ワインペアリング奮闘記 第83回 シャンパーニュ・ジャン・クロード・ムゾン グラン・ブークワン ヴェルズネイ・グラン・クリュ・ブリュット N.V.×スズキの白ワイン蒸し
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プシュッ・・・と抜栓した瞬間から、甘いフルーツの香り。外交的な第一アロマです。
細やかな泡立ちが落ち着くと、ゴールデン・イエローの液体が姿を表します。色調はやや濃い目ですね。
改めて香りを取ると、桜桃やカリンなど、熟度が高い黄色い果実を中心に、柑橘やベリーっぽいニュアンスも取れました。その奥にカラメルやアーモンド、コリアンダーのような香ばしいニュアンスも。やや熟成が感じられます。
口に含むと、アタックの強さは中程度でしょうか。ジューシーさが感じられ、酸はそこまでシャープでなく程よくフレッシュで、甘味とのバランスが取れて親しみやすく感じます。
中盤から塩味を伴うミネラル、コク、そして旨味が広がり、アフターにかけて少しトースト感のあるフレーヴァーを感じました。
全体としてはバランス感のある造りですね。美味しいです!落ち着いた重心で、しっかりとしたアミノ酸の旨味が魅力のシャンパーニュだと思います。
合わせる料理:
ワインはミドルな印象で、アペリティフからメインの食事まで広く合わせられると思います。品種はグラン・クリュのピノ・ノワール主体なのですが、どこか熟成した白ワインのような印象があって、肉よりは魚料理に合いそうに思えます。メイラード系の香りがありますので、料理も熱を通すのがおすすめです。
正解のイメージとしては、ソテーされた淡白な魚の身にシャンパーニュの酸と旨味がプラスされ、よりリッチで複雑な味わいに・・・です。ペアリングの王道ですね。
では、今回はたまたま魚屋さんでリーズナブルだったスズキの切り身を、フライパンで蒸し焼きにしてみます。『スズキの白ワイン蒸し』に決定です!
レシピ:
スズキは目立つ骨を取り除き軽く洗い、水分を拭って塩胡椒を。皮には切れ目を入れておきましょうね。※私はこれをせず、熱で身が丸まってしまいました。(汗)
フライパンにオリーブオイルをしき、皮目から焼いていきます。
両面ある程度焼けたら、白ワインと乾燥タイム、オレガノを加えて蓋をし、蒸し焼き状態で中心まで火を通して、魚は取り出します。
残ったフライパンで玉ねぎとパプリカのみじん切りを炒め、これをソースにします。汁気が飛びすぎたら白ワインで調整しましょうね。
仕上げにケッパー、ミニトマトを加えてソースは完成。
お皿にスズキとソース、スプラウト盛り付けて出来上がりです。
ペアリングレポート:
実食です。美味しいシャンパーニュをいただいてから、さっそくスズキの身をほぐしてソースと一緒に。うーん、美味しい。さらにシャンパーニュを飲み進めていきます。
シャンパーニュの酸味が、少し酸味のある白ワインソースを纏った魚に程よく相乗し、シャンパーニュのコクが魚の旨味を引き立ててくれます。まぁ狙い通りですね。私も少しは成長したなぁ・・・。
シャンパーニュから感じた黄色い果実に合わせて黄パプリカのソースにしましたが、こんな風に色のイメージを合わせるだけで、ぐっとペアリングも良くなると思います。ペアリングは香りや味だけじゃないわけです。
スズキのような白身魚はあまり癖がなく、バランスの取れたシャンパーニュとのペアリングは「安全牌」という感じがしました。白ワイン含め、今後も汎用的に使えそうな料理です。
最後にマスタード・スプラウトを散らしているのですが、マスタードの香りがしてシャンパーニュとの相性も良かったですよ。これはちょっとした発見です。
全体を通して、今回は「難なくペアリング」という感じですね!良かった。
如何でしたか?
飲む前はワインのデータから、ピノ・ノワール主体だし、お肉かな・・・?なんて思っていたのですが、テイスティングしてみるとシャルドネの印象も意外と感じて、思っていたのとは違う展開になりました。きちんとペアリングしたければ事前の味見はアリですね!ストッパーをつけておけばそう簡単に泡は抜けませんし、実食時にはワインの香りもより開きます。それでは、次回もお楽しみに!
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