あ、せかんどおぴにおん 第35回「ドメーヌ・マンシャン(ラ・トゥール・サン・マルタン) メヌトゥ・サロン・ブラン モローグ」
『あ、せかんどおぴにおん』第35回
「ドメーヌ・マンシャン(ラ・トゥール・サン・マルタン) メヌトゥ・サロン・ブラン モローグ」
目次
このコラムについて(ここは毎回同じことが書いてあります。)
あなたが五感で捉える感覚と他人が感じる感覚は同じとは限りません。もしかすると、同じ言葉で表現される感覚でも人によって感じている実際の感覚は異なるのかもしれません。逆にたとえ同じ感覚を得ていたとしても、人によって別の言葉で表現することはよくあることです。
疑心暗鬼になりながらも、”自分はどう感じるか”、ワインをテイスティングする際の実際の感覚に最も適した言葉を必死に探す。相手にわかってもらえるようにワインの状態や魅力を伝えることが目的だとしても、どうしてもその人の個性が出てしまう。それもまた、ワインテイスティングの醍醐味であると思います。
このコラムは現在夜メルマガと『ワインと美術』のコラムを担当させていただいている、20代のFiradis WINE CLUBのスタッフ、篠原が当店のワインを飲み尽くしていくコラムです。
しかしただテイスティングをしていくだけでは面白くありません。そこで、すでにページに掲載されている店長による商品説明やテイスティングコメントを引用しながら、自分ならどう思うか。もう一つの意見を記していきます。当然店長に同意する場合も多いでしょうし、異議を申し立てることもあるでしょう。(あまりにも異議を申し立てるとFiradis WINE CLUBの信頼が揺らぎそうですが。。)また同じことを感じていたとしても、稚拙ながら別の表現で述べる場合もあります。そして時には商品ページの内容について、店長に質問することもあるかもしれません。
このコラムを読んでいただく物好きな方には、ぜひ同じワインを手元に置きながら、”自分はどう感じるか”を一緒に探ってほしいと思います。タイトルに「あ、」と不定冠詞「a」を付けたのはあくまで一つの意見にすぎないということです。皆様の意見についてはもしよろしければ、商品詳細ページのレビューにぜひご投稿ください。
それでは早速商品ページを見ていきましょう!
35回目にとりあげるのは、フランス・ロワール地方の白ワイン。「ドメーヌ・マンシャン(ラ・トゥール・サン・マルタン) メヌトゥ・サロン・ブラン モローグ」です。
ロワールのソーヴィニヨン・ブラン
今日のワインは、ロワールのソーヴィニヨン・ブラン100%の白ワインです。フィラディスワインクラブにはロワール特集があります。なので、ロワールについてはこちらをみていただければバッチリです。
フランス北部の冷涼なワイン産地。冷涼産地ならではの爽やかな香りや繊細でエレガントな味わいは、素材を活かした繊細な味付けの料理と相性が良いです。
その中でもソーヴィニヨン・ブランは日本料理との相性がとにかく抜群。フィラディスでもお寿司屋さんからの圧倒的な支持を得ていたり、天ぷら屋さんに気に入っていただいていたり。白身魚のお刺身や牡蠣、魚のグリルなどの素材を生かしたシンプルな料理と併せると、その能力を存分に発揮します。
和食に合うワインというのは永遠の課題ですが、ソーヴィニヨン・ブランは一つの答えなのです。
メヌトゥ・サロン
今回はさらに踏み込んで、その中でもこのメヌトゥ・サロンはどういう立ち位置なのかという話を。フィラディスワインクラブにはロワールのソーヴィニヨン・ブランがいくつかあります。もちろん色々試していただいてお気に入りを見つけていただければ良いのですが、メヌトゥ・サロンはその中でも独特な立ち位置なのです。
まずロワールのソーヴィニヨン・ブランの銘醸地とされる、サンセールという産地があるのですが、その西隣にメヌトゥ・サロンはあります。サンセールが有名な産地としてまあまあいい値段がするのに対して、メヌトゥ・サロンは知名度が低く、産地の特性も似ているので狙い目の産地であるという点があります。
その上でこのドメーヌ・マンシャンのメヌトゥ・サロンは粘土質の土壌で、より厚みのあるボリューミーな白ワインになる傾向があります。逆に同じ生産者のヴァランセというワインは砂質の土壌でより軽やかなワインになり傾向があります。こういう土壌による使い分けもできるわけです。
これらを踏まえた上で、さっそくテイスティングです。
テイスティング
サンセールやヴァランセのソーヴィ二ヨン・ブランが、グレープフルーツやライムなど黄色や緑色の柑橘類をイメージさせるワインだとすると、『メヌトゥ・サロン』はそこにエキゾチック&南国的なテイストが加わったスタイルとでも言えば良いでしょうか。例えば、パッションフルーツのような爽やかで甘酸っぱいフルーツのイメージです。
店長のコメントはこんな感じです。
私が感じたのは、とにかくリッチでさわやか、な印象です。
まず香りは柑橘シトラス系に店長が書いている通り南国的なテイスト、さらにいわゆる火打石などのような香りも含めて、リッチで複雑な香りを感じました。そして何より味わいがリッチなのです。酸はキレキレでありつつもたっぷりとした果実感が長い余韻をもたらし、最後までとても良いバランスで続きます。
レビューである方が書いていらっしゃいますが、「チープなソーヴィニヨン・ブランとは異なる奥深さ」があります。実際値段も意外としっかりしているのですが、、だからこそロワールの爽やかな、繊細なワインが飲みたい。そして絶対にハズしたくないという時に、安心して楽しんでいただけるワインだと思います。たとえ普段使いはしなかったとしても、一本ストックしておけば安心するワインです。
和食に合う、と推していましたが、西岡パパのペアリング奮闘記では意外にもカレーと合わせています。こちらもよろしければご参照ください。ここまでお読みいただきありがとうございました。
ワインペアリング奮闘記 第159回 カレーと白ワインのペアリング / ラ・トゥール・サン・マルタン メヌトゥ・サロン・ブラン モローグ
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