今月のおすすめワイン本【2019年6月】「6つの飲み物の歴史を読み解く一冊」
- 2019.06.08
- 今月のおすすめワイン本
- 値段, 発酵, 赤ワイン
読むとワインを飲むのがもっと楽しくなる本を毎月1冊ご紹介する『今月のおすすめワイン本』コーナー。
6月の1冊は・・・
『歴史を変えた6つの飲物 (著:トム・スタンデージ 訳・新井崇嗣/木楽舎 税抜2,700円)』です。
先月は「発酵」に着目したちょっと変わった本をご紹介しましたが、6月は王道の歴史本を選びました。
この本はワインだけでなく、ビール、蒸留酒、コーヒー、お茶、そしてなんと「コーラ」という6つの飲み物の歴史を読み解く一冊。
ワインの項も勿論面白いのですが、他の飲み物が歴史の中にどうやって登場してきて今に至るのか
・・・が非常に良く整理されていて分かりやすく読める、(税込2,916円とちょっとお値段は高めですが)かなり内容の濃い本ですよ。
ワインの項目は紀元前870年、アッシリアの王が10日間続く7万人の宴(!)を催したところからスタート。
まあ想像を絶する規模の描写ばかりでここはもう驚くばかりですね。
ワインが元々は王の富・力の大きさを誇示するための飲み物であったことが良く分かるエピソードです。
7万人というと、弊社事務所がある横浜の「日産スタジアム」が約70,000人の収容。
ここを満杯近くにして皆で10日間ワインを飲み、ご馳走を食べ、歌い踊り続ける・・・
そんなイベント、Firadis WINE CLUBでいつかやってみたいものです 笑
そして僕がこの本で初めて知ったことが最も多かったのは、実は「コーラ」の項。
例えば・・・「コーラの原点は、元はワインだった」なんて、全く知りませんでした。
「フレンチ・コカ・ワイン」という、赤ワインにコカの葉を漬け込んだ薬が、その後コカ・コーラの原型になっていったのだそうです。
ワインがあの清涼飲料水の元だったとは驚きですよね。
でもよくよく考えれば「ガス入りの飲み物」という点では、発酵によって必ず炭酸ガスが発生するお酒の方が先に存在していたわけですから、それも当然なのかもしれません。
(ちなみに「炭酸水」が生まれたのは1767年、当時は医療用の飲み物として流通したようです)
人類の飲み物のルーツ・・多くは、お酒なのかもしれません。
「はじめに、酒ありき」、この人類の文化遺産を毎日家で手軽に楽しめるのは、歴史の中でワインに関わってきた先人たちのおかげですね。
それに深く感謝して、毎日おいしく楽しまなくては!!
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