ワインボキャブラ天国【第46回】「女性的な」英:feminine 仏:feminine

ワインボキャブラ天国【第46回】「女性的な」英:feminine 仏:feminine

連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!

取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよ?、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!

ということで今回ご紹介する言葉は・・・

「女性的な」
英:feminine
仏:feminine(*最初のeに右上がりアクセント 形容詞:発音は「フェミナン」)

まず、これまで一般的にどんなワインが「女性的」と評されてきたか、は何となくは想像がつきますよね。
しなやかで優美、柔らかでエレガントなスタイルのワインを表現するときに、「このワインは女性的ですね・・・」という形で使われてきました。
対して「男性的なワイン」と表現されるのは、渋みがガッシリと力強く、タイトに引き締まったワイン。
ワインの味わいスタイルを大きく分けるときに、この2つの表現が使用されてきました。

今の世の中でこの表現に説得力が100%あるかと問われれば、正直ちょっと難しいところですよね。
一昔前、前時代的な表現だと捉える方もいるかもしれません。
まあ、男性は総じて力強くガッシリ・・・なんて、そんな時が過去にもあったのかすら怪しいところですが。

Firadisで取り扱っている「ボーデッカー・セラーズ」というワインがあります。
どちらも醸造家、という夫婦が経営しているこのワイナリーは、夫のワイン、妻のワイン、という形で2種類のピノ・ノワール100%ワインをリリースしています。

2人それぞれのワインは、男性的・女性的という言葉をまさに逆説的にいくようなスタイル。
軽やかでピュアな果実味がしなやかに広がる夫のワイン『ピノ・ノワール・スチュアート」と、力強く濃密、ガッシリとしたタンニンと重心を感じさせる妻のワイン『ピノ・ノワール・アシーナ』。
僕はこの2本のワインを飲むといつも、今はこれもひとつの「feminine / masculine」なのだろうな、と感じています。

ワインに対して「女性的」というのは、そのしなやかさや優美さを表現する言葉として定着しています。
この先も「男性的/女性的」が大きく分かりやすい分類として使われ続けるとは思いますが、その表現がポリティカリー・コレクトであり続けるかどうかは微妙なところ。
それよりも、力強い、ストラクチュアがしっかりしている、しなやか、優美・・・
などの表現を丁寧に積み重ねていく方が良いかもしれませんね。

今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!

CTA-IMAGE ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。 これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。 主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。 ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。 是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!
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