ワイン職人に聞く、10の質問【第33回】ヴァグナー・シュテンペル (ドイツ・ラインヘッセン地方)

ワイン職人に聞く、10の質問【第33回】ヴァグナー・シュテンペル (ドイツ・ラインヘッセン地方)

≪ひとりのワイン職人の頭の中を覗く一問一答インタヴュー!≫
『ワイン職人に聞く、10の質問』
第33回 ヴァグナー・シュテンペル(ドイツ・ラインヘッセン地方)オーナー・醸造家 ダニエル・シュテンペルさん

『ワイン職人に聞く、10の質問』今週話を聞いた生産者はドイツ・ラインヘッセン地方『ヴァグナー・シュテンペル』のオーナーであり醸造家のダニエルさん。実に「ハーフパンツで笑顔」が似合う人ですね 笑!!

2年前、はじめて彼のリースリングを飲んだ時の嬉しい衝撃を僕は今でも忘れられません。ドイツ・リースリングの典型的イメージを確実に裏切る、とにかく切れのある鮮烈な酸。柑橘系で爽やか、スピード感のある酸味が口の中に風を吹き込んだかと思うと、そこから始まるリッチな完熟フルーツの贅沢な味が驚くほど長く続いていきます。密度の濃い果実味、でも決して一つの味に飽きさせない波状攻撃的な面白さを持ったワインでした。

2,000円台前半のドイツ・リースリングで、これほどの充実感を憶えたのは僕の人生でも初めて。このワインで僕は、20年ぶりくらいでもう一度ドイツワインの魅力に取りつかれた気がします。そして、そのワインの造り手がどんなワイン造り哲学を持っているのか、ずっと興味がありました。

それでは今週もメルマガ誌上一問一答インタヴュー、始めましょう!

Q1:ワイン造りを一生の仕事にしよう、と決意したきっかけは何ですか?
⇒様々な運命の歯車が噛み合ったから、だ。
元々僕の家は穀物農家で広い畑を持っていたので、将来は自分も農業をやるのだろう・・・とは思っていたけど、ブドウ栽培のことは考えたことが無かったんだ。

1980年代になると世界各地でドイツワインの人気が落ち、市場が冷え込んでしまっていた。そして残念なことに、数々の優良なブドウ畑が打ち捨てられるように売りに出てしまっていたんだ。僕はそこで、この素晴らしい畑をもう一度目覚めさせてあげたい・・・と思った。そして、畑を買い取ってワイン造りを始めたんだ。

Q2:これまでワインを造ってきて、一番嬉しかった瞬間は?
⇒嬉しい・・というか、幸せに感じる瞬間は沢山あるよ。
例えば冬のとても静かな朝にブドウ樹の剪定作業をしていて、少し手を止めて丘からの風景を眺める時。春、新しい苗木を植えている時に香ってくる新鮮な香り。収穫の時、太陽に照らされて美しく輝くブドウ畑の風景を眺めたとき・・・様々な季節に、畑の中で幸福な瞬間を迎えているんだ。

Q3:その反対に、一番辛い(辛かった)ときは?
⇒嵐に見舞われることだよ、万歳 笑!!

Q4:ワイン造りで最も「決め手になる」のは、どの工程だと思いますか?
⇒ブドウを育て、収穫するまでの過程全て、だ。
冬の剪定作業に始まり、収穫という大きな大団円を迎えるまでの間は、たくさんの細かな選択と作業の積み重ね。その一つ一つが全て結果に結びついていくんだよ。果実を収穫して蔵に運んでから仕込む作業は、ワインになるまでブドウの状態を維持していくことに過ぎないんだ

Q5:あなたにとっての「理想のワイン」とは?
⇒造られた土地のテロワールが透けて見えるようなワイン。
ブドウが育った土地の文化、その年の天気、関わった人たちの努力・・・そんな物語が見えるワインが、理想だと思う。

Q6:今までに飲んだ中で最高のワインを1本だけ選ぶとしたら?
⇒申し訳ないのだけどそれは選べない・・・偉大なワインが、多過ぎてね!

Q7:自分のワインと料理、これまでに一番マリアージュしたと思った組み合わせを教えてください。
⇒僕のリースリングには、新鮮な魚介類を炭火で軽く炙っただけの料理が抜群に合うと思うんだ。
ほんの少しの塩以外、余計な味付けは何も加えないことが大切だよ。食材が新鮮な状態で手に入りやすい現代は、こういう素材の純粋さを生かした料理こそが高品質な料理だと思う。僕のワインと新鮮素材の素晴らしいコンビネーションを、是非楽しんで欲しい。

Q8:もしあなたが他の国・地域でワインを造れるとしたら、どこで造ってみたいですか?
⇒チリの南部でワインを造ってみたいな。
僕が今ワイン造りをしているところの真裏である、南米大陸のブドウ栽培の南限でね 笑

Q9:あなたの「ワイン造り哲学」を、一言で表現してください。
⇒「ワイン造り」や「ブドウ栽培」という言葉にすると、ちょっと狭義になり過ぎてしまうね。
自然が僕たちに与えてくれるものを、良いブドウそして良いワインの形にしてボトルに封じ込める、それが全てだよ。

Q10:最後に・・・日本にいるあなたのワインのファンに、メッセージを!
⇒ラインヘッセンのリースリングを楽しんで!
僕からのメッセージが、ボトルの中に込められているから!

