イタリアワインの魅力と白ワインとのペアリング3選~ソムリエ直伝!家飲みワインの楽しみ方~
イタリアと言えば、歴史的な建築、美食、そして何と言ってもワインですよね!しかし、改めて考えてみるとイタリアワインの魅力とは何でしょうか。
“手頃で親しみやすい” “料理と合わせやすい”と多く語られますが、その理由を深く考えたことがある人は少ないはず。今回はそこを深掘りしながら、イタリアワインの魅力や家飲みが一層楽しくなるペアリングをご紹介!
目次
イタリアワインが人気のワケ
イタリアワインが人気の理由、それはなんと言ってもその「バラエティの豊かさ」でしょう。ファミレスのようなカジュアルなシーンから、”王のワイン”と称されるバローロのような高級ワインまで、実にワインのスタイルは多様です。
また、そんな多彩なバラエティに紐付いて、「食事に合わせやすい」ところも人気の理由の一つでしょう。ワインがその国の食文化とともに発展してきた歴史をみれば分かるように、イタリア各地の様々な食文化あってこその、イタリアワインの多様性なのです。
全20州でワインが造られるその多様性
「イタリアは全20州にてワインが造られている」。この文言に、イタリアのワイン産地としての魅力や特徴が全て集約されていると言っても過言ではないでしょう。
ブーツを思わせる南北に延びた国土は、州ごとに地形・気候の変化に非常に富んでいます。北部〜中部にかけては寒暖差の激しい大陸性気候、南部や地中海沿いでは、年中通して温暖かつ日照量にも恵まれる地中海性気候など、こうした気候の違いがワインの多様性を生み出しています。
また、こうした地理的な要因に加えて、ワイン法の整備が遅れたこともイタリアワインの多様性を形成している大きな要因の一つ。縛りがない分、ワイン造りにおける選択肢が広がり、自由なアプローチを取れたことがイタリアワインの多様性に拍車をかけたこともおさえておきましょう。
イタリアワインの代表品種10選
イタリアワインの非常にユニークなポイントの一つが、その「土着品種の豊富さ」。現在500種以上もの土着品種が確認されていながら、自国を代表するバローロやバルバレスコ、キャンティといったイタリアワインの代名詞的品々は、全てこの土着品種から造られています。
”土着品種=洗練さに欠ける・品質が劣る”という認識や理解はすでに時代遅れだということを古くから証明し続けている産地がイタリアなのです。
赤ワイン用品種では、「サンジョベーゼ」「ネッビオーロ」「プリミティーヴォ」「ネレッロ・マスカレーゼ」「アリアニコ」を筆頭に、白ワインでは、「アルネイス」「ヴェルメンティーノ」「ガルガーネガ」「コルテーゼ」「ピノ・グリージョ」が代表格と言っていいでしょう。
今回は白ワインがメインテーマですので、代表的な白ワイン用ブドウ3種類に絞ってその特徴を詳しく解説していきます。3品種とも味わいのスタイルは類似しており、イタリアらしいフレッシュさと清涼感を備えている魅力的な品種ですので、ぜひこの機会に覚えておきましょう!
「イタリアは全20州にてワインが造られている」。この文言に、イタリアのワイン産地としての魅力や特徴が全て集約されていると言っても過言ではないでしょう。
1. ガルガーネガ
イタリア最古の品種と言われる「ガルガーネガ」。主要産地は、水の都”ヴェネチア”で知られるヴェネト州で、この地から世界的にも有名な白ワイン「ソアーヴェ」を生み出しています。柑橘類やりんご、白い花や塩味のようなミネラル感が特徴で、陰干し製法により甘口ワインにも仕上がるマルチな品種です。
2. ピノ・グリージョ
ピノ・ノワールの突然変異によって生まれた「ピノ・グリージョ」。フランスではピノ・グリの名で親しまれますが、フランスとイタリアでは全く別の味わいに仕上がります。洋梨や白桃、グレープフルーツのアロマが主体となり、スッキリとした飲み心地が特徴。また、北イタリアの人気産地フリウリ州では、上質なオレンジワインも造られています。
3. ヴェルメンティーノ
イタリアのサルディーニャ島や南仏のプロヴァンス地方にて栽培が盛んな「ヴェルメンティーノ」。まさに地中海の風情を感じさせる、レモンやライム、フェンネルなどのハーブ香に、海風を感じさせるミネラル感が特徴です。ソーヴィニョン・ブランに似た味わいですので、好きな方はすぐにハマってしまう品種の一つです。
イタリアの白ワインと合わせる絶品料理3選!
