ワインペアリング奮闘記 第137回 肉豆腐と赤ワイン / シャトー・スオウ カディヤック・コート・ド・ボルドー 2015年
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『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第137回
肉豆腐と赤ワイン
今回のペアリング課題は『シャトー・スオウ カディヤック・コート・ド・ボルドー 2015年』です。フランス・ボルドー、コート地区の赤ワインです。品種はメルロ70%、カベルネ・ソーヴィニヨン20%、 カベルネ・フラン 10% 、 こちらのキュベは2010年を以前取り上げていますが、その時よりもメルロ比率が上がっているのと、ラベル前面にオーガニック認証マークが入りました!
テイスティング
グラスに注ぐと色調は黒みを帯びたガーネット。
香りは熟したブルーベリー、ドライプルーン、ミント、シナモン、杉。やや涼やかな印象です。
口に含むとアタックはまず爽やかさな酸味を感じました。ボリューム感は中程度。果実の熟度は十分な印象です。
タンニンはシルキーでよく溶け込んでいます。
ミドルからは鉄っぽいミネラルのニュアンス、熟成に由来するじんわりとした甘味、茶系スパイスやドライハーブのフレーヴァを感じました。
アフターは軽い苦味を伴い、ほっこりとした腐葉土のようなニュアンスがあります。
全体的に落ち着きがあり穏やかな印象の中に、じんわりとした甘味や旨味、熟成による複雑味のある赤ワインです。
2010年の方は、熟成感の中にもより果実味とタンニンの強さがありましたが、2015年はバランスと調和をより感じます。
どちらもワイン歴の長い方が「これ良いね」なんて言ってくれそうな大人っぽいワイン、という部分で共通していますね。
合わせる料理『肉豆腐』
ミドル以降の熟成由来の甘みや旨味、そして角の取れた印象から、薄切り肉を使った和食が良いかなと思いました。焼物か煮物でいうと、煮物が合いそうな赤ワインです。
レシピ
日本酒、みりんを煮切って砂糖、醤油、出し汁を加えます。
ここに牛薄切り肉を加え、色が変わる程度に煮たら一旦取り出します。
灰汁を取り除き、長ねぎ、玉ねぎ、しらたき、焼き豆腐、キノコを加え、落とし蓋をして15分ほど煮込みます。
肉を戻し入れ、春菊を加えて2分ほど温めれば出来上がりです。
ペアリングレポート
【総合評価】 星5つ:★★★★★
【評価ポイント】
○豆腐と肉の柔らかさに対して、ワインのシルキーなタンニンや落ち着いた果実味のバランスが程良い
○具の旨味が溶け出した煮汁に、赤ワインの熟成による旨味や甘味が同調し、より奥深さや広がりが出る
○焼き豆腐、醤油との相性も非常に良好!
今回は狙い通りの相乗効果が出せました。こういった作りやすい和食と合うボルドー赤ワインは本当に重宝します。夫婦でゆっくり週末の食事を楽しむのにぴったりですね。変なクセもなく、料理に合わせやすい赤ワインです。それでは次回もお楽しみに!(西岡)
今回のペアリングワイン:
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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