今月のおすすめワイン本【2020年9月】「今月は久々にワインの歴史関連本をご紹介」
- 2020.09.07
- 今月のおすすめワイン本
- グラス
毎月第1月曜日のワインコラムは、読むとワインを飲むのがもっと楽しくなる本を毎月1冊ご紹介する『今月のおすすめワイン本』コーナー。
ここ何か月かは、ワインの雑学や料理の関連本などを続けてご紹介して参りましたが、読書の秋には少し専門的な歴史本などを楽しむのもよいかな、と思いましてこんな一冊を選びました。
今月選んだ1冊はこちら・・・・
『教養としてのワインの世界史』
(山下 範久さん著/筑摩書房 ちくま文庫 税抜900円 )を、ご紹介します。
著者の山下 範久さんは立命館大学国際関係学部の教授、専門は歴史社会学の分野だそうです。
1971年生まれとのことなので僕と同年代の方でした。
今日ご紹介する本ではワインの歴史、いわゆるワイン史本には必ず載っている有名な出来事・・・
例えばギリシア・ローマ時代のワイン文化から現代の「パリスの審判」などを網羅しつつ、『ワインのグローバリゼーション』という視点で世界各地のワイン文化がどう発展してきたかが書かれています。
なんて書くと全く面白く無さそうですが、13章で構成されたこの本は大学の講義をそのまま収録したスタイルとなっており、講義で話される内容がそのまま収録されている感じなのでとても読みやすく、歴史上の面白いエピソードなども色々語られているので、飽きず疲れず楽しめます。
文庫本だからワイングラス片手に読むのにも向いています。
山下さんのワイン史論は「現在のヨーロッパの主要生産国こそがワインの伝統産地」、という考え方を見直すべきでは・・・というところが新鮮。
どこからどこまでが“旧世界”でどの国は“新世界”として扱うのか、についてもユニークな持論を唱えていました。
中国の7世紀頃の書物には既に葡萄酒を飲んでいた記述があるのだから、十分「旧世界」だろう!
なんていう考え方には「確かにそれもそうだよな」と思ってしまいます。
まあ、歴史の長い旧世界のほうが偉い、という訳ではないですけどね 笑
秋の夜に毎日少しずつ読み進めてワイン知識を深めるのにぴったりの1冊、前回の絶版本と違って手軽に入手できますので、ぜひ一度本屋さんで手に取ってみてください。
ということで今月のワインお薦め本ご紹介でした。
10月も第1月曜日に僕が読んだワイン・お酒・料理などの関連本をご紹介させて戴きますね。
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