「五味のマリアージュ その2」 ワインはじめて講座
「ワインと料理を合わせる」シリーズ、第7回目となりました。
前回は、味覚には、甘味・塩味・酸味・苦味・そして旨味の五要素があり、 料理が含む味覚要素とワインが含む味覚要素を足していき、 五味が出来るだけ調和した状態にしていくマリアージュの手法を「五味のマリアージュ」と呼ぶ、 という内容でした。今回も引き続きこの話をさせて戴きます。
この「五味のマリアージュ」は特に、 料理とワインの香りや味わい要素両方をしっかりと理解することが必要になりますので、 これまでに紹介したマリアージュの中では少しだけ難易度が高いかもしれません。
そこでここからは、お料理とワインを一緒に楽しむのにあたって、 マリアージュを組み立てていく手順、をご紹介していこうと思います。
マリアージュを組み立てていくにあたり、最初に考えるべきは実は香りや味わいではありません。
それは、食材とワインの「食感」が同じ方向を向いているか、です。
食材・料理によって食感は様々異なるわけですから、 ワインを合わせていく場合に当然「ワイン側のテクスチュア」が食材と同じ系統・方向性を持っている方が良い、 というのは想像しやすいですよね。
柔らかな食材には、口当たりが柔らかなワイン。
噛み応えのある食材には、口当たりががっしりしたワイン、といった具合です。
これを僕たちは「テクスチュアのマリアージュ」と呼んでいます。
仮にここにズレがあると・・・
とても柔らかでこってりした肉に酸の引き締まったタイトなワインを合わせてしまい、 ワインが水のようにするするっと流れて何の味も食感も無かった、という結果に終わります。
逆にとても新鮮で身がキュッと引き締まったような白身魚のお刺身に、 果実のヴォリューム感があって柔らかなこってり白ワインを合わせたらどうでしょう。
新鮮な魚のピチピチ感が台無しになってしまいますよね。
だからこそマリアージュを考えるときの手順は
「まずは食感/テクスチュアを前提として合わせ、その次が味」となるわけですね。
この順序が分かっていると、ワインと料理の距離を近づけていく作業が、 ぐっと簡単になりますよ。
それでは今回はこのへんで。
今日も1歩、あなたはソムリエに近付きました!
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