ワインペアリング奮闘記 第31回「カンパペーリ　ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」

『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第31回
あのトスカーナの銘酒のペアリングに挑戦

このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。コラムの性質上下記について、ご容赦いただいております。
■失敗してもやり直しできませんので、その時は何がダメだったのか考察する回とさせて下さい。
■うちの子に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルクなど乳製品が使えません。

さて今回のお題は『カンパペーリ　ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ』です。

イタリア、トスカーナの銘酒ですね。グラスに注ぐと、中心にかけて黒みがかったルビーレッド。
液面に艶があって、健全な印象です。
香りは熟したダークチェリーやプラム、スミレ、黒胡椒などのスパイス。深みがあって、まだ若々しさが感じられます。
口に含むと、ぎゅっと密度のある果実が一気に広がっていきます。
完熟したフルーツの甘やかさと、エレガントで伸びのある酸味のバランスがとても心地よいです。
タンニンはしなやかで、しっかりとしています。
フローラルなアロマとミネラルのヒントが余韻に残っていきます。
流石はブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、6年ほど熟成しているにも関わらずまだまだ若々しさがあり、現段階でも十分に楽しめますし、さらに熟成させれば別の魅力も出てきそうな高いポテンシャルを感じる赤ワインです。

では、合わせる料理を考えていきましょう。
まず、以前バローロを取り上げた時もそうでしたが、こう言った有名銘柄のワインは定番的な合わせる料理があったりするので、事前にチェックしておいたほうが良いと思いました。
そこで海外のサイトを調べてみると、度々登場するひときわ気になる食材がありました。
それは、イノシシです。
流石にイノシシはなかなか手に入りませんが、イノシシが合うならそれに近い豚もいけるのでは？？
豚を塊のままローストにし、家禽に不足しているであろう香りや味わいの複雑さはソースで補えば、良い線に行くのではないでしょうか？
というわけで今回は低温調理で作る「ローストポーク」です。

作り方：
豚塊肉を用意。塩胡椒で下味をつけて、フライパンで表面をよく焼き付けます。
お肉を焼いた後のフライパンで赤ワイン、バルサミコ、醤油、蜂蜜を軽く煮詰めます。
このソースと塊肉をジップロックに入れて、空気を抜きます。
炊飯器にお湯を張り、「保温」モードにしてジップロックを投入。
３～４時間低温で煮込みます。取り出したら、お肉はバットなどで少し休ませます。
その間にキノコ数種類をフライパンで炒め、塩胡椒し、お肉を煮込んだソースを加えて軽く煮詰め、仕上げにトリュフオイルを少し加えます。
スライスした豚肉にソースをかけて出来上がりです。

実食：
豚肉は中までしっとり柔らかく仕上がりました。
一口食べてみると、モモなので割とあっさりしています。
もう少しジューシーに仕上げたかったので、部位の選択を誤ったかもしれません。
キノコソースはこってりと仕上がっていて、これを豚肉にたっぷりとのせてワインを合わせると、赤ワインとの親和性が高まります。
バルサミコの酸味がワインのジューシーさを、キノコのアーシーなフレーヴァーは複雑味を、コクの強さは旨味を引き出してくれます。
ただ、最初に感じた通り、やはりお肉が少々あっさりしすぎた感じがあります。
カンパペーリ　ブルネッロ・ディ・モンタルチーノのしっかりとしたタンニンや肉厚さを持つ、存在感のある赤ワインなら、お肉はもっと脂のまわった部位の方が相応しいでしょう。
と言うわけで、まぁギリギリ合格ラインと言った出来でしょうか。
皆さんがお試しになる時には肩ロース等を選択してみてくださいね。
きっとうまく行くはず！バラだと、脂っぽすぎると思います。

如何でしょうか。
名高い銘柄のワインにもなると複雑味も増してきますし、素材もそれなりに気を使って選択する必要がありそうですね。
今回は豚肉にしましたが、牛や鶏も工夫次第で合わせられると思います。
キノコのソースは簡単に作れて外すことが少ないので、ぜひお食事のレパートリーに加えてくださいね。数種類組み合わせるのがコツです。
カンパペーリ　ブルネッロ・ディ・モンタルチーノはしなやかでとても上質な赤ワインでした。
では、ご意見ご感想お聞かせください。次回もお楽しみに！