連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!
取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!
ということで今回ご紹介する言葉は・・・
「さくらんぼ」
英:cherry
仏:cerise (女性名詞:発音は「スリーズ」で良いと思います)
前回の「カシス」に続いて、丁度スペル順で次に来たのが「さくらんぼ」。
赤ワイン表現の際、前者がいわゆる「黒系果実」を代表するフルーツで、今日の「さくらんぼ」は「赤系果実」を代表する果物のひとつです。
さくらんぼを香りや味わい表現に使うのは、若々しくフレッシュ、酸味もみずみずしい赤ワインが多いですね。
例えば、単一品種のワインなら世界各地の若いピノ・ノワールやカベルネ・フランなどでしょうか。
また、ボルドーワインのようなブレンドスタイルだと黒系・赤系果実両方のニュアンスを感じ取ることが多いので、「黒系果実の力強く濃厚な香りに、赤系果実のさくらんぼやイチゴのみずみずしさも含まれる・・・」などと言う風に、赤ワイン全体の香味構造が赤系黒系どちらに比重があるかを表現し、そのワインをより明確にイメージできるようにすることもあります。
カシスの時にも書きましたが、こういったベリー系果実を表現に使う時は「熟度の段階」について触れると表現に具体性が加わり、説得力が増すと思います。
まだ「走り」の時期の酸っぱさも目立つサクランボなのか、甘く甘く完熟した状態なのか、砂糖やシロップ漬けにしたものなのか、煮詰めてジャムになった状態なのか・・・。
繰り返しになりますが、赤黒系フルーツによる赤ワイン表現は、どうしても限られた果物の組み合わせになってしまうのでどれも似通った、幅の無いコメントになりがちです。
さくらんぼ、いちご、ラズベリー、クランベリー・・・などと果実の種類を沢山並べ立てるよりも、その「熟度の状態」にフォーカスすることで表現に「奥行き」を加える工夫をすると良いですよ!
それでは今週はこのへんで。
今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!
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