カリニャン種について

「ブドウ品種を詳しく知ろう」シリーズ、今回からは黒ブドウ品種『カリニャン』です。 単一品種で造られるワインが決して多くはありませんので、全く聞いたことが無い、という方も多いかもしれません。 ひとつ前に紹介していた黒ブドウ『ムールヴェードル』と似た原産地・栽培拡大をしたこの品種、実は皆さんも良くご存じのCLUB30大人気ワインが産まれた場所がその原産地。 是非、知っておいてくださいね。
この品種、フランスでは『カリニャン』ですが、イタリアでは『カリニャーノ』、そしてスペインでは『カリニェナ』の名で栽培されています。 品種の原産はスペインの「アラゴン地方」。 バルセロナとマドリードを線で結んだちょうど真ん中あたりに位置する、砂漠のように非常に暑い内陸のワイン産地です。 ここから北西のリオハにかけて栽培が広がり、そしてイタリアやフランスに。 フランスでは一時、国内で最大の作付面積を誇るブドウだったこともあります。 (*現在はボルドーなどで急激に面積が増えたメルロが1位です。)
そしてまた『ムールヴェードル』と同様に、『カリニャン』も非常に生育が遅い品種。 果実が完熟するまでに非常に長い時間を要するため。 日照と暑さが長く保持され、雨の少ない気候条件が栽培に適した地となります。 アラゴン地方のその名も「カリニェナ」地域は、生育条件にまさにドンピシャで適したまるで砂漠のような地域。 カラカラに枯れ、痩せた土地でカリニャンのブドウ樹が力強く育っています。

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