今月のおすすめワイン本【2022年9月】ワインが好きな人なら共感ポイントが続出するはずのワインエッセイ
- 2022.09.12
- 今月のおすすめワイン本
読むとワインを飲むのがもっと楽しくなる本をご紹介する『今月のおすすめワイン本』シリーズ。
44冊目に選んだのは、ワインが好きな人なら共感ポイントが続出するはずのワインエッセイ『ワインのある風景』(文芸社 原口真一さん著、税込定価770円)を選びました!
目次
元ホテル・オークラのソムリエさんによるワインエッセイ本です。
著者の原口真一さんは、元ホテルオークラのソムリエからワインのライターになった方。本書のタイトル『ワインのある風景』(そして表紙はパリの風景)とプロフィールだけを聞くと、スノッブなワイン好き向けのうんちく満載エッセイなのかな…と思いつつ読み進めてみると、冒頭数ページでほっと安心、そしてこれは誰にでもおすすめできそうだな、と直感。ワインにちょっとでも興味のある方なら誰でも楽しく読める力の抜けたエッセイ集でした。
勿論、有名な産地やテイスティング用語、栽培方法などワインについてのエッセイらしいテーマもありますが「ワインについては良く知らないけど、飲むのは好き」という人なら問題無しの丁度良いレベル感。知識に突っ込み過ぎず、最低限「わかる」「これだけ知ってたらもう十分」「で、これ知ってると楽しいよ」くらいのところで抑えていてくれるので、ワインを飲みながらでもごろごろしながらでもちゃんと頭に残ります。
そしてここ結構重要。文庫本!っていうのがワインを飲むときに良いんですよね…僕は右手にワイングラス、左手に文庫本で一人飲み、がお決まりのルーティン。
薄過ぎず厚すぎず、飲みながら片手読みでも疲れない、これぞまさにワイン&読書好きには最適。ワインの本はハードカバーや大判のものが多くなかなか文庫にならないのが本当に残念、とこの本を読んでいて改めて思ってしまいました。
一番の読みどころは、作者ご本人の修行時代の面白エピソードでした
本の内容について簡単に触れますと、第1部(前半6割くらい)は前述の通りワインについて様々なテーマから語る雑記調エッセイ。結構テーマはバラバラで、ワインだけでなく料理やレストラン、その他本当に色々なネタが順番関係なく詰め込まれている感じ。1章あたりがとても短いので、細切れに読むのにも適した気軽な内容です。
そして僕が思うにこの本で一番面白いのは第2部「僕のワイン修行」です。ここからは作者の原口さんがなぜソムリエを目指したのか、ホテルソムリエの実際の仕事内容やフランス料理のサーヴィスについて、新人がサーヴィスの仕事を学んでいく過程やその中で体験した面白エピソードが色々と語られています。ここは「お仕事系マンガ」などが好きな方だったら絶対に楽しめるはずですよ。
そして・・・作者の原口さんはホテルソムリエの後なんと学校の教師に転職をすることになるのですが、その理由は何故か?は読んでみてのお楽しみです。
原口真一さんはこれ以外にもいろいろとワイン関連の著書がありまして、僕がこれまでに読んだ中では『ワイン探求物語 ワイン通とは呼ばないで!(文芸社)』がとても面白く、今日ご紹介の本とも内容が近い感じ。こちらは残念ながら現在絶版のようですが、もし古本などで見つけたら是非読んでみてくださいね。
という訳で今回のワイン本紹介はこのへんで。さて、次回はどんなワイン本をご紹介しましょうか・・・おっと、またこんな面白そうな本を見つけてしまった・・・早速ポチっとな、と。早く届かないかなあ。。。
*本日ご紹介した書籍は、Amazon他にて新品・古書等で購入できます!
『ワインのある風景』(文芸社 原口真一さん著、税込定価770円)
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