フレンチ・イタリアンの専門料理店などでワインを注文した際、注文した人にそのワインを少しだけ飲んでみるように促される「ホストテイスティング」は、「そのワインがおいしいかどうかではなく、品質劣化が無いかを確認する」儀式です。
前回の「はじめて講座」では、品質劣化の判断には自信が無いと思うのであれば、ソムリエの事前確認に任せて断ってしまっても全く問題はない、とご提案をしました。 確かに、品質に問題の無いものを提供するのはサーヴするお店側の責任ですからね。
ですが今回からは、あなたがこの確認を引き受けた場合の対処法、を書きたいと思います。 「ホストテイスティングをなさいますか」と聞かれて、思わず反射的に「はい」と言ってしまったという場合も、これで乗り切れば大丈夫です。
さて、この儀式ではまずソムリエがあなたのグラスにごく少量のワインを注ぎます。 正式なサーヴィス前の試飲をするためだけですので、ひと口分程度です。 このひと口で状態確認をしてください、ということですのでまずはグラスを手に取りましょう。 (ここから先は以前この講座でご紹介した「ワインテイスティングのやり方」と同じ流れです)
それではグラスを少しだけ傾け、まずは色味の確認をします。 ソムリエがチェックした後のワインですので、濁りや浮遊物などは絶対に無いはずですが、もし万が一ごく小さなコルク片などが浮いていたら、その時は小声で「抜栓の時に少しコルクが落ちたようですね」などと伝えましょう。 状態によってはすぐにボトルが交換されるはずです。
ここでお店の方の見落としを責めたりせずにスマートに静かに事を済ませると、その日その後の食事でソムリエがより熱心なサーヴィスをしてくれますので、ホストテイスティングの際は あくまでもあなたとお店の方1対1で話を進めると良いと思います。
さて、それでは次に香りを嗅いでみましょうか。 実際には口に含む前、ここの段階で品質に問題が無いかの判断を決めることになります。 コルク臭(ブショネ)が無いか、ひねてしまったような劣化は無いか、などを判断する訳ですね。 「特に問題の無い健全なワインだな」と思ったら、この時点で「大丈夫です」と言ってしまって、ホストテイスティングが完了となります。
香りでは品質判断が出来なかった場合はここで何かコメントをする必要はありませんので、そのままワインを口に含んでいきましょう・・・ということで今日はこのへんで。 ここから先の手順と「何となくそれっぽく見える締め」は、次回第146回でご紹介しますね。
今日も1歩、あなたはソムリエに近付きました!
(ではなく、今日は「ソムリエと共同作業をしました」!ですね 笑)
ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。
これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。
主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。
ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。
是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!