ワインボキャブラ天国【第163回】「ヴィニョーブル」 英:vineyard 仏:vignoble

ワインボキャブラ天国【第163回】「ヴィニョーブル」 英:vineyard 仏:vignoble

連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!

取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!

ということで今回ご紹介する言葉は・・・

「ヴィニョーブル」
英:vineyard
仏:vignoble(男性名詞)

『Vigne』 と『Vignoble』 の違いとは

今回ご紹介する言葉は『Vignoble(ヴィニョーブル)』、第161回で紹介した『Vigne(ブドウの樹/ブドウ畑)』という言葉、前回第162回の『Vigneron(ブドウ栽培家)』と同系列の言葉であることは、字面を見て戴けば一目瞭然と思います。

この言葉も『Vigne』と同様に「ブドウ畑」を意味する言葉なのですが、ニュアンスとしては『Vignoble』の方がより大きな畑を意味する感じでしょうか。
例えば『Vigne』だとブドウの木1本から畑の一区画くらいを表すのに対して、『ヴィニョーブル』は一つの農家が所有するブドウ畑を集合的に包括して呼ぶとき(ブドウ園の名前に「ヴィニョーブル・ド・五十嵐」のような形で名称を付けます)、または更に広く「ヴィニョーブル・ド・ボルドー」=ボルドー地方一帯のブドウ畑、というような意味を持つこともあり、その地域の栽培法について概要を説明する場合などに使われたりもします。

今回は言葉の意味があまり広がらないので、おまけ知識をひとつ・・・。

この地球上に、ブドウ畑はどのくらいあると思いますか??
直近データ(と言ってもこのコラムを書いた時点から3年前の2020年の集計です)では、世界のぶどう栽培面積合計は782万ha、そのうち醸造用つまりワイン原料用に栽培されているブドウ畑の面積は452万haだそうです。全体の6割弱がワイン用ブドウということですね。
かつては世界全体の8割が醸造用、残りのうち1割が生食用、最後の1割が加工原料用と言われていましたので、食用・加工用の需要が伸びているようです。

では、ワイン醸造用ブドウ栽培面積が一番多い国はどこでしょう?
答えはスペインで約88.万 ha、次いでフランス が81万 ha、イタリア 60 万ha、USA24万ha、アルゼンチン20万ha、といった順位で続きます。スペインが最大、というのはかなり昔から変わらずですね。
ちなみに日本の醸造用ブドウ畑は2,000ha弱だそう。やはりワイン伝統国に比べるとまだまだ栽培面積が小さい感じですが、日本ワインの発展とともにさらに増えていくことと予想されます。

それでは今回はこのへんで・・・今日も、あなたの表現するワイン世界が少し広がりました!

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