生牡蠣×泡、マリアージュ徹底実験 レポート第1回『王道マリアージュのその先へ!』
- 2019.09.02
- なるほどのあるワインコラム
- シャンパーニュ, ジュラ, ステンレスタンク, スパークリングワイン, テイスティング, ペアリング, マリアージュ, 実験, 樽, 熟成, 発酵, 白ワイン, 試飲, 赤ワイン
シャンパーニュ×牡蠣のマリアージュを、徹底追及!!
生牡蠣とシャンパーニュ。
もはやマリアージュの代表格くらいに認知されている組み合わせかと思います。
オイスターバーでも最初に出てくる生牡蠣はシャンパーニュやスパークリングワインで楽しむのが既に定番。
誰もが認める王道のマリアージュ・・・
でも、だからこそフィラディスチームはもっと突き詰めたいと思ったんです。
今回フィラディスが追求したいテーマは・・・
「シャンパーニュやスパークリングワインにも様々な味わいスタイルのものがあるのだから、
泡なら何でもいい、なんていうことはあり得ない!!!」
以前、牡蠣×シャブリ、という少し前の時代に定番だった組み合わせについてお話したことがあります。
同じシャブリ村の白ワインも、ステンレスタンクで造ったクリアですっきりとした柑橘系ワインもあれば、
樽発酵・樽熟成で仕込まれたとても濃厚でパンのようなニュアンスを持ったものもある。
それらが総じて「生牡蠣に合う」なんて大雑把に言ってしまって良いの??という内容でした。
当然、そんなはずはないですよね。泡もそれと同じです。
もう一つ、こちらもとても重要なこと。
牡蠣にだって色々な味わいタイプがあります。
今や牡蠣料理の専門店なら、日本国内北から南、米国、オセアニア、ヨーロッパまで。
(色々と問題もありますが)物流の進歩のおかげで世界中の新鮮な生牡蠣を楽しめる時代。
その味わいもすっきりしたものから非常に濃厚でクリーミーなものまで正に千差万別で、
好きな牡蠣のタイプをお店でリクエストして選ぶほどに、
日本人がオイスターを楽しむ文化は成熟を迎えています。
昨年10月にTASTING SESSION 第8回として東京・銀座のオイスターバー「OSTREA 銀座8丁目店」さんで
マリアージュランチを開催した時には、6種類の産地・味わい違いの生牡蠣を用意し、
それぞれに異なるワインをマリアージュさせていくという試みも実施しました。
その時はシャンパーニュから白ワイン、赤ワインまで含めて様々なペアリングを体験し、
いままで「生臭くなって合わないだろうなあ」と思っていた生牡蠣×赤ワインなどにも
目からウロコのマリアージュが生まれることを発見。
マリアージュの法則性を超えたチャレンジの先にある意外性&面白さ、思い知らされました。
そこで今回は次の試みとして、
所謂王道マリアージュも更に掘り下げてみようよ、ということになった訳です。
さあ、実験の始まりです!
今回の実験、概要は下記の通りです。
●牡蠣は2種類を用意。
・最もスタンダードな、すっきりした味わい系統のもの(長崎県・五島列島産)
バランス良くミネラル感と出汁っぽいコクのあるタイプ。
(ですが実は3月という時期は年間で最も濃厚な時期だそう。)
・ミルキーで濃厚なタイプ(兵庫県・室津産)
ぷっくり丸く身の膨らんだ、実に濃厚な味わいタイプ。
●シャンパーニュは10種類を用意。
・ブラン・ド・ブラン、ブラン・ド・ノワール、複数品種ブレンド。
・ドサージュ(甘味リキュール添加)量3g/L程度のものから、10g越えのものまで
・マロラクティック発酵(乳酸発酵)実施の有無
上記の3条件でバラツキを持たせて選定。
これら全ての組み合わせで、
ブラインド(ワインの銘柄を見ない目隠しの)テイスティングによるマリアージュ試飲。
牡蠣2種類×シャンパーニュ10種類の20セッションを実施する、という流れです。
↑ テイスティングは完全に目隠し状態で実施しました!
各自がそれぞれのマリアージュにつき、
1. 口に入れた時のテクスチュア(食感)は合っているか?
2. 双方のフレーヴァーが合っているか?
3. 5味(塩味、甘味、酸味、苦味、旨味)のバランスは?
を分析しつつ、5段階で採点します。
全員の評点を合計して最も高かったものを『生牡蠣ベストマリアージュシャンパーニュ』として選ぶ、という流れです。
今回は実験の流れの説明までで・・・。
次回はいよいよさっぱり系牡蠣とシャンパーニュ10種類のマリアージュ結果についてご報告します。
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