トレッビアーノ種について

イタリアのお手頃白ワイン定番の品種『トレッビアーノ』種をご紹介します。カジュアルなイタリアンレストランではグラスワインに使用されることが非常に多い『トレッビアーノ・ダブルッツォ』などを始め、日常用ワインの品種として重宝されています。
イタリア国内では広い範囲で栽培されており、最もポピュラーな『トレッビアーノ・ダブルッツォ』を作る中部のアブルッツォ州を始め、トスカーナ州やラツィオ州、北はヴェネト州などでも亜種が栽培され、例えばトスカーナ州では『トレッビアーノ・トスカーノ』、ラツィオ州ローマでは『トレッビアーノ・ロマーノ』の名称で栽培されています。
その一方で、この品種はイタリア原産のカジュアルワイン用品種・・というイメージがとにかく強いですが、実はフランスでは『ユニ・ブラン』という別名で栽培され、その大部分がコニャック・アルマニャックのブランデー用原料として使用されています。コニャック地方ではなんと栽培面積の9割以上をこの品種が占めており、そこでは更に別名の『サン・テミリオン』と呼ばれている・・という何とも複雑な背景もあります。
ポルトガルやブルガリア、ギリシャと言った他のヨーロッパ諸国、また南アフリカやオーストラリア等南半球の国々でも栽培の実績はありますが、やはりこのブドウ品種で最も素晴らしいワインが産まれるのはイタリアかな、と思います。

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