ワインボキャブラ天国【第68回】「ハシバミの実/ヘーゼルナッツ」 英:Hazelnut 仏:Noisette

ワインボキャブラ天国【第68回】「ハシバミの実/ヘーゼルナッツ」 英:Hazelnut 仏:Noisette

連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!

取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!

ということで今回ご紹介する言葉は・・・

「ハシバミの実/ヘーゼルナッツ」 
英:Hazelnut
仏:Noisette (女性名詞:発音は「ノワゼット(ゥ)」)

ヘーゼルナッツは、カバノキ科に属する「ハシバミ」の木の実。
皮を剥いてナッツの状態なる前はドングリが丸く太ったような形をしています。
クラッシュしたものがチョコレートに入っていることやミックスナッツの中に含まれていることもあり、香りや味わいについては思い浮かべることが簡単に出来るかと思います。

また、海外輸入食品のお店などに行くと売っているイタリア産のスプレッド『nutella(ヌテラ)』はヘーゼルナッツのペーストに砂糖やココアなどを加えたもので、ヨーロッパでは子供たちだけでなく大人にも大人気。
それだけヘーゼルナッツという食べ物が日常的に浸透していて、ワインのテイスティング表現でイメージを共有するのにも使いやすいということですね。

ヘーゼルナッツに限らず、ワインにナッツ系の食べ物の香り・味わいを感じた場合は、基本的には樽熟成に由来しているものと考えて良いです。樽熟成の効果として現れる香りには、木そのものの香り、ナッツ系の香り、より甘いバニラ系の香りなどがあり、熟成の段階が進むにつれてそれらが更に変化をし複雑性を帯びていきます。

ヘーゼルナッツの香りが見つかるワインは主に樽熟成をした白ワイン・スパークリングワイン/シャンパーニュなどでしょうか。ブルゴーニュやカリフォルニアのシャルドネで樽をかけたもの、泡ものだったら、シャルドネ他白ブドウだけで造り樽熟成したキュヴェがブレンドされているブラン・ド・ブランにもヘーゼルナッツの甘く香ばしい香りが見つかります。

また、赤ワインでも熟成の初期段階では木やナッツのイメージがはっきりと出ているものがあり、特にニューワールドのカベルネやメルロなど濃厚な甘さが強いスタイルのワインにヘーゼルナッツの印象を感じることも。赤ワインに見つかるヘーゼルナッツのイメージは、熟成を経るとそれこそ「ヌテラ」のようにチョコレートの香りを併せ持ったような香りになることもありますね。

ナッツ系の香り表現には他にも様々なものがあります。
次回は丁度綴りの流れで「Noisette」⇒「Noix(クルミ)」を紹介することになりそう。
「クルミ」の項で、どうして樽熟成によってナッツの香ばしい香りが付くのか・・・についてもご紹介しようと思います!

ということで本日はこのへんで。
今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!

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