ワインペアリング奮闘記第102回シャトー・ラ・ローズ・モンヴィエルポムロール × 黒酢酢豚

2021.06.25
ワインペアリング奮闘記
ペアリング, ポムロール, ボルドー, マリアージュ, メルロ, 豚肉, 赤ワイン, 酢豚

『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第102回

大人感あふれるポムロールに「酢豚」は果たして正解？

このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。コラムの性質上下記について、ご容赦いただいております。

■失敗してもやり直しできませんので、その時は何がダメだったのか考察する回とさせて下さい。

■子供に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルクなど乳製品不使用です。

今回の課題は『シャトー・ラ・ローズ・モンヴィエルポムロール 2018年』です。
フランス、ボルドーの中でもいくつもの高級ワインを擁し、高い注目を集める銘醸地ポムロールの赤ワイン。早速テイスティングしてみましょう！ テイスティング：
色調は、深みのあるルビー。向こうが透けて見えないくらい濃いです。

香りは、第一印象甘やかで、熟したブルーベリーや、ドライプルーン。
すみれなどのお花、鉄分、しめった土。シナモンやナツメグ、バルサミコ。
口当たりは滑らか。やはり熟した黒系果実の甘味を感じます。酸味は全体的に落ち着いた印象ですが、やや酢酸系の酸味も感じます。
タンニンは豊富ですが、溶け込んでいる印象。木目の細かいテクスチャが心地良いです。

中盤から、鉄を舐めるようなミネラル感、そしてモカっぽいフレーヴァが上がってきます。
アフターには葉巻や土のようなフレーヴァが残ります。
2018年ヴィンテージとまだ若いのに、落ち着きと滑らかさ、コックリとした味わいの深みがあって、エレガント。
質の良いメルロを使っているんでしょうね。どこか女性的でポムロールらしい味わいです。
勘ですが、熟成したらキノコっぽいニュアンスも出てきそう。ポテンシャルを感じますね！

合わせる料理：
中心のしっかりとした赤ワインですので、やはりお肉か・・・と思う一方、どこかソフトな質感もあり、鉄分しっかりで醤油味の煮魚も合いそうですね。
合わせられる範囲が広めで、和食にも合わせやすいのでは、と思います。
お肉を合わせるなら、ワイルド系のステーキや焼肉よりも、煮込み等の方が合うと思います。
こう、間口の広さを感じると逆に迷ってしまうのですが少し挑戦してみたくもなりますね。
少し考えて方針を決めました。
・香りから感じたバルサミコを使う

・お肉を使いますが、滑らかな質感、柔らかめの食感に
というわけで今回は、バルサミコ酢を使った『黒酢酢豚』に挑戦したいと思います！

レシピ：

基本中華料理とはいえ、赤ワインに合うような工夫は入れていきましょう。
豚塊肉を一口大に切ったら、塩胡椒をして30分程、赤ワインに漬け込んでおきます。
その後、水気を切って片栗粉をまぶします。これを唐揚げの要領で揚げて行きます。

余計な油を切ったフライパンで、玉ねぎとパプリカを炒めます。

肉を加え、バルサミコ、赤ワイン、醤油を加え、具材に絡めながら軽く煮詰めて、五香粉を軽く振って完成です。

ペアリングレポート：
んー。ちょっと微妙な見た目になりましたが、味がよければ問題なし。早速食べ合わせてみましょう！
シャトー・ラ・ローズ・モンヴィエルは、テイスティング時よりも香りも開いていて、味わいもより柔らかく馴染んで、とても美味しいですよ！
さて、一方の酢豚の方は・・・んん？思ったよりもこれは・・・
「・・・ちょっと酸っぱいんじゃない？」ズバリ妻に言われてしまいました。
やっぱりそうだよね〜（T_T）

【今回の評価】

星２つ：★★☆☆☆

評価のポイント：
○片栗粉のなめらかさ、お肉の柔らかさはポムロールの質感とよく合っていました。ここは評価できます。
▲お酢っぽくなりすぎてしまいました。というよりも、ワインと合わせることで酸っぱさが引き立ってしまいます。こうなると、ワインの果実味がスポイルされてしまうことに。これじゃだめですね！

ちょっと残念な結果ですが、このワインとこの料理はダメ！ということではないと思います。
同じ料理をもう一度作るチャンスさえあれば、もう少し良い結果が出せるでしょう。
今回の失敗ポイントは、バルサミコの「煮詰め」が足りなかったこと。
お鍋にいきなりバルサミコを加えるのではなく、半量程度に煮詰めて、味を確かめてから加えること。
これで飛躍的に相性がよくなるはず、星４つも夢ではない、と考えます！

いかがでしたか？久しぶりに失敗してしまいましたね。
間口の広そうな赤ワインだったのに・・・かたじけない。
でも、失敗もあるから楽しいのがワインの世界。失敗は成功の糧！
必ずリベンジして見せると、執念の炎を燃やしている所です。
次回も頑張ります！

（西岡）

今回のペアリングワイン：『シャトー・ラ・ローズ・モンヴィエルポムロール 2018年』

ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください！