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ワインボキャブラ天国【第110回】「二次発酵 後編」 英:second fermentation 仏:fermentation secondaire

ワインボキャブラ天国【第110回】「二次発酵 後編」 英:second fermentation  仏:fermentation secondaire

連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!

取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!

ということで今回ご紹介する言葉は・・・

「二次発酵」
英:second fermentation
仏:fermentation secondaire (発音は「フェルモンタシオン・スゴンデール」)

「二次発酵」の5技法を紹介

前編では「二次発酵」がシャンパーニュやスパークリングワインの泡を造り出すための二段階目の発酵だということについてご説明しました。
1回目のアルコール発酵で、ブドウは炭酸ガスを含んだワインに変わりますが、通常のスティルワイン(炭酸ガスを含んでいない赤ワイン・白ワイン)としてボトリングする場合は、基本的には発酵によって発生させた炭酸ガスを放出させてしまいます。
一方で泡入りのスパークリングワインを造る場合、1段階目のアルコール発酵で発生させたCO2だけではスパークリングワインとしては力不足のため、炭酸ガスをもう少し足す必要があります。そのために、出来上がったワインにもう一度一定の糖分と酵母を加え、2回目の発酵を促すのが「二次発酵」ということです。

それでは今回は、二次発酵の技法を5種類紹介していきたいと思います。

①瓶内二次発酵方式(=シャンパーニュ方式)
Methode traditionnelle (= Methode champenoise) メトード・トラディショネル(=メトード・シャンプノワーズ)

シャンパーニュ方式の伝統製法、と名付けられた技法。その名の通りフランスのシャンパーニュ地域や、その他の地域の「クレマン(ex:「クレマン・ド・ブルゴーニュ」「クレマン・ド・ロワール」など)」、イタリアの「フランチャコルタ」、スペインの「カバ」等がこの製法で造られています。実はシャンパーニュ地域が起源ではなく南仏ラングドック地方の「リムー」が発祥の地とされているため、シャンパーニュ以外の地では「トラディショナル方式」と呼ばれることが多いです。

ブレンドしたワインに二次発酵を促すための酵母と蔗糖を添加して瓶詰めし、ガスが抜け出すことの無いように王冠でしっかりと打栓します。密閉された瓶の中で2回目のアルコール発酵が起こるため、炭酸ガスがしっかりとワインの中に溶け込みよく馴染みます。瓶内に閉じ込められた泡の繊細さ、きめ細かさが特徴です。

シャルマ方式:Methode charmat メトード・シャルマ

シャンパーニュ方式のように瓶内で二次発酵させるのではなく、大きな密閉タンク内で二次発酵をさせる製法です。コストを抑え、短期間で多くのスパークリングワインを生産することが可能なため、シャンパーニュやその他地域名入りの瓶内二次発酵製法スパークリングワイン以外の大半がこの製法を採用しています。
大型タンクで仕込むため、トラディショナル方式に比べると若干ガス圧が弱くなりますが、カジュアルに楽しめるフレッシュフルーティなスパークリングワインを作るのに適しています。

トランスファー方式:Methode Transfert(メトード・トランスファー)

瓶内二次発酵させたスパークリングワインを加圧式タンクに入れて冷却し、濾過してから新しい瓶に詰め替える製法です。
シャンパーニュ製法における動瓶や澱引きなどのステップを詰め替え時にまとめて実施してしまう効率的な方法です。
フィラディス取り扱いのスパークリングワインではこの製法のものはありません。

リュラル方式:Methode Rurale(メトード・リュラル)

一次発酵中のワインを瓶詰めして、瓶内で発酵を継続させる製法です。別名メトード・アンセストラル(Methode Ancestral)とも言います。ブドウの持つ糖分だけでガスを発生させるため柔らかな味わいのスパークリングワインとなりますが、アルコール度数は低くなる傾向があります。
フィラディス取り扱いのスパークリングワインではこの製法のものはありません・・・ご紹介できず残念。

炭酸ガス注入方式 

瓶詰めしたスティルワインに人工的に炭酸ガスを注入する製法です。手頃な価格帯のすっきりとしたスパークリングワインに多く用いられています。短時間で簡単にスパークリングワインを作ることができます。
ヨーロッパ地域で日本円換算数百円くらいで販売されているような非常に安価なワインはこの製法で造られています。日本の飲食店で最近見かける「樽詰めスパークリングワイン」などもこの方式です。

以上、様々な二次発酵の技術についてご紹介させて戴きました。この5つが把握できていれば、スパークリングワインの製法についてはもうバッチリです。
次回も引き続き発酵について・・・3つ目の発酵は「マロラクティック発酵」。これもよく耳にする言葉だと思います。「発酵」シリーズも一旦次回で終了、もう少しだけお付き合いください。

今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!

【今回の用語に関連したその他のコラム】

ワインボキャブラ天国【第108回】「アルコール発酵」英:alcoholic fermentation 仏:fermentation alcoolique

ワインボキャブラ天国【第109回】「二次発酵 前編」 英:second fermentation 仏:fermentation secondaire

 

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