ワイン職人に聞く、10の質問【第71回】デリアンス(フランス・ブルゴーニュ地方）

≪ひとりのワイン職人の頭の中を覗く一問一答インタヴュー！≫
『ワイン職人に聞く、10の質問』 第71回
デリアンス(フランス・ブルゴーニュ地方）醸造家　リオネル・デリアンスさん（写真左から2人目）

連載コラムシリーズ『ワイン職人に聞く、10の質問』、第71回はフランス ブルゴーニュ地方のスパークリングワイン生産者『ドメーヌ・デリアンス』が登場です。

クレマン・ド・ブルゴーニュは大手メーカーが工業的に大量生産する商品が圧倒的なシェアを占める中で高品質なクレマンの生産にフォーカスする造り手が現れてきています。
その代表格がまさに今日登場する『デリアンス』。

実際に彼らのスパークリングをブラインドで試飲したデカンター誌記者が「おそらくあなたはシャンパーニュではないかと困惑するだろう。純粋に素晴らしい、エクセレントなワイン！」と大絶賛のコメントを出したほど。
ここから世界中でグイグイ注目が高まっていくはずの若き醸造家、リオネル・デリアンスさんのインタヴューを早速始めましょう！

Q1:ワイン造りを一生の仕事にしよう、と決意したきっかけは何ですか？
⇒僕は生まれてからずっとワインの世界で溺れていたようなものだからね　笑
両親がワイン造りを仕事にしていたから、そのままこの仕事を受け継ぐことが出来た。
今になってみて、本当に幸福な生まれだったと思うな。

Q2:これまでワインを造ってきて、一番嬉しかった瞬間は？
⇒僕たちの造ったワインを飲んだ人が、口々に「おいしい！」「おいしい！」と称賛してくれる時！！

Q3:その反対に、一番辛い（辛かった）ときは？
⇒ちょうど今年（2020年）が今までで一番辛い年だった。
気候が狂ったように変わるから、それに対して行動を起こし続けることが大変だった。
それだけ頑張っても良いブドウ・良いワインが造れるかどうかは保証されないのだからね・・・
ワイン造りは難しいよ！

Q4:ワイン造りで最も「決め手になる」のは、どの工程だと思いますか？
⇒畑仕事から瓶詰めの終わりまで全てが大切な1ステップだけど、そのすべての工程において緻密に細部まで考え抜くことじゃないかな。
ひたすら考え続けられること、こそが毎年のワイン造りに求められる資質だと思う。

Q5:あなたにとっての「理想のワイン」とは？
⇒全てが完璧な「理想のワイン」なんてこの世界には存在しないんじゃないかな・・・
結局のところ、自分が大好きな人や大切な人と1本のワインを一緒に分け合っていれば、それがその人にとっての理想のワインなんだと思う。

Q6:今までに飲んだ中で最高のワインを1本だけ選ぶとしたら？
⇒世界の様々な産地のワインを沢山飲んできたから、残念ながら1本だけを選ぶことは出来ないよ！
1日の仕事を為し終えて、その後の時間で新たなワインと出会い、テイスティングし、発見する。
そこに日々の大きな喜びがあるんだ。

Q7:自分のワインと料理、これまでに一番マリアージュしたと思った組み合わせを教えてください。
⇒フランス産のチーズなら何でも相性抜群だと思うよ！
僕たちのクレマンと、色々なチーズを合わせてみて欲しい。

Q8:もしあなたが他の国・地域でワインを造れるとしたら、どこで造ってみたいですか？
⇒今いるこの場所以上に素晴らしいところがあるとは思わないな。
それでもどうしてもどこかを選なくちゃダメだと言われたら、ハンガリーでトカイワインを造ってみたい、と答えるかもね。

Q9:あなたの「ワイン造り哲学」を、一言で表現してください。
⇒ワインは「自然が与えてくれるもの×僕たちの日々の仕事」。
自分たちが大好きと思えるワインを造れば、きっとたくさんの人たちも大好きだと言ってくれるはず！

Q10:最後に・・・日本にいるあなたのワインのファンに、メッセージを！
⇒ワインはとにかく気楽に楽しむこと！
自分の大好きな人と一緒に楽しめば、それが世界一おいしいワインになるんだ。
僕たちのワインで、楽しい時間を過ごしてください！

・・・リオネル・デリアンスさんへの一問一答インタヴューは、以上です。
今回のインタヴュー内容、如何でしたか？？

届いた回答を訳していて一番に思ったのは「若者らしい回答だなあ」ということでした　笑
考え方の軽やかさ、柔軟性が伝わってくる答えばかりだったと思います。

今、彼らは自分たちの目指す、造りたいワインに到達するためにひたすら試行錯誤を繰り返していて、それを心から楽しんでいるのだろうな、ということが伝わってきます。
送って戴いた生産者の近影は、全て4人が一緒の写真。
このチームで一人の造り手なんだ、という強い信念を感じます。

ここからスターダムにのし上がっていくことは間違いのない注目ドメーヌのクレマンが2,000円台。
シャンパーニュを買うお金で2本変えてしまうのですから、試さない手はありません。
Firadisが青田買い（失礼な言い方ですが）した若き新鋭、是非今のうちにお試しを！！！

『ドメーヌ・デリアンス・ペール・エ・フィス　クレマン・ド・ブルゴーニュ ブラン・ド・ブラン・ブリュット・レゼルヴ N.V.』