ご紹介する言葉は・・・
「黄金色の」
英:gold
仏:dore (eに右上がりアクセント 形容詞 発音は「ドレ」)
色調に関する表現がテーマの回は、類似する表現を振り返って整理するところから始めましょう。
まずは以前ご紹介した、「黄色系」の色合いの表現を淡いものから濃いものの順で段階的に分類すると、大体こんな感じかと思います。
・緑がかった黄色
・レモンイエロー(明るい黄色)
・蜂蜜色
・黄金色
・麦わら色
・琥珀色(オレンジ・褐色が入った黄色)
「黄金色」は黄色の中ではかなり濃い色合いですが、麦わら色や琥珀色のように熟成による色素変化の影響を受けてはいない色合い、と位置付ければよいかと思います。
非常に濃い色合い、気温が高く日照量の多い産地で育ったブドウは果皮が厚くなるため、白ブドウでも色素やフェノール分を多く含むようになりますし、またブドウの高い糖度・濃厚な味わいと味わいのバランスを取るため、造りの上でも意図的に果皮由来の成分を多く抽出することもあります。
また、例えば貴腐ワインや陰干しワイン/藁ワインのように原料ブドウ果実の水分量が少なく濃縮された場合も、自然と色合いが濃くなっていきます。
まずはこういったジャンルのワインに、「黄金色」の色調が見つかるということを把握しておいてください。
白ワインやシャンパーニュの色調を見るのは、赤ワインと比べるとやや難しいかもしれません。透明度が高く光の影響で見え方が変化しやすいため(自然光の下と蛍光灯の下では色調の見え方に大きく違いがあります)正確な色合いを取るのは難しくなります。ですが、産地や品種、収穫年からの経過時間によって基準・典型となる色合いがあることを知っておけば、精緻な表現を選べるのではないでしょうか。
黄金色に染まったワインは、その色合いからも推察できる通り、香りや味わいもどっぷりと濃厚でパワフル。グラスに注いだ段階から贅沢な気分に浸れると思います。
リッチな気分で、黄金の時間を過ごしてくださいね。
それでは今回はこのくらいで・・・。
今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!
*以下は類似した表現についてのコラム。よろしければこちらも併せて読んでみてくださいね。
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