フレッシュな味わいだからこそ、ペアリングもワンパターンになりがちなイタリアの白ワイン。いざ料理と合わせて楽しんでみようかと考えてみたはいいものの、案外カルパッチョやお刺身、フリットのような揚げ物しか思いつかなかったりしますよね…。
そんな皆さんに今回は、ソムリエおすすめのワンランク上のペアリングが楽しめる料理を3つご用意しました。ご自宅やスーパーの既製品でも手軽に用意できますので、ぜひお試しください!
1. イタリア料理の「3P」
私の造語ですが、イタリア料理の3Pといえば、プロシュート、パスタ、そしてピザ!マイルドな塩気が特徴のプロシュートは日本人好みの味わいで、イタリアの白ワイン特有のミネラル感と相性抜群。
そして、パスタとピザではほぼ例外なく、器用に全てマッチしてくれます。とはいえ、よりこだわりたい方は「ジェノベーゼ」「ボンゴレ」「クワトロフォルマッジ」の3つがおすすめ。料理とワインに共通する、塩気、酸、ハーブ感が同調することでイタリアの風を感じること間違いなし!
2. ブイヤベース
南仏、プロヴァンス地方発祥の料理であるブイヤベース。魚介の出汁とトマトの酸味、香味野菜やフェンネルの風味が効いた旨味溢れる一品です。そんなブイヤベースにもイタリアの白ワインは最高の相性を披露してくれるのですが、中でもおすすめなのは「ヴェルメンティーノ」のワイン。
南仏でも栽培されているこの品種は、現地では「ロール」と呼ばれ親しまれており、ブイヤベースとは ”郷土ペアリング” として地元の人々から愛されています。現地人お墨付きのペアリングですので、ぜひお試しください!
3. カレー
“フレッシュなイタリアの白ワインは淡白な魚介料理にしか合わせられない!”正直そう思っていた方も多いのではないでしょうか。しかし実際に合わせてみると、カレーの香辛料やココナッツの甘やかさに、ワインの溌剌とした酸や柑橘類の風味がバランスを取りながら素晴らしい調和を見せてくれます。
また、より完成度の高いペアリングを楽しみたければフィッシュカレーがおすすめ。具材に魚が入ることでほのかな磯の風味が加わり、イタリア特有のハーブ香やミネラル感と見事にマッチしてくれます!
【当店のおすすめ】料理と一緒に楽しみたいイタリアワイン
ワイン専門商社 株式会社フィラディスが直営するFiradis WINE CLUBより、おすすめのイタリアワインをご紹介。
厳選したイタリアワインをご紹介! 北部のピエモンテ州に位置する世界的に人気の高い産地の銘酒”バローロ”、 中部のトスカーナ州を代表する銘酒”ブルネッロ” ”キャンティ”、 南部のカンパーニア州を代表する銘酒”タウラジ”の4つの銘酒をご堪能ください。
ライター紹介:田中 純平 (Junpei Tanaka)
J.S.A認定ソムリエ、ワインエキスパート
J.S.A認定SAKE DIPLOMA
WSET Level3
大学時代のスペイン留学中にワインの魅力に囚われ、帰国後はスペイン語とワインの二足の草鞋を決意。在学中にヴィノスやまざきでインターンを経験し、同年にワイン関連の資格を諸々取得する。卒業後はフリーランスとして独立し、スペイン語レッスンや(株)楽天グループの翻訳担当を経て人気ソムリエが監修を務めるお酒のウェブメディアや西日本新聞社運営の焼酎メディアにて監修ライターを務める。現在は副業にて、ワインD2C会社であるHomewineに携わり、ワインに関する相談にお答えするソムリエコンシェルジュサービスを担当中。
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