ワインボキャブラ天国【第63回】「(フランス語のスラング的に)ワイン」 仏:jus de la treille
- 2020.12.26
- ワインボキャブラ天国
- フランス, 生産者
連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!
取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!
ということで今回ご紹介する言葉は・・・
「(フランス語のスラング的に)ワイン」
仏:jus de la treille (形容詞:発音は「ジュ・ドゥ・ラ・トレイユ」)
今日の言葉は、フランス人がワインのことをちょっとかわいく呼ぶときの言葉をご紹介。
Jus de la treille ジュ・ドゥ・ラ・トレイユ。
Jusはジュース、「treille」は「ブドウ棚」という意味なので直訳すると「ブドウ棚からのジュース」という意味です。
フランス語の本などで言葉の由来を調べてみると、ルネサンス期以降にワインが民衆に広がっていく中で普及していった呼び方とのこと。
元々宗教儀礼のための飲み物であったワインが日常でも飲まれるようになり、こういった砕けた呼び名で呼ぶようになったみたいです。
僕はこの言葉をはじめて聞いた時、ワイン好きが罪悪感を隠すために、これはあくまでもブドウ棚から取れたただのジュースなんだよ、と言い聞かせるような言葉なのだろうな、と勝手に考えていたのですが・・・違いましたね 笑
僕は個人的にこういう「お酒の別名・隠語」みたいなものが大好きです。
日本ではかつて僧侶がお酒のことを「般若湯」などと呼び、これはお酒ではなくあくまでも薬なのだ、霊験あらたかで飲むと知恵が出る水なのだ・・・なんていうのがありますよね。
ワインを表す面白い隠語については、もうちょっと探ってみるのと同時に、自分でも新たな隠語を開発してみようかな、と思います。
というわけで今日は久々に短めのコラムとなりましたがこの辺で。
今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!
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