あ、せかんどおぴにおん 第20回「エティエンヌ・ルフェーヴル ブリュット・ロゼ N.V.」
『あ、せかんどおぴにおん』第20回
「エティエンヌ・ルフェーヴル ブリュット・ロゼ N.V.」
目次
このコラムについて(ここは毎回同じことが書いてあります。)
あなたが五感で捉える感覚と他人が感じる感覚は同じとは限りません。もしかすると、同じ言葉で表現される感覚でも人によって感じている実際の感覚は異なるのかもしれません。逆にたとえ同じ感覚を得ていたとしても、人によって別の言葉で表現することはよくあることです。
疑心暗鬼になりながらも、”自分はどう感じるか”、ワインをテイスティングする際の実際の感覚に最も適した言葉を必死に探す。相手にわかってもらえるようにワインの状態や魅力を伝えることが目的だとしても、どうしてもその人の個性が出てしまう。それもまた、ワインテイスティングの醍醐味であると思います。
このコラムは現在夜メルマガと『ワインと美術』のコラムを担当させていただいている、Firadis WINE CLUBの新人、篠原が当店のワインを飲み尽くしていくコラムです。
しかしただテイスティングをしていくだけでは面白くありません。そこで、すでにページに掲載されている店長による商品説明やテイスティングコメントを引用しながら、自分ならどう思うか。もう一つの意見を記していきます。当然店長に同意する場合も多いでしょうし、異議を申し立てることもあるでしょう。(あまりにも異議を申し立てるとFiradis WINE CLUBの信頼が揺らぎそうですが。。)また同じことを感じていたとしても、稚拙ながら別の表現で述べる場合もあります。そして時には商品ページの内容について、店長に質問することもあるかもしれません。
このコラムを読んでいただく物好きな方には、ぜひ同じワインを手元に置きながら、”自分はどう感じるか”を一緒に探ってほしいと思います。タイトルに「あ、」と不定冠詞「a」を付けたのはあくまで一つの意見にすぎないということです。皆様の意見についてはもしよろしければ、商品詳細ページのレビューにぜひご投稿ください。
それでは早速商品ページを見ていきましょう!
20回目にとりあげるのは、「エティエンヌ・ルフェーヴル ブリュット・ロゼ N.V.」です。
以前にも取り扱ったエティエンヌ・ルフェーヴル
実は以前にもこのコラムでエティエンヌ・ルフェーヴルを取り扱ったことがありました。
この時はブラン・ド・ノワール=ピノ・ノワール100%のシャンパーニュを取り扱いました。
今回はこの同じ生産者のロゼシャンパーニュです。そこで簡単にエティエンヌ・ルフェーヴルについておさらいしておきましょう。
シャンパーニュの中でも北部、優れたピノ・ノワールが栽培される北部のモンターニュ・ド・ランス地方。この地方のグラン・クリュの村、という明らかに優れたピノ・ノワールを生み出しそうな場所に畑を持つのがエティエンヌ・ルフェーヴルでした。そしていわゆるRM(レコルタン・マニピュラン)という自社の畑のブドウを使ってシャンパーニュを造る生産者でもあるということで、自身の優れたブドウについて最も詳しい栽培者自身が造るシャンパーニュ、ということで品質の高さにも合点がいくものです。
今回はエティエンヌ・ルフェーヴルの、これからの春の季節にピッタリのロゼ・シャンパーニュをテイスティングします。
ロゼ・シャンパーニュ
この見事な美しさ。これがロゼ・シャンパーニュの大きな魅力です。
今回のロゼ・シャンパーニュはいわゆるブレンド法という方法で造られています。非常に単純明快で、通常の赤ワインをブレンドすることで色合いをロゼにしています。このブレンド法はスティルワイン(=非発泡性のワイン)の場合は多くの国で禁止されているのですが、スパークリングワインは認められていることが多いです。
もう少し詳しく説明をすると、シャンパーニュは瓶内で二次発酵をさせることでスパークリングへと変わるわけですが、その前の段階、アッサンブラージュ(調合)と呼ばれる段階で別々に造ったスティルワインを調合しています。この時に白ワイン(白ブドウからだけでなく黒ブドウから造られたものも含む。今回もピノ・ノワール100%なので黒ブドウですね)に少量の赤ワインを添加してロゼ色にしているのです。
その他、ロゼワインの造り方については様々ありますので下記を参照ください。
あとは人気の比較試飲チャレンジで、このシャンパーニュを含む二つの製法(ブレンド法とセニエ法)のシャンパーニュ飲み比べの詳しい説明をしております。もし少しでも興味をもあった方はぜひこちらもご検討いただければ幸いです。(宣伝です)
改めて今回はブレンド法のロゼ・シャンパーニュ、ということを踏まえていよいよテイスティングです。
いよいよテイスティング
≪こんな香り・味わいのワインです≫:
ラズベリー、クランベリー、サンザシ、苺、そしてチェリー・・・ありとあらゆる赤い果物をミックスしたスイーツを思い浮かべてみてください。まさにそんな感じの香り・味わいが素直に分かりやすく展開します。
ほのかなタンニンまでを感じさせる芯の太い造りに、果実の甘さとフレッシュ感満点の酸。抜栓から10分も経たない開けたての段階で既に果実味は全開で、そこから印象が変わらずにずっと楽しめます。しっかりと冷やしておきさえすれば、合わせていく料理は正直何でも大丈夫。僕は甘く熟したフルーツトマトを冷たく冷やしたものをスライスして塩を少々、それだけで十分においしくペアリングしました。肉、魚、野菜、スイーツ、何でも受け入れる包容力のあるロゼ・シャンパーニュ!
それではいよいよテイスティングです。店長のテイスティングコメントはこんな感じでした。
私はこのシャンパーニュは明るい爽快感と最後の絶妙なタンニンへの終着がたまらないと思いました。
まずはこのシャンパーニュはやはり見た目です。とにかく美しく心を躍らせる色合い。これが食卓にあるだけで高揚感、特別感がもたらされます。香りはイチゴ、フランベリー、アセロラなど、店長がいうように赤系果実の魅力全開です。もちろんシャンパーニュなので割といい値段のする商品ですが、とても親しみのある香りでワインがあまり得意ではない方でも食欲をそそるほどだと思います。味わいは非常にフレッシュ。香りから感じた明るく爽やかな果実と酸が良いです。泡もとてもきめ細かく強いです。ここにシャンパーニュらしい熟成の深みが重なって、重厚感も感じられます。何より赤ワインのようなタンニン。これがいわゆるロゼの魅力でもある料理との相性の高さを実現します。ロゼシャンパーニュというのはシャンパーニュの中でも特殊なもの、というイメージがあるかと思いますが、むしろ料理との汎用性は高く使い勝手はとても良いです。親しみやすい見た目と、素晴らしい産地で育ったピノだからこその重厚な、でもあくまでフレッシュな味わい。お祝い事に、特にこれからの季節には欠かせない1本であるのは間違いありません。
以上。皆さんも是非お試しいただければ幸いにございます。
宜しければ下記の記事も是非ご覧ください。
Firadis WINE CLUBの新人、篠原がお送りいたしました。
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