ダニエル・シュテンペルさんのインタヴューは以上です。今週の『ワイン職人に聞く、10の質問』如何でしたか??ワイン造りを携わったきかっけには、実に驚かされました・・・。

シンプルな和食、昆布・鰹出汁の旨みにも丁寧に寄り添う、気品あるリースリング。彼のワインは、僕たち日本人の味覚の琴線に繊細に弾いてきます。とはいえ彼のワインの素晴らしさはなかなか言葉では伝わらないかもしれません。

でも、とにかく一度飲んで戴ければすぐに「ああ、こういうことか!」と分かるはず。まずはいちばんスタンダードなこちらのリースリングから、是非ともお試しください。が、おいしさ絶対保証でお勧めいたします!!

≪鮮烈で切れのある柑橘系酸⇒リッチな果実味への変化が素晴らしい、傑作リースリング!≫
『ヴァグナー・シュテンペル リースリング トロッケングーツヴァイン』
・ドイツ ラインヘッセン産 白ワイン
・ブドウ品種:リースリング100%
・熟成:ステンレスタンク&ジャーマンオークの大樽)

ヴァグナー・シュテンペル リースリング トロッケン  自宅でもっとおいしく楽しむには・・?】

≪テイスティングコメント≫
実に涼やか、クールな印象からスタートするリースリングです。フレッシュな林檎、洋梨ではなく日本の「梨」そして時間が経つごとに甘いハチミツの香りが。酸は非常に穏やかで果実味が十分にあり、軽やかながらしっかりと芯の通った印象のあるリースリングでした。アフターは非常に長く、どしっと重心を感じさせながら残っていく感じです。料理との相性ですが、僕は今回魚のフライ、そして蕪のピクルスと合わせてみました。どちらもとても良く合いましたよ!揚げたてのアジフライにソース×このワイン・・・日本人で良かった、と思うはず!!

≪抜栓時間≫
開けてすぐから楽しめますので、事前抜栓はほぼ不要です。勿論時間経過毎に果実味が増していきハチミツ的な豊かさが出てくるので、最初から全開の状態で楽しみたければ30分くらい前に開けておくと良いかもしれません。

≪温度設定≫
これはもう、本当に良く冷やしてお楽しみください。温度が上がると甘みが強調されて柔らかさが出ますが、リースリングらしい綺麗さ、端正な輪郭を楽しんで戴きたいので!

≪ワイングラスのチョイス≫
出来るだけ小ぶりのボルドー型・リースリング型など(卵型系の)グラスがおススメです。大ぶりの例えばブルゴーニュ型グラスなどを使うと、リースリング特有の「ぺトロール香」が際立ってしまう印象がありました。小ぶりのグラスにすると、柑橘類や林檎の香りとリースリングの個性が正しく配置される印象です。味わいも、小ぶりのグラスの中では非常に良くまとまり、集中度が高まりました。その端正さが存分に発揮されるグラスで、お楽しみください!

 

≪リースリングと併せて飲み比べて欲しい、ハイクオリティなシルヴァーナー!!≫
熟したリンゴや洋ナシに加え干し草やスイートコーンなどの要素が感じられるアロマ。液体にはツヤ感と弾力感の双方があり、とてもジューシー!!

『ヴァグナー・シュテンペル シルヴァーナートロッケン グーツヴァイン』
・ドイツ ラインヘッセン産 白ワイン
・ブドウ品種:シルヴァーナー100%
・熟成:ステンレスタンク&ジャーマンオークの大樽

 

≪ドイツワインを知るなら外せない品種、ヴァイスブルグンダー。熟したボリューム感がたまらない1本です。≫
熟した梨やリンゴ、マルメロの実にブリオッシュやレモンのヒントもあるアロマ。ミディアムボディの辛口白ワインで、力強い果実味と活き活きとした酸、ミネラルを持つ1本です。
『ヴァグナー・シュテンペル ヴァイスブルグンダートロッケン グーツヴァイン』
・ドイツ ラインヘッセン産 白ワイン
・ブドウ品種:ヴァイスブルグンダー100%
・熟成:ステンレスタンク&ジャーマンオークの大樽

 

≪リースリング上級品!≫
所有する最高の畑であるGGのヘルベルクとへーアクレッツの若木のブドウ(樹齢5-29年)を使用。この価格帯では間違いなくドイツ最高の辛口リースリングの一つ。

『ヴァグナー・シュテンペル ジーファースハイムリースリング ポルフィル』
・ドイツ ラインヘッセン産 白ワイン
・ブドウ品種:リースリング100%
・熟成:ステンレスタンク&ジャーマンオークの大樽

≪リースリング上級品!≫

所有する最高の畑であるGGのヘルベルクとへーアクレッツの若木のブドウ(樹齢5-29年)を使用。この価格帯では間違いなくドイツ最高の辛口リースリングの一つ。

『ヴァグナー・シュテンペル ジーファースハイムヴァイスブルグンダー』
・ドイツ ラインヘッセン産 白ワイン
・ブドウ品種: ヴァイスブルグンダー100%
・熟成:大樽(600L)8ヶ月

 

CTA-IMAGE ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。 これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。 主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。 ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。 是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!
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