ワインボキャブラ天国【第95回】「アーモンド」英:almond 仏:amande
- 2021.09.11
- ワインボキャブラ天国
連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!
取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!
ということで今回ご紹介する言葉は・・・
「アーモンド」
英:almond
仏:amande (女性名詞 発音は「アマンド(ゥ)」)
95回目のワインボキャブラリーは「アーモンド」。
まずは早速恒例の「アーモンド豆知識」からいってみましょうか。
アーモンドはバラ科サクラ属の植物で、実はその花は桜にそっくり。桜とほぼ同じ季節に満開になるそうです。「アーモンドの花」で画像検索すると美しいアーモンドの花の画像が沢山出てきますよ。驚くほどきれいなので、一見の価値ありです!
アーモンドは日本では「扁桃(へんとう)」と呼ばれる桃や杏と同系統の果物。ただし果皮・果肉が非常に薄く食べるところがほとんど無いため、その種子の仁の部分を乾燥させて食用としています。こちらが一般的に知られるアーモンドですね。
ナッツ系の食べ物の香り・味わいについては、これまで「ヘイゼルナッツ」「クルミ」等をご紹介してきました(*今回のコラム最後に各ページのURLリンクも置いておきます。)
それらのページで書いたことの繰り返しにはなりますが、ワインにナッツ系のニュアンスを感じた場合は、基本的には樽熟成に由来しています。樽熟成の効果として現れる香りには、木そのものの香り、ナッツ系の香り、より甘いバニラ系の香りなどがあり、熟成が進むと更に変化し、複雑性を帯びていきます。
アーモンドの香りが見つかるワインも、他のナッツ系表現と同様にやはり樽熟成をした白ワイン・スパークリングワイン/シャンパーニュなどが多いですね。例えば、シャルドネ系の果実が分厚い白ワインを樽熟成したもの、白ブドウだけで造り樽熟したブラン・ド・ブランにもローストアーモンドのような甘く香ばしいアロマがあります。樽の木材と、焼きを入れたことにより増加した香り成分がブドウの香りと合わさって発展したものですね。
赤ワインでもある程度の熟成を経た段階でアーモンドの香りが見つけられることがありますが、こちらも同様に樽熟成に由来するものです。
ナッツ系の香り表現には、まだまだご紹介していない様々なものがありますが、基本的には上記したような熟成系ワインと同系統のものに見つかるイメージだと思っておいて戴ければ大丈夫。香りに甘みを感じたら、砂糖がけやアーモンドチョコレートなど、表現を発展・派生させていくのも良いかと思いますよ。僕自身、非常に長く熟成させたシャンパーニュの表現で「ひとことで言うならばアーモンドチョコレートの香り」なんて使ったことがあります。その飲んだことの無い方が、ワインにアーモンドチョコの香り?一体どんなワインなんだろう??と興味を持って戴けたらいいな、と思いながらイメージを膨らませました。
それでは今回はこのくらいで・・・。
今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!
*以下は類似した表現についてのコラム。よろしければこちらも併せて読んでみてくださいね。
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