ワイン職人に聞く、10の質問【第4回】ドメーヌ・フィリップ・ヴァンデル(フランス・ジュラ地方)
- 2019.10.09
- ワイン職人に聞く、10の質問
- クレマン, シャルドネ, シャンパーニュ, ジュラ, スパークリングワイン, スペイン, フランス, マリアージュ, 値段, 哲学, 実験, 樽, 熟成, 生産者, 発酵, 白ワイン, 職人, 貴腐ワイン, 赤ワイン, 香り
≪ひとりのワイン職人の頭の中を覗く一問一答インタヴュー!≫
『ワイン職人に聞く、10の質問』
第4回 ドメーヌ・フィリップ・ヴァンデル(フランス・ジュラ地方) / フィリップ・ヴァンデルさん
世界で最も個性的なワインの一つ「ヴァン・
まだまだ未体験の方が多そうな「ヴァン・ジョーヌ」。
そんな独特なワインを造る生産者は、やっぱりクセが強い・・・
『ワイン職人に聞く、10の質問』第4回目は、
ジュラ地方の土着品種「サヴァニャン」種を使用した『ヴァン・
決して、いや全く万人受けするワインではありませんが・・・ その独特の風味に取りつかれたらもう病みつき、 かなり中毒性の高い(悪い意味ではありません)
これまではかなりマニアックな位置づけでしたが 最近はすっかり“チーズと最も良く合うワイン”として大注目。
癖のある独特な風味に一度慣れてしまえば、
そのかなりユニークなワインを造っているのはどんな人物なのか・
出来るだけ補足的な訳は入れませんでしたので、 回答内容に見える実直な職人的「味」
Q1:ワイン造りを一生の仕事にしよう、
⇒あまり面白い答えじゃなくて申し訳ないのだけど・・・
ファミリーの伝統だからそれを受け継いだ、としか言えないな。
Q2:これまでワインを造ってきて、一番嬉しかった瞬間は?
⇒毎年、
友達や家族との幸福な時間に僕のワインがあることを想像するのが
Q3:その反対に、一番辛いときは?
⇒今でも日付まではっきりと覚えている、
自分の畑全てが雪で覆われてしまい、
Q4:ワイン造りで最も「決め手になる」のは、
⇒自分にとっては「Sous Voile(スー・ヴォワル)」だ。
酵母の膜の下でワインを長期的に熟成させるプロセスのことだが、 これによってジュラの、そして自分のワイン独特のキャラクターとクオリティが造られる。
Q5:あなたにとっての「理想のワイン」とは?
⇒香りや味わい要素の多様性が「リッチさ・豊かさ」としてまとまっているワイン。
世界中に、そんな素晴らしいワインが沢山あると思う。
Q6:今までに飲んだ中で最高のワインを1本だけ選ぶとしたら?
⇒ハンガリーのトカイ(貴腐ワイン)かな。
理由?好きな味だから・・・としか言えないんだけど。
Q7:自分のワインと料理、
⇒シンプルだけど「オマール海老の料理とヴァン・ジョーヌ」。
Q8:もしあなたが他の国・地域でワインを造れるとしたら、
⇒どこも興味ないな・・・
何故って、僕は今この場所で、スパークリングワインも、
Q9:あなたの「ワイン造り哲学」を、一言で表現してください。
⇒「忍耐」の一言
ジュラでは、ヴァン・ド・パイユで3年、ヴァン・
Q10:最後に・・・日本にいるあなたのワインのファンに、
⇒是非一度、ヴァン・ジョーヌで乾杯して欲しいな。「
今週の『ワイン職人に聞く、10の質問』如何でしたか??
彼の回答に僕が最も意外と感じたのは「ジュラ以外の産地はどこにも興味がない」というところ。
様々なスタイルのワインを造れる場所にいるだけに、 色々他の土地でも試したいことがあるだろうな・・・と思っていたら、 やはりその土地の、そのワインを突き詰めたい、という気持ちの方が強いんですね。
まだまだ、僕程度ではワイン職人の心の深層は掴めないようです。
それでは彼が造ったワインを紹介しましょう。このワイン職人が情
≪『ヴァン・ジョーヌ=黄ワイン』、ワイン本でしか見たことの無かった方はご体験を・・・≫
『ドメーヌ・フィリップ・ヴァンデル ヴァン・ジョーヌ・レトワール』
(フランス / ジュラ地方レトワール産 黄ワイン
ブドウ品種:サヴァニャン種100% 熟成:バリック75か月熟成)
さて、この『ヴァン・ジョーヌ(黄ワイン)』について簡単にご説
まず原料・製法的には白ワインとほぼ同じものです。
「サヴァニャン」種というジュラ地方特有の土着ブドウを使用してはいますが、このブドウ自体は普通の白ワインにも使う品種。
ではなぜ「黄ワイン」なのかというと、名前通り色が非常に濃く、黄色っぽいからです。
このワインは、ブドウ果汁を樽の中で発酵させた後、残った「酵母の膜」を除去せず、そのまま酵母に漬けた状態で樽熟成を行います。
長期的な樽熟成は徐々にワインが目減りしていくため、樽内の空寸が増えて空気が多く入り、酸化しやすい状態になっています。
通常はここで他の樽から同じワインを注ぎ足して酸化を防ぐ「
この香りと旨味はスペインのシェリーとも共通するもので、
そしてこの地方のワインの最大の魅力は、
以前フィラディスでは「チーズとワインのマリアージュ実験」を実施しましたが、とにかくありとあらゆるチーズにサヴァニャンが最高の相性でした。
この独特の香味が、白カビ・青カビ・ウオッシュ・ハード・・・全てのチーズと本当においしく寄り添います。
ちなみに、フランスを代表するハードチーズ『コンテチーズ』は、ジュラ地方産。
勿論、コンテ×サヴァニャンの相性は、言わずもがなの最強です!
フィラディスのレストランチームは今、ヴァン・
近い将来、レストランのディナー最後にはヴァン・
≪こちらは『ヴァン・ジョーヌ』よりクセは控えめ。ハードチーズに、想像を超えるほど合うワインです!!≫
『ドメーヌ・フィリップ・ヴァンデル サヴァニャン 』
(フランス / ジュラ地方レトワール産 白ワイン
ブドウ品種:サヴァニャン種100% 熟成:バリック36か月熟成)
≪ジュラは、シャルドネも実に個性的!旨味と深み溢れる、芳醇テイストです。≫
『ドメーヌ・フィリップ・ヴァンデル シャルドネ・トラディション』
(フランス / ジュラ地方レトワール産 白ワイン
ブドウ品種:シャルドネ種100% 熟成:バリック18か月熟成)
≪フランス・ジュラ地方産、2,000円台で買えるとっておきのシャルドネ100%ブラン・ド・ブラン!≫
『ドメーヌ・フィリップ・ヴァンデル クレマン・デュ・ジュラ』
蜜リンゴをかじった時のようなフレッシュ感に始まり、 骨太なミネラルと芳醇な熟成感で締めくくられていくリッチな飲み
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